4話「勇者、別の国の勇者に会う。」
色々とスランプ気味かもしれないッス。
旅は進んで、隣の国の城下町までついたんだが。
「さて、城についたが寂れてる感じがするなぁ。」
「城下町自体もそんな感じだったしねぇ。」
「昔ながらのって感じで私は好きですけど。」
「あれは、昔ながらの物すら最低限の補強しかできてないって感じだ。」
「・・・そこの奴ら、それ以上は侮辱罪にあたるぞ。」
城の前でしゃべり過ぎたかね。
「悪い悪い、俺はこの紋章の国の勇者なんだが、王に謁見したいんだが。」
「・・・俺の一存では判断できんから、上の者を呼んでくるから待っていろ。」
「了解。」
まぁ、そうなるか。
「ようやくか。」
「おぬし、私はこの国の大臣だぞ。口は慎まんか。」
「あの王だぜ。」
「う、うむ。」
これで通じるのか。大概だなあのおっさん。
「それはそうと、わが国王がお会いになると言っていたぞ。謁見の間まで案内しよう。」
「ありがとさん。」
「馬はこちらで預かります。」
「了解。」
まぁ、城の中まで連れ歩くことは出来ないよな。
「よく来たのぉ、隣国の勇者よ。」
「よう、爺さん。」
「勇、王様に対してそれはやばいですよ。」
「やはり、あの国の勇者だのぉ。」
「おほめに預かり光栄だ。」
「褒められてませんから。」
わかってるって。
「そして、何の用かね。」
「各々の国王には挨拶しておけと言われたのと、ここで物資の補給はしてもらえるのかだな。」
「ふむ、我が国は貧乏じゃからのぉ。物資に関しては兵士長と要交渉じゃな。」
「了解。後は、扉の後ろから除いている餓鬼共はなんなんだ?」
「我が国の勇者じゃ。」
予想はしてたが勇者として呼び出されたのは俺だけじゃないみたいだな。
「さて、あんな餓鬼共に戦わせるつもりか?」
「勇にそんな良心あったんですね。」
「羽虫はちょっと黙ってろ。」
「この国は金が無くての。それの対策として魔王討伐の為に勇者を呼び出したんじゃが。」
「餓鬼二人が呼び出されたと。」
「勇者召喚にも膨大な資金が必要での。」
「一回しかやる余裕が無かったと。」
「だから、せめてしっかり教育して送り出すことしか、わしらにはできないのじゃ。」
「・・・そっちの都合があって、それに対するフォローがあるのならまぁいいか。」
俺がどうこう言いすぎるのも問題があるだろうしな。
「羽虫、そろそろ・・・って、どこに行ってるんだよ。」
黙ってろとは言ったが、他の勇者の所に行けとは言ってないぞ。
「こっちの、勇者の勇はいつも私をいじめるんですよ。」
「おい、根も葉もない嘘を吹き込むな。せいぜい、ぼけ倒してるだけだろうが。」
「言動がアレ過ぎるんですよ。」
「妖精さんと、兄ちゃんって仲いいんだな。」
「そうでもないです。」
「と、羽虫は言ってるな。」
「そうなのか?」
「そうなんです。」
後ろにもう一人、隠れてるな。
「後ろで隠れてるのは?」
「双子の妹の、陽子だ。寂しがりでさいつも俺の後ろに居るんだ。」
「・・・双子?」
どう見ても、小学校中学年ぐらいだぞ。
「ちなみに、中学生になったばっかりだ。」
「ゑ?」
こいつも、小学生に・・・いや、なったばかりだとそうでも、やっぱそれでも。
「で、兄ちゃんの名前は?妖精さんが言ってたけど直接教えてくれよ。」
「今川勇だ。お前は?」
「俺は陽介。山本陽介だ。」
「そうか、まぁ勇者同士出会った時には協力するくらいの気持ちで行くか。」
「おう、勇兄ちゃん。」
まぁ、こっちがフォローするというかそんな感じになるだろうけどな。
それと、城内が騒がしくなってきたな。
「王様、魔物がこの国に集結しています。」
「何じゃと。数は?」
「数は1000や2000では効かないぐらい多数。魔物側の将軍が率いていると。」
「本当か!!」
「は。」
いきなり魔物側の将軍とか厄介なのが。それに、急に空が暗くなりやがったし何かあるな。
「愚かな人間どもよ。我は、魔王軍の将『獣王』である。」
やっぱり、わざわざ空に自分の姿映して御大層なことで。
「わが望みは、勇者を始末することである。明日の日の出までに勇者を差し出せばこの国を滅ぼすことは考えてやろう。」
・・・『考える』ねぇ。
「そこな兵士、矢と水、それに短剣を用意してくれすぐにだ。」
「隣国の勇者よ。もしや・・・」
「どうせ、やりあわなきゃいけないんだろ。だったら先に攻撃を仕掛けるだけの事だ。」
「勇兄ちゃん、俺も行く。俺だって、勇者だ。」
「わ、私も。」
「ついてくるなって言っても無駄だろうしな。勝手について来い。」
「「はい!!」」
さて、さっさと大将首とって終わらせないとな。