13話「勇者、獣王のなれの果てを破壊する。」
エタっては無いッスよ。いやほんとッスよ。
「やぁやぁ、よく来たね。血濡れの勇者さん達。」
俺達は、糞野郎が言っていた塔に来て、立体映像にむかつくことを言われていた。
「血濡れって、あんたがそうせざる負えない状況を作ったんだろうが。」
天河はむきになって、糞野郎に言い返していた。
「けれどもそれを実行したのはあなた達だ、私は選択肢を渡したにすぎませんよ。」
「あんな状況・・・!!」
「天河、むきになり過ぎるな。相手を喜ばせるだけだ。」
この手の手合いは、相手を怒らせて楽しむ悪趣味な奴だからな。
「いやいや、金の為だけに同法殺しを眉一つ動かさずできる人は言うことが違いますねぇ。」
この野郎それも知っているのか。
「えっ、勇、相手の言っていることは嘘ですよね。」
最後の良心で羽虫には黙ってたのに、知りやがったか。多分天河もあの時の様な反応をしてるだろうな。
「信じるかどうかは勝手にしろ。どう思われようが俺が俺であることには変わらん。」
どうせ元の世界でははみ出しものだったからな。
「軽蔑したければ勝手にしろ。だが今はどうせ相手が用意している何かをたたくのが先決だ。」
真実であることを取り繕うとは思わん。
「いやはや、挑発には乗りませんか。だったらお望み通り私の最高傑作を出してあげますよ。」
そして、見たことのある姿をした死霊を出してきた。
「これは、獣王か!!」
羽の生えた直立した獅子のような姿は忘れられるか。
「我は・・・」
「先手必勝!!」
登場シーンを律儀に待ってやる気はない!!火薬付の矢を喰らいやがれ。
「勇、やることが狡いな。お約束ぐらい守ろうぜ。」
「知るか、やらなきゃやられるだけだ。」
腕を吹き飛ばす程度の火力は出したはずなんだが。
「いやはや、説明を聞く気が全くない人ですねぇ。魔力による破損した部位の固定化程度の術式は組み込み済みですよ。」
「つまり?」
「体が吹っ飛んでもそのまま腕とか動かし続けられるって事よ。」
第一王子ありがとう。
「だったら、術式の核を破壊する!!羽虫は解析。俺は空から攪乱をする。天河たちは核を破壊する以外の倒し方を用意しておいてくれ。」
「了解!!」
とりあえず、手の部分を壊して相手の攻撃範囲と火力を少しでも狭める。
「魔装展開!!一撃で消滅させる事ができたら核を狙う必要がないはずだ!みんな魔力を分けてくれ!」
天河は大技で行くのか。
「羽虫、術式の核は見つかったか!」
「・・・見つかりましたけど、構成的にすべての核をほぼ同時に破壊しないといけないみたいです。」
「場所は!?」
「頭部と心臓部、腕と足の関節に一つずつ。」
それだけの数をほぼ同時にはきついな、だったら。
「天河、サポートはしてやる。全部ぶった斬れ!羽虫も天河のフォローに回れ。」
まずは一時しのぎにしかならないとはいえ、足を止めないとな。
弾丸のように飛んでくる羽、咆哮によって出される衝撃波。
その他もろもろの攻撃も楽じゃないがこっちで凌いで隙を作り続けないとこっちの勝ち目が無くなる。
「勇、準備はできた!」
「了解、もう一度足を破壊して止める。その時に放て!」
最後の火薬矢だ、食らいやがれ!!
「今だ!!必殺の一撃を食らえ!」
天河の巨大な魔力剣で元獣王の体は消滅していった。これで終わりか。
そして、倒したと感傷に浸ってたらあの糞道化師が、立体映像でまた姿を現しやがった。
「おやおや、私の最高傑作を倒したようだね。」
「そうだ、お前の最高傑作とやらは倒したから死霊王、お前自身が出てこい!」
天河が叫んでるが、糞道化師は聞く耳持たずなんだろう、そのまま話を続けやがった。
「これは今まで残しておいた特上の素材を収穫する時ですかね。」
「特上の素材って、てめぇ。」
「いやはや、しゃべりすぎてしまいましたかね。止めたかったら止めに来てください。できるのならね。」
そこまで言って、映像はぷつりと途絶えた。
「俺は死霊王をぶっ倒す。どこにいようとな。」
「隼人ちゃん…そうね、あんなこと聞いたら止めに行かないわけにはいけないわよね。」
天河と第一王子達の次の行動は決まったみたいだな。
「そうか、じゃあ俺たちは魔王を倒す方を優先するさ。あの糞道化師に出会ったら倒すがな。」
こうして、天河たちと別れた。
でかい厄介事さえ来なけりゃ、また共闘したいんだがな、楽できるし。
ちなみに死霊王の出番は『流鏑馬勇者遊々記』ではもう無いッス。




