酷な自称女神
2話目を出すのが1年後になりました。三日坊主ならぬ三時間坊主…今後暇な時は更新するかもしれません(常に暇)
文章や日本語がおかしいかもしれませんが、その辺はご了承ください。
また、話によっては過激な表現等が含まれている可能性がございます。苦手な方は閲覧を御遠慮ください。
エルメスが指を鳴らした瞬間、良天候だった森林を黒く大きな雲が覆い尽くし、雷が虎を襲った。
それは正に━━━━━━━
「奇跡だ!」
「我の力だ!!奇跡でもなんでもない、我が望んだからこうなっただけだ!!」
この状況下でもまだ自称女神キャラを続けるのかと思ったが、表情や仕草で喜怒哀楽を表現してくれるエルメスの姿は実に可愛く、どこか神々しいその姿は少し幼い女神のようだった。
「なぁ千弥ー、この虎うまい具合に焼けてるぞ!食ってみないかー?」
前言撤回。見た目は可愛いが言動が恐ろし過ぎる。全然女神らしくない。こんなに楽しそうに虎を解剖するような奴が女神だったらこの世はもう末期だ。
うっ、色々とパニクりすぎて頭が痛い。俺はその場にしゃがみこむ。そして俺はエルメスの方を見ながら
「そろそろ家に帰してくれないか?」
とお願いする。すると、俺と目が合ったエルメスが僕に指した虎肉を両手に持ったまま近付いてきて目の前にしゃがみこみ、俺の頭を撫でた。具合の悪そうな俺を見て心配してくれているのだろうか、俺は嬉しさと感動のあまり涙を零す。するとなぜかエルメスも目をうるうるさせ、俺をじっと見つめる。
「虎が怖すぎて腰が抜けて立てなくなってしまったのか?可哀想だな…同情するよ…」
「勝手に同情すんな!!!」
なんだこいつ!!可愛いくせに性格悪い!!心配してくれているのかと本気で思ってしまった俺を殴りたい!!
でもよくよく考えたらこんなちんちくりんが急にまともになるはずがない、訳の分からないことで同情されて、哀れみの目で見られて。
学校で味わった感覚と同じだ。
俺はなんて表せばいいのか分からない大きな感情のせいで頭がおかしくなりそうだった。
「…もういい早く家に帰してくれ」
「うんうん、こんなダサいところを我のような超絶可愛い美少女にみせてしまって恥ずかしすぎて自分が嫌にー」
「いいから早く帰らせてくれ」
ノリだとわかっていたものの、無神経で空気を読まないようなエルメスのその言動は俺の心を深く傷付けた。
今考えたら不法侵入してきた厨二病…見た目は可愛くてもただのヤバいやつじゃないか。俺はこいつに何を期待していたというんだよ。
あぁ、こいつも俺の敵だったんだ。
「な、なに真に受けてるんだ、冗談じゃないか!じょーだん!…ごめん、千弥がそんなお豆腐メンタルだとは思わなかった。」
重く暗い空気のままエルメスは指を鳴らし、一瞬で見慣れた部屋に戻ってきた。その非現実的な事を不思議に思う前に俺は真っ先に自分の部屋に向かう。着いてこようとするエルメスをじっと睨め付け、俺は「出てけ」とだけ言葉を発した。エルメスはその場に立ち竦み、俺は自分の部屋(殻)に閉じこもった。
久しぶりに小説描きました