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プロローグ


―如何せよ、この言葉は届かない。

 待つものも、見守るものも、誰にも届くことの無い言葉。

  果たして、それは何だったのか。

   それは私にしかわからない。

    ならばせめて自身ふの戒めとして、もう一度言おう。

           この私が私であった最後の言葉として―



 この言葉は、おそらく誰もがごく当たり前に使うものだと思う。しかし、私には重い言葉だった。

 何度となく、その言葉は自分に向けられた。

 素晴らしい意味を持ち、そしてあたたかい。こんなにも簡単で美しい言葉なのについぞ自身の口から発せられることはなかった。

 なぜなのか。今なら分かる。

 私は、この言葉が恐かったのだ。

 美しいこの言葉は、研ぎ澄まされた刃物の如く、私の心に刺さり、プレッシャーという名の傷を増やしていく。

 私は、人々にとってヒーローであったのだ。確かに人々の為に戦い、人々を救っていた。

 しかし、中身はプレッシャーに怯え、そこからの解放のみを目的とする矮小な存在でしかなかったのだ。そして、私はそんな自分が嫌いでもあった。

 どうして、こうも強くなれないのだろうかと。



「はぁ」



 つい、ため息がもれる。

 ここは、一切の闇。自身の存在すら認識出来ない。

 どうして、ここに来たのか。

 もちろん自身の弱さ故だろう。

 おそらく、私はここで終わりを迎える。

 だからこそ、最後に言いたいのだ。

 これは、ヒーローとしての私ではなく、一人の兄として弟に捧げる言葉。

「ありがとう」

 奇しくも、それは自身の最も恐れた言葉であったはずなのに、違和感は無かった。

 そして、それ以外の言葉が見つからない自分に、私は人として最後の苛立ちを覚えたのだった。


どうもはじめまして、ヲ菓子です。

兄弟で書いてます!!

今回は、短いですが次回からガンガン書きます!

感想などよろしくお願いします!!!!

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