アリサ 第21章
夏休みが終わって、新学期が始まった。
ショーとアリサの関係も、大きく変わった。周りが認めるほどに。認めない人がいる中、ふたりの関係を認めないといけないことが出来た。
テスト結果が、同一1番。
バイトで明け暮れているふたりが、どうして? と、言う学生達。
夏休みが終わった。
学校へと、歩く多くの学生。
自転車通学している学生達。
その中、ペアのマウンテンバイクが走る。
アリサとショーのバイク。多くの学生が、声をかける。
自転車通学のワッペンを張っている。
~あれが、ボロバイク?~
言う学生がいる。
白い制服に、白い顔が多く見られる。
その中、黒い頭が、いくつもある。
校門で降りた、ショーにアリサ。真っ黒に焼けた肌に、鍛えられた身体。
夏休みの最後の日。ショーはアリサをお姫さま抱っこできた。
ふたりの姿に驚く、先生達に、多くの学生。
ひそかに笑う、学生もたくさんいた。
1年Aクラスに、いくつものの黒い頭がある。
新学期初日のホームルームで、担当の教師がため息をついた。副担当は、笑っている。
夏休み前の鈴木ショーの家族との面談に、夏季講習を進めておけばよかったと、後悔した、担当の教師。
海渡アリサの赤いバラが、黒く焼けた肌に、色鮮やかに咲いている。
後ろを向いて、話をする、ショー。
2日間のテスト。
1番早く立って出た、アリサとショー。
廊下で、声をあげて答え合わせをするというイタズラをして、遊んでいる。
答えを書き直す学生達。
「困ったものですね。」
教師が笑って言った。
数日後、昼休みに張り出された、トップ50。
アリサとショーは、まだきていない。
教室で、アリサの弁当を食べている、ふたり。
教師達が、悩んでいる。
「いつ、どこで、勉強しているのだ?」
ふたりを知る、副担当は、言った。
「あのふたり。勉強などしていませんよ。」
彼女を見る、教師達。
「学んでいるのです。」
笑う、副担当。
「ネェ。アリサは? ショーは?」
教室まで呼びに来た仲間たち。
「なにしているのよ。」
「お弁当。」
「おいしいよ。」
と、アリサが仲間の口に掘り込んだ。
「おいしい。」
顔が崩れる女の子。
その子を叩く仲間。
「それより、大変なことになっているの!」
弁当箱を直したアリサは、ショーと見に行った。
張り出された順位表。
周りの学生達が道を空けた。
アリサが、ショーが、驚いている。
同一点で、1番。
「ウソ?」
アリサが崩れた。
アリサがショーに抱きついた。
「キャ!」
「目が回る!」
ショーは、アリサをお姫さま抱っこして、回り続けた。
降ろすと、アリサはショーの口をふさいだ。
アリサの黒くて長い髪に手を入れてキスをするショー。
「今の、最高によかった!」
ふたりを見ている、目、目、目。
女の子は、憧れの眼差しで、男共は、嫉妬をしている。
「ショーは私のんだからね! とったらダメよ!! 解った!!!」
言う、アリサ。
「どうして、1番とれたの?」
担当が聞いた。
「名簿順に座ったのに。」
「そうだ。バイトばっかりして!」
吉田と田中が割り込んで来た。
「あんた達。嫉妬しているの?」
副担当が聞いた。
「鈴木君も、海渡さんも、塾、いっているよ。」
阿部が話した。
「そう、あの『スッパイマン』。」
笑う学生が。
~なに?それ?~ と言う人々。
「そうね。モスラの枕もあるし。」
いう、人も。
「なんの話だ!」
田中が聞いた。
「ネット塾よ。アリサとショー。ネット塾に出ているのよ。」
「ねぇ、ア リ サ。」
抱きつく、アリサの仲間たち。
「私。知らなかった。ライフセーバーの人達、あんなにガンバッテくれたんだ。」
「やっぱり、塾、行ってたんだ。」
担当が納得した。
笑う、アリサとショー。
「自分達で、問題解いたりして。」
「それに、学校以外のこと、学んだりして。」
ショーが話した。
「なに、それ?」
「少しだけど、人と話すことができた。」
「どう言うこと?」
「アリサの店に来られるお客様が、多くのことを教えてくれた。」
「学校で、教えてくれないことを、ネ。」
アリサが、言った。
「俺達、学校で勉強する時間って、たかだか、20年ぐらいだろ!」
「後、人と人の中で、多くのことを学んでいくのよ。」
「ショーは、今から、人との付き合いかたを、学んでいるの。」
「それって、勉強でしょう。」
「違うよ。ひとりひとり、人とかかわって、肌で学ぶことよ。」
「卒業して、40年以上、生きていかないといけないのだから…。」
笑う、アリサ。
「阿部君も、ガンバリなさい。」
副担当が、阿部に言った。
阿部は、上位30番台に入っている。
アリサとショーを見ている、副担当。
笑った。
「で、ショーはアリサのなんなの。」
「アリサは、俺の仲間。恋人で、目標だから。」
「ちがう! 私の手を握って引っ張り上げる人が、ショーよ。」
アリサが、ショーの手をお腹に持っていった。
「私たち、仲間に、ライバルに、出会えたの。」
人が驚く中、笑っている人が。
「だって、ショー。私のだんな様ですもの。」
アリサとショーの恋の毒牙にあてられて、見ている。
【おまけのコーナー。その3】
アリサ「おはよう。」
ショー「おはようさん。」
アリサ「今日も、ミノル先生の頭に来ています。」
アリサ「キャスターのアリサ海渡です。」
ショー「コメンテーターのショー鈴木です。」
拍手が起こった。
アリサ「元気でした?」
ショー「エリカさんも、元気でした?」
アリサ「ショー! 天使のエリカさんたちになびいたらダメよ。」
笑いが起こった。
アリサ「アラ。新しい人がいますね。」
ショー「名前、教えてくれる。」
ミドリ「初めまして。ミドリです。」
アリサ「何歳?」
ミドリ「16。アリサ姉さんと同じだよ。」
アリサ「姉さんはやめて、恥ずかしいから。」
ミドリ「ダメ! 私。まだ、デビューしていないから。」
ショー「なんだ。で、どんなドラマ?」
みんなが見ている。
ミドリ「パパはヒーロー。ママはダークヒーロー。ってながーい
タイトルなの。」
アリサ「すごい。」
ミドリ「まだ、ミノル先生の頭の中にあるだけだけど、おもしろい
ドラマになると思うの。」
アリサ「楽しみ!」
ミドリが、頭の中に座った。パパとママに甘えて。
ショー「って訳で、『アリサ。第1部』終わったよ。」
アリサ「じゃあ、第2部、学校が舞台ね。」
ミノル「いや、それがね。学校を舞台に考えて無いんだ。」
アリサ「ええー!」
ミノル「俺。男子高だったし、共学の学校生活。わからないんだ。」
ショー「と、言うことは?」
ミノル「アリサ。第3部かな?」
アリサ「どんな話?」
ミノル「アリサ。子供できるよ。」
アリサ「ショーの子供?」
ミノル「yes。」
ショー「ヤッター。」
抱き合う。アリサとショーが。
ショー「で?」
ミノル「アリサ。18歳。高3。」
アリサ「え?」
ショー「えっ!」
アリサ
ショー「ウソ?!」