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地獄からの使者

作者: 俊衛門

初投稿です。ついでに処女作です。


「小説」の体をなしていない気もしますが・・・・・・。

ある日の夕暮れ


――ピンポーン――


「こんにちは。○山○男さんのお宅でしょうか。私、ヘルスタッフィングサービスの四二上鎌ノ介(しにがみ かまのすけ)というものです。すこしお時間いただいてもよろしいでしょうか? あ、ありがとうございます」


――上がりこんで――


「実はですね、閻魔帳によると○山さんの余命はあと一ヶ月なんですが……え、ご存じない。ああ、そうですか。いやそうなっているんですよ。ああ、そんな顔をなさらずに。

それでですね、残り少ない人生を楽しんでいただくために私どもの方で『人生をご一緒に……最期の時を楽しむためのプラン』を提案させていただいているわけでして。どうでしょうか? 残り一ヶ月を有意義に過ごすために。

ちなみに○山さんは独身でいらっしゃいますよね? そうしますと、こちらのプランはいかがでしょうか。『魂をゆさぶるもの……恋人に看取られながら』 あなたはこの一ヶ月、恋人と甘いひと時をすごします。そして一ヵ月後、彼女の身代わりになって事故に遭います。病室のベッドで彼女に名前を叫ばれながら亡くなります。実にドラマチック……え、彼女はいない。それはどうも、失礼しました。

そうしましたらこれなんてどうでしょう。『闘病、愛、そして』 あなたは不治の病で入院します。そこで一人の看護師と出会います。彼女の献身的な介護。いつしか二人は恋に落ち、治ったら結婚しようと約束しますが――どうです、泣かせるでしょう。え? 長く苦しむのはいやだ。まあ、抗がん剤治療は大変ですからね……いや別にがんじゃなくてもいいんですが。

では一瞬で逝けるものは、っと。あった。『昼ドラドロドロ痴情のもつれ』 これは、まあ簡単に言えばあなたは二人の女性に愛されるわけですよ。しばらくハーレムのような二重生活を送るのですが、ある日、浮気がばれて一方の女性にブスっと……死後のことを考えるとあまりおススメはしませんが。え、これがいい? あ、ではこちら御購入でよろしいですか? はい、ありがとうございます。なかなか変わった嗜好をお持ちで……あ、いえ別になんでもないです。

そうしますとこちら、12万8000円となります。高いですか? でもあの世にお金は持ち込めませんし、どうせあと一ヶ月――失礼しました。お支払いは……カードで。はい、大丈夫ですよ。ではこちらに判をお願いします。はい、結構です。

それでは、明日から一ヶ月となります。よい余生を」




翌日、俺はネット通販で防刃チョッキを買った。

感想等お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後のチョッキには笑ってしまいました……というより、主人公があっさり死神を受け入れているのが凄いですね^^; 面白かったです^^!
[一言] はっきり申し上げて、面白かったです。最後のオチが笑いのツボをおさえているな〜と感じました。(主人公頭良いですよね〜。防刃チョッキって(笑)) 短いお話なのに最後にクスリと笑わせるセンスがうら…
[一言] 落語みたいな感じで楽しく読めました。 防刃チョッキの落ちが面白いです。使者のイメージも何も書いていないのは、わざと?と思いながらも、結構イメージが自分の中でわいてきました。
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