労働を避けて漫画を読みたいよね
簡単キャラ紹介
瑠美-主人公っぽい。専業主婦に近いなにか。若干恥ずかしがりだったりもする。黒髪ストレート。
礼奈-活発人間。時々変態。ちゃんと働いてる。金髪ストレート。
二人はラブラブなので同棲してます。
1
「瑠美、なにか仕事しようとは思わない?」
「思わなーいよ♡」
目一杯で精一杯に甘々な声で可愛らしく萌え萌えな感じで返事を返してやった。
どうしてこうも唐突に、働けと言ってきたのだろうか。それに、私は家で家事などなどこなしている。
礼奈は私を強く抱きしめて、うんうん唸り出した。
「うーん、可愛い可愛い。瑠美ちゃんは可愛いねー。でもね、可愛いだけじゃやっていけないわけよ。そんなに可愛いとおっぱい揉まれちゃうぞ!」
「いや、もう揉んでるしいつも揉まれてるし……そもそもさ、なんで私に働いてほしいの?」
「それはねぇ……夢のマイハウス、みたいな」
「家? 家ならここで十分じゃない?」
ここで本邦初公開情報。私と礼奈は2DKのアパートに住んでいる。誰に公開してる情報かは私にもわからない。
「なーに言ってんの。あたしたちの愛はこんな家に収まり切らないでしょ!」
「あー、なるほどね。だいたいわかった」
「反応うっす……まあいいや。じゃあさ、やってみたいお仕事とかないの?」
無いというのが本音だけれど、スパッと言い切ってしまうのもなんとも。
なにか、職業ーー
「……アイドル?」
我ながら適当すぎるチョイスだ。脳のフィルタを通さずにぽろりしてしまったものだし、訂正してーー
「いいじゃんアイドル! 今をときめくビッグアイドルるみるみ! るみるみ……」
◇
『みんなー! 今日は、私のライブに来てくれてありがとー!』
「うおおおおおっ! るみるみー!」
観客ーーもとい瑠美の民と呼ばれる猛者ファンたちが雄叫びを上げ、るみるみの登場を祝福した。
今や国民的アイドルとなったるみるみ。人気の伸びが急すぎた彼女は、未だソロライブを経験したことがないのだ。
そして、今日がそのそのソロライブである。
『まさか、初めてのライブでこんなおっきいステージに立てるとは思ってませでした。それに、こーんなにたくさんのファンの皆が来てくれて。私……私は……』
声が震え始めたるみるみ。やがて、その瞳からは涙がーー
「るみるみーっ! 泣かないでーっ!」
瑠美の民たちがこれ以上ないほどの団結を見せ、最高のメッセージを作り上げた。
やがて、るみるみの表情には笑顔の花が咲き誇り、天使が舞い降りる。
『皆本当にありがとう! 私、今日も頑張れそうです。頑張りついでに……一つ、お礼の場を設けてもいいですか?』
るみるみのお願いとあらば聞かないわけにはいかない。巨大な「いいともー」が会場を包み込んだ。
『じゃあ、言わせてもらいます。ここに居るかはわからないけど……私のファン一号になってくれたれなさん。あなたのおかげで私はここまで来れたと思っています。ありがとうございます! そして、私はファンの皆さん全員のことが、だーいすきです♡』
天を穿つ瑠美の民の咆哮。女神の説く言葉のごとくありがたいそれは瑠美の民の心を打ち貫き、涙を頂戴しては心に静かなる高ぶりを灯らせた。
『では、一曲目にいきましょう。一曲目は、こらーげん☆らぶ! です!』
◇
「ダメだ! 瑠美はあたしが一番大好きだしあたしのことが一番大好きだし! アイドルはダメ!」
「今の一瞬でなにがあったの!?」
手のひら返し世界記録ではなかろうか。
2
コミックレズ姫というのを買ってみた。
漫画家になりたいからその資料のためにお金くださいって言ったら礼奈がさも当たり前のようにお金を出してくれたのだ。
まあ漫画家になる気もなければなれるとも思わないので礼奈も読みそうなものにしてきたのだ。
というわけで読んでいこうと思う。
「うわぁ……絵綺麗。なんで私漫画家になりたいとか嘘ついたんだろう。世の漫画家さんに申し訳ないわ」
五分後。
「こういうのもあるのか……」
十五分後。
「ち、ちょっとえっちなのもあるのね」
三十分後。
「うへへ……いいなこういうの」
一時間ほどかけて、読了。
「はぁー……一気に読んじゃった。凄い……うん、凄いわ」
色々な形の表現で描かれる様々な愛の形と、可愛らしいのからかっこいいのまで様々な女の子。これを読んだことで新たな世界が開けた気がした。
「そいえば、私と礼奈って……」
好きの数だけ出会いと始まりがある。
私と礼奈の始まりはーー忘れもしない、あの冬。
その時、家の鍵が開く音がした。
「ただいまー!」
「おかえりー」
思い出すのは、また今度にしよう。
<続くらしいですぜ>
毎回書き終わりに雑だなって思うので、もうゆるゆるってことにしてください。略してゆるゆりですかね。ごめんなさい。
コミック百合姫、最高ですね。ほんわか百合からNTRまであって最高です。
最後のやつは過去編を書く予定だよって布石だと思っといてくりゃれ