プロローグ
お久しぶりの方もはじめましての方も、読んで下さってありがとうございます!
ちびっこがヒロインのほのぼのストーリー、楽しんで頂けたらと思います。
最後までお付き合い頂けたら嬉しいです(*^^*)
重い瞼を開く。
薄暗いのはなんとなく分かるけれど、視界がぼやけていて、周りがよく見えない。
おかしいな、私、視力が良いのは自慢だったのに。
目を擦ろうと手を上げる。
すると、なんとなく感覚がいつもと違う。
動かし辛いというか、自分の手じゃないみたいというか……。
目の前まで手を動かしてぼんやりと見えたその手のひらは、いつもの私のものとは、違う。
え!?小さい!?
「あうあう!?」
話そうと思った言葉とは違う、別の言葉と、私のものではない幼い声。
「あうあー!?」
一体どういうこと!?と叫んだけれど、それもまた上手く言葉にならない。
そうだ、私、事故にあって……。
そして、それからどうなった?
なにがなんだかよく分からない状況の中、側で誰かがしゃがんだ気配がした。
「あらあら、こんなところに。かわいそうにね、私と一緒に帰りましょう?」
誰かが私に向かってそう話しかけた。
良かった、言葉は聞き取れる。
声と話し方の感じから、年配の女性のようだ。
お礼を言おうとすると、その女性に優しく抱きかかえられた。
ん?年配の女性に抱きかかえられた?
「魔物に見つからなくて良かったわね。……あら?このおくるみに書かれているのは、名前かしら?ごめんなさいねぇ、私、文字が読めないの。村のお医者様に教えてもらいましょうね」
え、魔物?
おくるみ?
文字が読めない?
ますます混乱する私に、女性は歩きながらなおも話しかけてくれる。
「一歳くらいかしら?こんな赤ちゃんを森の中に捨てるなんて……。なにか事情があったのかしらね。大丈夫よ、私が責任を持って育ててあげるわ」
一歳。
赤ちゃん。
それにこの小さな手。
まさか……。
「もう少しで村に着くからね。ほら、見えてきたわ。リンデマン王国のハウン村よ。今日からあなたが暮らすところ」
知らない国名に村の名前。
事故にあって、目が覚めたら知らない場所っていうこの状況。
間違いない、私……。
「あうあうあうあー!?」
異世界転生、しちゃったのー!?
同時にもう一話投稿しますので、続けてお読み下さいませ(^^)