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生きるの辛い人いますか?

作者: 水妃

あのー、


何?


生きるのって辛い?



そうだね。

生まれたら死ぬから

辛いよね。


まぁ、死ななくても辛いけど(笑)



解決方法はありますか?



う~ん。

そうだな……

この生まれて、老いて、病になって、

最後に死ぬサイクルのゲームに

入り込まないようにするしかないね。



強いて言えば、

生まれてこないことかな。



このサイクルに入ってしまうと、

自分を認識し、

有名になりたい、

金持ちになりたい、

美しくありたい、

老いたくない、

死にたくない、

死にたいけど死ぬ勇気ない、

仲間外れにされたくない、

頑張らないといけない、

楽しいこの時間がもっと続いて欲しい、

あの土地が欲しい、

もっと自分の範囲を広げたい、

蹴落としてでも出世したい、

一位になりたい、

そしたら、

もう一度一位になりたい、

セックスしたい、

負けたくない、

失いたくない、

飽きる、

暇つぶししたくなる、

遊びたい、

虚無感を感じる、

逃げ出したい、

目立ちたくない……


挙げればキリがが無いけれど、

このゲームの穴にハマってしまうんよね。


生きながら草や動物みたいになれたら良いけどね。


人間は幸せになる設計図じゃないんだよ。

生き延びて次に繋ぐ設計図だから。

そこに思考がしっかりくっついてしまった。


しかもネガティブなものが脳に強く印象に刻まれるから

やっかい。


宇宙はこれっぽっちも

我々のことなんか気にもしていないのよ。


あやつらに関係ないからね。



そしたら、

生まれないほうが良かったってことかな?

この世界に。


だって希望なんかないからさ。


本を読んだり、

映画を観たりして

最後ハッピーエンドで終わる事が多いけど、

その後もずっとハッピーに暮らしたなんて有り得ないだろうし、

これはそうであって欲しいという願いだったり、

ごまかしだったり、

真実から目を背けるみたいな

そんな感じだよね。


まぁ、そうとも言えるよね。

作者の願望。

読者の期待。


ビジネス的側面もあるだろうしな。




でも、自分で決めれないよね。

生まれるとか生れないとか。


そうだね。

ガチャだね。



詰んでない?



まぁ、捉え方かな。

色々な考えがあるから否定しないよ。



文豪とかもそうだが、

やたらと頭良すぎると生きにくい世界だよね。


そうだね。

頭が良過ぎるのも考えものかもね。

いち早く色々気づいてしまうから。

このゲームの仕組みに。


そして、

自らゲームを降りていくよね。

それが素早いソリューションだから。



僕の知人は

自ら降りたよ。



えっ、そうなんだ。



残された僕たちは、

何か出来ることは無かったのか自らを責めたよ。


手紙には、

ごめんね。

ありがとう。

それだけ書かれていた。


遺体を目の前に泣いた。

これでもかと言うくらい泣いた。

気づいたら泣きじゃくっていた。


舌はガーゼで隠されていた。


出来ることなんて無かったかも知れないけど

何か話を聞いてあげれたら

運命は違ったのかなと何度も何度も考えてしまった。


知人が作ってくれた

手料理の味が口の中に今も染みついて離れない。




そんな事があったんだね。



うん。

とても悲しかった。

だから僕は自分からゲームを降りるようなことはしないと

決めたんだ。



ほう。




確かに僕は、慢性前立腺炎も、

胆道ジスキネジーも、ドライアイも、飛蚊症も、

喘息も抱えながら生きて結構辛いんだけど、

薬でコントロールしているだけで

昔のように戻れないんだけど、

これでも生きていけるならそれで良いかな。

条件付きでもね。


自らゲームを降りるのではなく、

自然に降りる日が来るまで

精一杯ゲームしようと思うよ。

楽しもうと思うよ。


人生、能力の差で途中は目の形のように

広がりを見せるけど、

最後はまた一つに集約される。


行先は皆、結局は同じだ。

大した差は無い。


ゲームは必ず終わる。


だから、

苦しみも永遠なんかじゃない。



そうだね。



うん。


さて、

適当に、脱力しようぜ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 途中、知人の方のエピソードでとても驚かされました。 自分から降りる選択肢は確かにあるかも知れないけれど、それを選ばないことの理由に深く納得しました。 この作品には、自分から降りようかと迷って…
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