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黒霧  作者: よた
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 その日の夕方、ワシワは村人を集めて、カイ村の者に山の通行を許すか否か、話し合いました。もちろん村の者たちの意見は反対でした。しかもカイ村の評判は悪く、彼らの思い通りにならない場合、彼らは銛や棍棒を持って村にやってくると云います。つまり無理やり従わせてしまうのです。


「そんな奴らの思い通りにさせてたまるか!」と年長者たちが云いました。若者たちは彼らに逆らうことができませんでしたから、武器をとって戦うことになります。


 約束の日がやってくると、その日の朝、カイ村の村長とその従者が数十人やってまいりまして、皆、大きな壺や背負子を背負っています。どうやらそれはミネ村への献上品らしく、中身を見せてもらうと、山や河では獲れないたくさんの魚や貝、海藻などが入っています。塩で閉めたり乾燥させて干物にしたりしていましたから、保存がききますし、これなら二週間は狩りに行く必要もないほどの量でした。


 これを見たミネ村の年長者たちはすぐに武器を隠すようにと、若者たちに命令し、カイ村の者たちと友好な関係を築くべきだ、と心変わりしたのです。どうしてここまであっさりと正反対に意見を変えてしまうのかと、不信感を覚えましたが、もちろん若者たちは争わないことには賛成でしたから、それに異論はありませんでした。そしてこの日からカイ村との交流がはじまったのでございます。


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