冬の日のアレ
簡単キャラ紹介ダヨー
瑠美-主人公っぽい。専業主婦に近いなにか。若干恥ずかしがりだったりもする。黒髪ストレート。
礼奈-活発人間。時々変態。ちゃんと働いてる。金髪ストレート。
二人はラブラブなので同棲してます。
冬は寒い。
夏は汗をかいたりして面倒だし、厚着をすればなんとかなりうるフユのほうがまだ良いかもしれないけれど、寒いものは寒い。それに、汗をかいてる女の子はエロい。
少し話はズレたけれど、つまるところ私が言いたいのは、寒さ対策が必要だということだ。
そして、私と礼奈の厳正なる会議の結果、アレを我が家に降臨させることになったのだ。
「こたつ様のおなーりー!」
人一倍セクシーなお尻を突き出してひれ伏す礼奈を前に、私はせっせとこたつを展開していく。
そして、完成したこたつ。スイッチを入れれば、そこには新たなるぬくもりが私たちを祝福してくれることだろう。
「イエーイ! 一番乗り!」
ホームベースにスライディングする野球選手ばりのスライディングで礼奈はこたつに入ってみせた。
あとは時間の問題で、ゆっくりと吸い込まれていきーーこたつを甲羅とする亀と化す。
「うへ〜っ、極楽じゃ。瑠美も早く入りなよ」
そう言って、礼奈は隣を勧めてきた。
こたつのぬくもりに包まれながら、礼奈とくっついて過ごすのなら、なんと快適だろうか。
問題は、その快適にある。
私のことだから、ほぼ確実にこたつに入ったら抜け出せなくなるだろう。
まあそんなことはどうにでもなるだろう。
そう思い、こたつに身体を挿入した。
「あっ……あったかいぃ……」
優しく抱きしめられているかのように伝わってくるぬくもりが身体を包み込む。思わず変な声が漏れるほどの悦がそこにはあった。
「あー、もうダメ。私ここで果ててもいいわ。こたつと結婚するね」
「えーっ! 瑠美はあたしの嫁!」
「こたつを出したいって言ったのはどこの誰だったかしら?」
「うっ……ぐぬぬ……」
◇
「さて、みかんでも食べようか」
こたつとみかんの組み合わせ。いわゆる最強タッグである。
しかし、事態はここで起きていた。
「礼奈……みかんがこの部屋に無い。無いよ」
「へっ? 当たり前でしょ。ダラけすぎて頭までぽかぽかになっちゃった?」
サラリと酷いことを言われた気がするが、気にしない。
礼奈の言った通り、みかんがこの部屋に無いのは当たり前だ。何故なら、違う部屋に置かれているから。
つまりーー
「みかんを手に入れるには、こたつから出なきゃならない……」
礼奈も察したようでーー突如、私を抱きしめた。
「二人なら大丈夫だよ瑠美……一緒に逝こう」
「……グッドラックだよ、礼奈」
「ざ、残酷すぎやしませんかね……」
私は既にこたつから離れられぬ身。宿のないヤドカリになるつもりはない。
その後、渋々外へ出ようとしては渋ってこたつに送還されるというループを繰り返し始めた。礼奈の足裏をくすぐってやると、中々痛いデコピンをブチかまされた。
一分ほど待つと、部屋のドアが開いた音。
「おかえりー」
しかし、返事は無い。
「……礼奈?」
振り向こうかーーそう思った瞬間、私の頬に氷点下が触れた。
「んひぁっ……つ、つめ……冷たっ! 何事なの!?」
「いや騒ぎすぎ騒ぎすぎ。これあたしの手だから。名付けて氷点下の手……かっこいいでしょ」
「いや、色んな意味で寒いから」
「そんな真剣な顔で言わなくても……あっためてあげようかと思ったのに、瑠美の態度がそんなんじゃなぁ」
そいつは聞き捨てならない話だけれど、この冷え切ったみかん運びの嫁に私をあったかくする術があるとは思えなかった。
しかしーー
「も、申し訳ございません……」
施しは受けて損は無い。こたつに潜ったまま私は礼奈に誠意を見せた。
「……せめてこたつから出てほしいものだけど、まあいいや。顔上げて」
言われた通り顔を上げるとーー頬にキスされた。
「これであったまったでしょ?」
言いながら、礼奈はこたつに潜り込んだ。
「……なんでもかんでもキスでどうにかなるのは王子様の特権じゃない?」
「あたしは瑠美の王子様のつもりなんだけどなぁ」
「……なるほど。うん、みかん食べようみかん」
皮を剥こうと思って冷たいみかんを手に取った。しかし、礼奈が既に皮を剥き終えていた。手の早い王子様だ。
「はい、あーんして」
「あーん……うん、美味しい」
「よし、じゃああたしはみかんで美味しくなった瑠美の唇をいただこう」
「えっ? ちょ……」
刹那、私の身体はいとも容易く押し倒されていた。
「れ、礼奈……こたつの中ではさすがに」
「えー、汗まみれ、良いと思うけど?」
この後どうなったかはご想像にお任せである。
<続け>
読み返して思ったけど雑ですね。作者はみかんあんまり食べません