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2話「勇者、天馬と妖精を拾う。」

「立ち去れって追い返してるのに何で来るんですか、人間。」

「おお、球体がしゃべった。流石不思議パワーがある世界だな。」

「少しは怖がってくれたっていいじゃないですか。」

「いや、別に気にしなけりゃいいわけだし、いつか誰か来てたと思うぞ羽虫。」

「羽虫ってこの姿を見てもその言葉が言えますか人間。」

 おお、羽が生えた手のひらサイズの子供みたいな姿になったな。


「人間にもわかりやすい"妖精"の姿に見えるようになってやりましたよ。」

「うん、すごいな羽虫。」

「だから、羽虫って呼ぶなって言っているんですよ。人間。」

 反応が面白いなこいつ。


「羽虫が嫌なら一寸とでも呼ぼうか?あと俺は人間じゃなっくて勇だ。」

「一寸の意味は知らないですが羽虫よりかは。」

「『一寸』長さの単位で短めのものである。転じてわずかな時間・距離・量、また小さい物事のたとえでもある。」

 ん?この直接頭に響くような声は?


「そうなんですか、ペガサスさん。・・・って、単純にチビって言ってるような物じゃないですか。」

「羽馬会話すること出来たんだな。それはそうとして、こんなところで人間追い払って何やってたんだ。」

「私の話を・・・、えっと人間を追い返していた理由ですか?」

「そう、報告があって見回って来いって言われてから俺が来たわけだしな。」

「それは、ペガサスさんが怪我してここにやってきたからそれを守るために。」

「羽虫はそこの羽馬と共存関係にあるのか。」

「だから、羽虫じゃないです。それと、私の周りにしゃべれる生物はいなかったですから。」

「妖精は唐突に生まれるからね。エネルギー生命体だし、だから都合のいい様に動いてくれると思って利用しようと思ったわけだし。」

「そうなんですか?」

 羽馬意外と腹黒だな。


「いやぁ、けがをしたとき守ってくれる存在って大事だよね。」

「いい話っぽくしようとしても無駄ですよ。」

「そんな風に一々反応するからいじられるんじゃないのか。」

「ゑっ?」

「言っちゃだめだって、それが面白いのに。君はわかって言っている風だけどね。」

「ゑっ?」

 この羽馬とは気が合いそうだな。


「勇だっけ。君は異世界から召喚された人でしょ。」

「そうだが。」

「怪我も治ったし面白そうだから君について行くことにするよ。妖精はどうする?」

「ゑっ?えっと・・・また独りになるのは・・・」

「ついて行くって。」

「俺の返事聞かずにかよ。面白そうだからいいけど。」

 見回りのはずが、変な物連れ帰ることになったなぁ。


「そういや、なんて呼べばいい?」

「好きなように読んでくれたらいいよ。自分も妖精も個体識別の概念が薄いからね。」

「了解。じゃあ羽虫と羽馬行くぞ。」

「だから羽虫は(ry」

 気にしない聞こえない。




「自前の馬拾ったので練習場貸してください。」

「いいが何拾った。」

「天馬です。」

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