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アリサー02  作者: 稔~Minoru
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アリサ 第19章

アリサのママから、マウンテンバイクをボーナスでもらった、ショー。

でも、そのバイクは、ママの思い出のバイク。ホコリだらけで、サビついたバイクを、ショーとアリサが、直していく。パパとママのマウンテンバイクを。

何日かで、夏休みも明ける、日。

毎日のように、ミユキは、レストランインファイトで、夏休みの宿題をしている。

アリサがショーの家に来てから、ショーママと、レイコは、アリサの事を気に入って、ショーに、インファイトでの夕食をと、言った。けれど、「今、忙しい!」と、ショーに言われて、落ち込んでいる、毎日だった。  

ショーの泊まっている所を知っている、ママは、アリサママを見て、安心している。


いつものように、【インファイト】に、来た、ショー。

「今日は、店の方はいいから。」

と、ふたりを連れ出した、アリサのママ。夏休みも、終わりに近づいて、ライフセーバーのお祭りが、もうすぐ始まる。

【インファイト】のレストランは、大忙しの日々が続いている。

「ママ、どこに行くの。」

立ち止まった、アリサのママ。

夏の暑い朝。公園には、セミの鳴き声がやかましく響いている。

子供達が、何人も、走り回っている。

その後を、ママさん達が、走って、歩いている。

虫かごには、何匹ものセミが。

アリサのママが、自販機から、ショーに、コーラを、アリサには、ジュースを。

ママは、コーヒーを買った。

「ショー。覚えている?」

ショーが、アリサが、ママの顔を見た。

「夏のボーナスの話。」

「アッ!」

「覚えている。」

ショーとアリサが。

「マウンテンバイク。」

「そうよ。少し早いけど、ショーにあげようと思ってね。」

「ほんとう?」

喜ぶ、ふたり。

「ところで、バイク。修理した事ある?」

手が、止まった、ショーと、アリサ。

「修理?」

「どう言う事? ママ」

「やっぱりね。壊れているから、直さないと。言ったでしょう。『修理、必要。』と」

「でも。」

「先生の所、行きましょ」

「え?」

「今日、1日、先生を頼んだの。口は、出してもいいけど、手伝いはしない。って、言うのを。」

ディーラーの、修理工場に来た3人。

「オヤッサン、いる?」

ママが入って言った。

ショールームのイスに座って、コーヒーを飲みながら、競馬新聞を頼んだ見ている、男性。白髪混じりの黒髪?白髪の中に、黒いものが、何本ある、男の人。

朝礼が始まった。

男の人は、座って聞いている。社長だろうか? 40ぐらいの男が。

「父さん、何かある?」

聞くが、新聞から目を離さない。

「社長。」

従業員が、言った。男性が、イヤな顔を見せた。

「会長!」

黙っている。

ため息をつく、男の人。

「オヤッサン。」

修理責任者らしい、作業服を着た、ハゲ頭の人が、言った。

「ウン! 何か言ったか?」

とぼける、オヤッサン。

長い間、ひとつの城を守り続け、大きくした男が、立ち上がって、息子と並んだ。ポケットに手を突っ込んで、鼻に指を入れては、空気のとおりをよくしている。

「話は、ない。」

くずれる、人達。

そして、作業に。息子に、会社を譲っては、ぶらり、ブラリと、自転車でくる、男性。


会長の椅子に座っているので、息子との中はよくない。7月に、中古車を購入しては、修理、改造をしている。

今日、このごろ、家にも帰らず、会社に泊まっている。


そんな中、アリサのママが、オヤッサンを訪ねて来た。

「いいよ。ランチのチケットで。」

数日後、アケミと、アリサ。ショーが、ライフセーバーと、体操している中、ママは、オヤッサン達と、3階の物置から、マウンテンバイクを降ろした。

「タカコ。新しいのを買った方がいいんじゃないか?」

「うん。でも、思い出のだし、又、一緒に走りたいと、言っているようで……。」

アリサのママが言った。

「部品代、どうする?」

「私が出すよ。修理にかかった部品は。」

「追加は?」

「追加?」

「そう、オプション。ライトに、スマホ、ペットボトルホルダー。」

「スマホ?」

ママの声が上がっている。

「GPS、見るのに。スマホケース。」

「今は、便利になってんのね…。」

「でも、それは、ショーが出すのよ。」

そんな話の中、部品がそろったと、連絡が入った。数日後に。

1000円分、22枚の、ランチチケット。

「いいのか?」

「いいのよ。時給、1000円として、ふたりの指導料。プラス、奥さんの分よ。」

笑う、アリサのママ。

車の中。

オヤッサンが、小さな仏壇を置いてある。

位牌に、手を合わせる、オヤッサンと、ママ。

「へー。こんなの作ったんだ。」

「ベッドにテーブル。いいだろう。キャンピングカー。」

「俺が仕事辞めたら、行こうって話、していたんだ。」

何枚もの、ふたりの写真が、壁に貼っている。

ママは、見ながら、言っている。

「新婚旅行どころか、結婚もしてなかった。」

「それなのに、な……。」

「そうだったの。」

コーヒーを、インスタントコーヒーを、マグカップで出した、オヤッサン。

飲みながら。「で、2日か?」

「ふたりで、1日。8時間。お願いできる? できの悪い、娘と息子だけど。」

「一緒になるんかい?」

「さぁ…。 でも、見てて面白いよ。」

ママは、DVDを、置いて帰った。


数日後、ママが、ふたりを連れて来た。

車の横に、シートをかけているもの。ふたりは、作業服に帽子を借りて、ママのところに。

「これよ。」

シートを外した、ママ。

マウンテンバイクが。埃とサビで、汚れている。

「ママ!!」

アリサが、怒った。

「じゃ!ガンバッテ。」

帰る、ママ。

「なによ、これ!!」

怒る、アリサ。キョトンと、見ている、オヤッサン

「聞いていないのか?」

「おじさん! なんの話!!」

「このバイク、誠二のだぞ。」

「タカコが、おまえのおふくろが、物置に入れていたのを、出して来たんだ。」

アリサはバイクを見た。

「お前、おんぶされて乗っていただろう。」

オヤッサンが、言った。

「パパに?」

「そう。」

マグカップに、コーヒーを作ってくれた、事務の年とったお姉さんが、言った。

「あら、懐かしい。」

「シーちゃん、見てよ。」

と、呼ばれた男の人。

帽子から、何本もの白髪が出てくる。

「本当だ!」

「どうしたのです。主任。」

工場の人が集まって来た。若い人は、

「なんだ!きたないのは!!」

言う。長く働いている人々は、

「まだあったんだ。」

「懐かしい。」

と。

「これ、俺が売ったやつでな。2台とも。」

驚く、アリサとショー。

「ディスプレイように、買ったんだ。」

「アリサの父さんと、母さんが、言ってな。」

言う、オヤッサン。

「よく、デートだと言って、乗っていたな。」

「学校にも。」

オヤッサンが。

「おまえの時だったかな? アケミの時か?」

「アリサちゃんよ。」

事務の姉さんが、言った。

「アケミちゃん。学校に行っいて、、店も休みだからって、3人でね。」

「アケミちゃん、父さんにおぶられて、大声出して、入って来たのよ。」

「えっ!」

「赤ん坊の時だからね。」

「誠二の背中に、オシッコしたんだよ。」

「覚えてない…。」

「ウン。赤ん坊の時だからね。」

「それで?」

ショーが聞いた。

「アリサも、誠二さんも、全部脱がれて…。」

楽しく話す、お姉さん。

「全部?」

「そう。シャツから、パンツまで、全部。」

笑いながら話す、お姉さん達。

「タカコ。洗濯機に入れに帰ったのよ。」

「その間、あんたは、タオルに包まれて、テーブルにいたのよ。」

「パパは?」「大事な所を隠して、イスに座っていたなの。」

「ショールームのイスにな。」

笑いながら話す、オヤッサン。ショーは、アリサを見た。

「なによ。覚えてないよ。」

「あの時は、まだ、小さな町だからな。」

「すぐ、広まったな。」

「何がおこった?  聞きに来たね。」

オヤッサンと、事務のお姉さん達が、言った。

コーヒーを飲み終えた、オヤッサン。

「さてと、修理に入るぞ!」

「エエッ!! これ、直すんですか?」

洗浄機の使い方を教えた、オヤッサン。

「アリサのは、タカコのお古なんだよ。」

「だから、誠二のを。ってな。言われた。」

「お前ら、ふたりで、修理するんだ。」

饅頭を口に入れながら、話をする、オヤッサン。

「今日は、かかりっきりだな。」

歩いている、整備士の人々。ショーが、工具箱を開けた。

「これも、誠二のだよ。バイク用に集めたんだ。」

フレームから、ハンドル、すべて外した、ショー。

アリサは、工具を渡す役に徹している。

「アリサ。手伝えよ。」

 「イヤ。油臭くてはなるから。」

見ているオヤッサン。笑って言った。

「誠二の時と同じだな。」

グリスが乾いていて、軍手でこすっても、すぐ取れた。

洗浄機で洗い流して、布で水気をとった。

ショーは、布で、磨いている。オヤッサンが、手を出している。

謝るショーに言った。オヤッサン。

「始めはこんなもんだよ。」

「これな、ショーウインドーに飾っていたんだ。」

アリサが、見た。

「えっ! 自動車なのに?」

「四駆を置いていたんだ。」

「ショー、四駆って、何?」

「アリサ。ジープだよ。」

「ジープって?」

「タイヤが四つあるだろう。」

オヤッサンが、説明している。メカに弱い、アリサが、手を止めて聞いている。

そして、どこかに行こうとする、アリサ。

「コラ! サボるな!!」

オヤッサンが、怒った。

「なんで、わかったんだろう?」

乾かす、アリサ。

「見ればわかるわい!」

グリスを塗り込む、アリサとショー。

「今日、一日だからな。」

ブチブチ、グチグチ、言うアリサに、笑いながら言う、オヤッサン。

その中、アケミが、スクーターで、テイクアウトのプレートランチを、3人前、持って来た。「お姉ちゃん。」

軍手で鼻を擦った、アリサ。それを見て、笑う、アケミ。

「どったの?」

「いや、ガンバッテんだな。と思って。」

「パパのバイクか…。懐かしいな。」

「知っいるの?」

アケミに聞く、アリサ。

「パパとママと、3人で、遊びに行ったもんよ。」

アケミが。

「パパの後ろに立って、ママが、おにぎり作って、公園や、城に行ったの。」

「いいな…。」

「なに言ってんのよ。アリサ。ママにおんぶされて、行ったのよ。」

「でも、車、買ったんだね。」

「この店でな。」

オヤッサンが、言った。

「バイクでいくのって限度があるからね。」

「それに、仕入れもあるし!」

言う、アケミ。

アリサとショーを撮った、アケミ。

「お姉ちゃん。いまの、見せてよ。」

「先に、ママに見せてからよ。」

言って、レストランインファイトに、帰った。

「さて、もうひと頑張り!!」

アリサの顔を見て、言う、オヤッサン。

修理工場に、女の子が、ママと、おばあちゃんと来た。

「パパは?」

「パパにお弁当持って来たの。」

ママとおばあちゃんが、笑っている。

「夏休みだから、パパと食べるの。」

言う、女の子。

「もうすぐ、お弁当タイムよ。」

「パパと、食べてね。」

と、受付のお姉さんが、女の子に。

ランチタイム。

ママからの写メールを見た、アリサ。鼻の下に、ヒゲが。

「ショー! ヒゲ!!」

笑い出した工場の人達。

「待て。まて。マテ…。」

ショーに、乗って、軍手で、書いたアリサ。パンダになっている。

「これでよし。」

「これでよし!」

写メールを送った、アリサ。ご機嫌である。

「ママ、お姉ちゃん、顔に落書きしている。」

「子供みたい。」

女の子に言われて落ち込む、アリサとショー。

「でも、久しぶりの12時ランチね。」

アリサが、喜んでいる。

「今頃、戦争だからな。」

カレーに梅干しトッピングのプレートランチを食べながら言う、ショー。

オヤッサンは、ビッグビッグバーガーを。

アリサは、オムライスのプレートランチを食べながら。

女の子は、

女の子が、プレートランチのデザートを見ている。

アリサが、ショーのデザートを取って、ふたつ、女の子の手に置いた。

喜んでいる、女の子。おばあちゃんが、

「よかったね。ありがとう、言った?」

聞いている。

「これで、今日の夏休みの絵日記、書けるね。」

おばちゃんの話にうなずく、女の子。

「たいへんだな。」

「でも、ショーとの子、出来たら、毎日の絵日記の事も、教えないと、ね。」

言う、アリサ。みんなが、アリサを、ショーを、見た。

真っ火になったふたりに、からかう、工場の人達。

「アリサは、何書いたんだ。」

オヤッサンが、聞いた。

「店の事と、海の事。救急車の通った数かな?」

オムライスを食べながら、言った。

「何だよ、それ?」

「店あると、遊びに連れてくれないの。ショーは?」

「俺? 映画の事かな?」

「何?それ?」

「朝、おふくろが仕事に行く前に連れて行ってもらって、中で、おにぎりを食べて、帰り、おふくろが来るんだ。」

「中か楽しそう。」

「映画、毎日、見ていたんか?」

「そうだよ。」

「じゃ、ショーも…?」

アリサを見る、オヤッサン。

「私と同じ、怪獣大好き人間よ。」

あきれる、人々。

「その内、怪獣映画、作ったりして。」

言う人が。

「それ、いいね。」

ふたりが、声のそろえて言う。

「この街に、地球防衛軍、極東本部、日本地区、◯◯海岸支局も、あるんだから。」

ショーが、乗り気になった。アリサも、便乗してくる。

「誰だ!火にガソリン、注いだ奴!!」

怒鳴る、オヤッサン。

笑い声が、起こった。

「仕事だ!」

と、みんなが、動き出した。

そして。昼から、オヤッサンに、工場の人達に手伝ってもらって、走れるようになった、マウンテンバイク。

オプションを、買いに行って、つけるふたり。

夜、インファイトに帰ったふたり。

ママが、アケミが、みんなが、大笑いしている。

「はょ、化粧、落としてきなさい。」

風呂に入る、ふたり。

そして、アリサとショーは…。

夜遅くまで、映画作りの話をしていた。

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