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館の魔女は気苦労が多い  作者: 鳥元鰐
1章 どうして、あたしの本が出ているの?
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恥ずかしいから

「そもそも、どうして御館様は功績を隠されるのですか」


 ビーコがそう質問をしてきた。それを口にするのも嫌で口ごもっていると、エーコが代わりに答えた。


「それはですね、ベィミィ様が恥ずかしがり屋さん、だからですよ」


「恥ずかしがり屋さん?」


 無表情なビーコが珍しく驚いて、眼を丸くした。


「ベィミィ様はですね、皆さんを救うのは神々や勇者だ、と思われているのです。魔女は、そもそも、そんな事をしない。そんな存在ではない。なのに、ベィミィ様は御優しいから困った皆さんを放っておけない。魔女なのに、人助けをするのは変だ。だから、知られたくないのです」


「御館様は神々の如く御力を持ちながらも、おごらずに謙虚であられる」


 普段は暴走しがちな二人だが、実は二人が一番よくベィミィの事を知っていた。なんだって、一番の古株だからだ。


 心の中が丸見えのようで恥ずかしくて、ベィミィは耳まで赤くなった。


「つまり、ベィミィ様はとても可愛らしいのです」


 エーコはそう言いながら、ベィミィの頭を優しく撫でてきた。


「やめて、エーコ、やめて」


「止めよ、エーコ。御館様がお困りだ。それに貴様、主人になんたる無礼を」


「侍女長、それはさすがに失礼では」


「でも御二人も、一生懸命なベィミィ様を撫でたくありませんか?」


 二人の生唾を飲み込む音が聞こえてきた。これ以上の恥辱ちじょくには耐えられないので、ベィミィは顔を上げた。エーコが残念そうな顔をする。


 威厳を取り戻すように落ちた帽子を被り直し、咳払いした。


「まだ、気になる事がある。そもそも、どうして今になってこんな本を人間は出したのか、どうして最初の方はあたしの悪口が書かれているのか」


 こんな本を出されたのは、おそらく初めてだ。人間は今まで、気を使ってベィミィだとは知らないふりをしてくれた。それに本を出したのなら、最初の数頁の意味が分からない。


「それについては、食材を買いに向かったシーコが調査しています」


「有り難うビーコ、とても助かるよ。それじゃあ、シーコの帰りを待つしかないね」


「相も変わらず、優秀な副官達であるな。まぁ、拙者の副官達も負けてはいないが」


「自慢の妹たちですから。ビーコちゃんも、よしよし」


「お止めください、姉上」


 ニコニコしながらエーコは、ビーコの頭を撫でた。口では止めてと無表情に言ったが、何だか満更でもなさそうにベィミィには見えた。この姉妹達の仲はとても良い。

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