尾翼意識のすゝめ ~ネット尾翼~
左翼・右翼・中道・リベラルを全て是是非非で良いとこ取りします。それが尾翼です。
左翼であれ、右翼であれ、中道であれ、リベラルであれ、正しい物は正しいし、そうでないものはそうでないのです。
保守でも革新でもなく、それらを折衷した中道やリベラルでもありません。
固定の主義・信条に拘らず何が良いかのみを臨機応変に判断して選択するのが尾翼なのです。
飛行機は左翼だけでは飛べないし、右翼だけでも飛べないです。
真っ直ぐ進むだけではぶつかります。曲がる時は左でも右でも曲がらなければならないし、真っ直ぐ進むべきときは真っ直ぐ進まなければならないです。それをコントロールするのが尾翼の役目です。
尾翼とは右翼と左翼と中道の闇鍋です。
右翼だろうが左翼だろうが中道だろうが、正しいと思う方の味方をします。
保守と革新のどっちが正しいとか無いですからね。
保守にも革新にも中道にも正しい部分と間違っている部分がある。
特定の思想に固執するとその思想ありきの間違った結論にたどり着いても気がつかないものです。
「あの人は真の保守だから正しい」とか「あの人はパヨクだから間違っている」と言うような短絡的な思考には陥って欲しくないです。
黒いものは犯罪者が黒いと言っても正しいのです。
「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」が重要なのです。
正しい事を言うのに右も左も中道も関係ありません。
右にしろ左にしろ、特定のイデオロギーに固定してしまっては偏った考えしか導き出せなくなります。
大事なのはイデオロギーよりも何が正しいかです。
右翼・左翼・中道を良いとこ取りした政治キメラ。それが、すなわち、ネット尾翼です。
イデオロギーなき左翼・イデオロギーなき右翼、それが尾翼という意識です。尾翼とは思想ではなく意識です。
「自分が正しいかを証明しようとする」のではなく、「何が正しいかを究明しようとする」のが正しい判断を下す最善の策なのです。
どんなに完璧な人間でも必ず間違いやミスを犯します。
正しい答えを導き出すには、主義・信条を無視した上での客観的な判断が必要なのです。
正しい答えを導き出すには、右・左・中道・リベラルなどの固定の立場に拘るのは妨げになるだけです。
正しい意見は立場問わず正しいと判断できる柔軟性が必要なのです。
一つ、問いたいです。
「あなたは自分の意見は全て正しいと思っていますか?」
イエスと答えられたなら、あなたには独裁者の資質があります。
意見を主張する時は、自分が間違っている可能性も常に念頭においた上で議論するように心がけましょう。
僕は小学生の頃から共産主義者で、左寄りと呼ばれる日教組の義務教育よりも更に左寄りの思想の持ち主でした。
しかし、ネットに触れる事で、右巻きの意見ばっかりが目付き、右へ右へとドンドン引きずり込まれて行きました。
自分と真逆の意見ばかりを見てだんだんとそっちが正しいと思いだすエコーチェンバーの逆が起きた訳です。
しかし、元々左寄りの思想の持ち主だったが故に完全な右翼落ちはしませんでした。
そして、ネット尾翼と言う名の政治キメラが爆誕したわけです。
前述の通り、僕は共産主義者で、累進課税に反する消費増税には反対でしたが、消費増税するしかないというネットの意見を真に受け、僕も「消費増税は財政健全化のためには必然」という意見に360度変わりました。
当時は民主党政権で、消費増税に反対していた民主党ですら消費増税に舵を切ったのも後押しして、「やはり消費増税は避けられない必要事項なんだ」と思い込み増されましたよ。
ネットで自民党を支持する保守派の人達もこぞって消費増税を支持していました。自民党も消費増税には賛成の立場でしたからね。
今思えばそれは保守派ではなくネトサポだったのではないかと思いますね。とにかくその保守派(?)の人たちの声を真に受け、「消費増税はいずれすべき(ただし今やるべきではない)」という考えに代わっていきました。
しかし、最近の保守派はなぜか消費増税に反対、それどころか、消費減税まで推進しているんですよね。
なんだか騙されたような気分になりました。僕の考えはさらに720度回転し、今では消費税廃止論者になりました。
エコーチェンバーの真逆で、逆の意見を聞きすぎると考えも変化していきます。民主党政権時代は消費増税に賛成だったのが保守派の世論だったのに、いつのまにか消費減税が保守派のトレンドになっていました。
僕が民主党政権時に見ていたのは似非保守で、正体はネトサポ(=自民党の盲信者)だったのかもしれませんね。なお「ネトサポ」とはネットサポーターという組織の名前という意味ではなく、自民党の盲信者を揶揄した呼称として使っています。
自分が正しいと思っていても、360度・720度考えが変わる事もあるんです。
皆で、「自分の意見が100%正しいなんてあり得ない」という事を常に念頭に置いておくように心がけましょう。