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ヒロインとはなんぞや。前

遅くなってしまった。

 大分遅くなってしまったが、今回はヒロインについてだ。


 作者の皆さまはヒロインをなんだと思っているのだろうか。

 ワッショイ要員? 主人公だけを愛す聖女? 読者収集装置?

 どれもこれも大外れである。ヒロインとはもう一人の主人公だ、それでいて、既存の主人公とは違う目線で物語を見れる、素敵な奴である。


 ヒロインとは、主人公と出会う者、共に人生を歩むものではあるが、同じ物語を生きる別の主人公だと認識していただきたい。

 さてさて、ここまで読んだ諸兄らはこう思っただろう。


「ヒロインって適当に主人公すごーいって言わせてればいいんじゃないの?」


 違う。

 もう全然違う。

 だから君達のヒロインはかわいいと言う評価ではなく、気持ち悪いと言う評価を下されるのだ。

 主人公が何をしても凄い凄いと騒ぐのはヒロインではなく、キャバクラ嬢でもいい。物語を面白くする為に、ヒロインと言う存在は主人公の物語を別の目線で見て居なくてはいけない。


 ああ、尚、女性向け小説の主人公は、このヒロインの定義には含まない。一応、女性向け小説の男役を書くときに役に立つかも知れないが、それは別に書かせていただく。





 では本題に入ろう。

 ヒロインって物語上で何が出来るの?

 と言う話だ。


 物語を別の目線で見れる、と言う評価だけでは難しいだろう。詳しく解説していく。



 さてさて、今回も例題に使うのは、私の作品「終末世界を変態が行く」のヒロイン、南雲陽子である。

 彼女は元々、平和で幸福な世界を生きていた至って普通の少女であり、ちょっとした事件でコールドスリープに着かされ、モラルとかない世界へ放り込まれてしまう。


 彼女は目覚めると、全裸の変態に遭遇する。その変態は変態らしく、変態ムーブをするが奇跡の一撃で変態を撃沈する。

 しかし、部屋から出ようにも、部屋は電子ロックで施錠されており、出る事は出来ないから、しょうがなく変態に頼る。


 これだけで、ヒロインは物語を動かした。

 主人公たる変態は、ヒロインにちんこを見せつける以外何もしていない。本当にどうしようもない人間である、私の主人公は。


 南雲陽子は、それからも主人公が起こす事件や、解決した事件を別の目線から見続けており、その事件で得たものも、主人公とは別の答えばかりである。


 女性であるならば、嫌悪するはずの主人公に、作中で彼を知れば知るほど、好感を抱いて来ると言う至って普通なヒロインムーブを起こしている。




 詳しく解説していこう、ヒロインには二種類の種別がある。


 それは、能動的に動くヒロインと、受動的に動くヒロインの二つだ。

 上記に記した南雲陽子は、能動的に動くヒロインだ。


 能動的に動くヒロインは、上記のように、主人公が何もしていなくても物語を進めて、主人公をそちらの方向へと引っ張って行ってくれる。


 受動的ヒロインは逆だ、主人公が何かしていないと、物語は決して進まないが、主人公が悪さをしそうになった時に、ストッパーになる役割がある。


 歩む物語は一緒だが、得る結論は違うと言うのが、ヒロインの最大にして基本的なメリットだ。




 さて、ではヒロインの作り方を伝授しよう。

 基本的な部分は主人公の骨格を作るのと変わらない、属性性質を決めて、どんな履歴があるのかを設定する。

 そこで大事になるのは、彼女達の年齢だ。


 年齢と言うのは、精神面とリンクしている。

 若ければ若い程、考え方は感情的にならなければならないからだ。


 例えば、上記にもあげたヒロイン、南雲陽子は混沌にして善の十三歳だ。

 十三歳の少女は、私の主観で言うと、一割大人の部分があり、九割の子供らしい部分が存在する。これから心身共に、大人になっていく時期であり、その精神は未成熟ながらも黄金のように美しいと思っている。


 作中でも、彼女は主人公の起こす行動を見て、何が悪かったのか、何が善かったのかを判別して成長し始めている。

 最近ようやく、自分の正義を見つけたのでこれから、物語を動かしてくれるキーマンになるだろう。


 ここまでの話で、ヒロインに必要な要素を読み取れた人間は、作家向きではあるが、人間観察の癖を持つ性格の悪い人間だと、私が断言しよう。

 よかったね、亜細万と一緒だよ!


 十代前半の少女と言うのは、自分の中に規範を持っていても、それが正しい事なのか、間違っている事なのかを判断する術が欠けている。


 女性が男性より精神年齢の成長が早いと言うのは、嘘っぱちだ。精神の成熟は、男の方が早い。女性が早く成熟するのは肉体である。医学的観点からも、女性は十六歳を越えれば肉体的には親になる機能を完全に備えると言う話だ。

 あくまで肉体的であって、精神が成熟、つまり自分の中で自己が成長し尽すのは三十台間際になってかららしい。


 対する男性は、肉体が完全に成熟するのは二十五歳と遅く、精神面は十八の頃、成長を終えるらしい。

 無論、生育された環境によって、それは前後したりするのだが、大体この頃で間違っていないようだ。あくまで、亜細万の足りない頭で、必死に外国語を翻訳しながら読んだ論文なので、間違いがある場合が多いので、鵜呑みにしないように。

 私の家には使わなくなった辞書が一杯だ。


 さて、閑話休題。


 ともかく、ヒロインの年齢によって、立ち位置が変わると言う話を覚えておいてほしい。


 十代前半の少女がヒロインならば、主人公の物語を眺める傍らで、自身の物語に答えを出す立ち位置になり、二十代そこそこのヒロインならば、若い主人公を導いたり、窘めたりする役柄がむいている。


 基本的に、共に歩むが同じ答えを出す人間ではないので、注意が必要だ。


 後編に続く。

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