表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

水曜日〜努力〜


醤油をボトルで初めて買った。

卵は2パック買ってきた。

ついでに米5kgも買ってきた。そして炊いた。

これで準備は万端だ。

炊飯器はあるのに米がなかったからな…

チンのやつは非常用に取っておこう。


「よし、やるか」


炊けたご飯を茶碗に盛り、卵と醤油を持ってちゃぶ台へ。

もう一度本をよく読み、復習する。

俺は何をやってるんだ…と一瞬思ったりもしたが、今日の山下くんの話を聞いて、俺は出来ないんじゃなくてやってなかっただけだと。

俺だって出来るということを証明せねばな。

そして嫁がいない今、あいつの味が出せるくらいまでレベルを上げると!

卵を1つ持ち、そして…


コンコン…


「ふぅ」


ひびは入った。

ここまでは完璧だ。

問題は次だ。

親指をひびに当てて、ほんの少し力を…


ぐじゃ…


oh…


(む、難しすぎる…!)


力加減が微妙に出来ん。

どうしてもひびに指が食い込んでしまう!


「くそっ…一体どうすれば…?」


俺は本に再び目をやる。

ーー?



【卵を上手に割るポイント!】


『ヒビが入ったら、そこに両手の親を当てて、広げるように割ります。感覚としては割ると言うより左右に広げる感じになります!』



「な、なん…だと…⁉︎」


衝撃だった。

そんな事で良かったのか?

割るんじゃないのか!

そ、そうか…広げる感じか。割ってはいけないのか。

と言うか、先にここを読んでおけばっ…


「…くっ」


俺はあまりの事に頭を抱えた。

昔からこうだ。

重要なところを見逃してしまう節がある。

俺の悪いところだ。

でもまぁ、ポイントも分かったことで次だ次。


コンコン…


「…………」


ごくり、と生唾を飲む。


(左右に、開くように…)


…ぐ……ぱかっ。


oh!


「出来た…出来たぞ!」


そこには、真っ白なご飯の上に鮮やかな黄色の卵が乗っていた。

これが、卵かけご飯!

何という色合い。いいじゃないか。

さて。

これに醤油を垂らしていただこうではないか。


「ふんふんふ〜ん♪」


初めての卵割りに、俺は舞い上がっていた。


どばどばどばどばっ…!


oh…





…なんてこった。


一瞬で茶碗の中は醤油まみれになった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ