アリサ[第14章]
第14章
そして、台風が生まれた。。
大型で強い台風になって、日本列島に。向かっている。
「台風か。」タメ息をついた、海の家のマスター。
そして、なん日にかして、台風が、夜半にくると、ニュースで流れた。
「台風。大きいな。」
アリサのおじいちゃんが言った。漁船を港に固定した、おじいちゃんとおばあちゃん。
【インファント】に来ている。
「今日は、昼営業だけだから。」
ママが言った。
海を見る。
高波の中、サーフィンを楽しむ人々が。ライフセーバーが、呼びかけている。
「まだ、しているんだ。」
アリサとアケミが、呆れて言った。
「お前達、命、自分たちで守れよ!」
ライフセーバーが、帰った。
あわてて、浜に上がる、サーフィンの人々。
昼営業で閉めた、【インファント】に、押しかけるサーフィン。ショーとアリサ。アケミやスタッフのお姉さんが、雨戸を閉めている。
「えっ!もう閉まっている。」
サーフィンが、言った。シャッターをたたく、サーフィンのお兄さん、お姉さん達。
「台風でね、閉めたのよ。」
スタッフの、お姉さんが言った。
それでも、ごねる、サーフィン達。
「売るもの、ないよ。」
「ねぇ、今から、モールいかない?」
ナンパする、サーフィン仲間。
「でも、子供が、いるの。」
「かまわない。行こう。」
「お友達が…」
店の中から見ている、お姉さん達が、楽しんでいる。
「誘われている。」
「でも…」
「大丈夫だって。」
「助けに行こうか?」
スタッフのお姉さん達と子供達。
「行こう。」
誘う、サーフィン仲間。
「ママ?」
子供が現れた。
「どうしたの?」
「お兄さん達が、モールに連れて行ってくれるって。」
「ホント、ねぇ、キャッチャー、得意?」
お兄さん達、
「得意だよ。」
「ヤッター。呼んでくる。」
と、レストラン【インファント】に。
「えっ!」
「このお兄さんが、遊びに連れて行ってくれるって。」
レストランから、でてきた、お姉さんと子供達。
「私達も、いいの。」
「お兄ちゃん、キャッチャー、得意だって。」
「ヤッター。ママ。下手だもん。」
その数にビビった、お兄さん達。
「今日は、台風なので、帰ることにするよ。」
「なによ、ナンパしておいて!」
「ヤッター。お姉ちゃん、楽しかった。」
「残念。買ってくれるとおもったのに。」
お姉さんが、子供が、笑って言った。
ライフセーバーのお姉さん、お兄さん達が、避難してきた。
シズカは、ママ達と、ばくだんおにぎりを作っている。
「なにか楽しいです。」
ラップに、板海苔を、御飯と、具を。
「今のうちよ。」
「これ、なんですか?」
シズカが、スプーンで。泣き出した、シズカ。
笑えナイ、スタッフのお姉さん達の、顔。
「あー、帰った。帰った。」
言って、セーバーのお兄さん達が、次々とおにぎりをとった。「コラ!」
怒る、ママ。
「ハイ、ワタルさん。」
シズカが、握ったおにぎりを渡した。
「あついよ。」
「台風なんか逃げ出すかも。」
からかわれる、ワタル。
レストランは、椅子とテーブルを端に置かれ、スタッフのお姉さんの子供達が、遊んでいる。
テレビは、アニメが流れている。
「ショー君。泊まって行けるの?」
ママが聞いた。
「そのつもりで、おふくろに言ってます。」
「そう、アリサ。ショー君のベッド、作りな。」
ショーが驚いた。
「僕、ここでいいです。」
「なに言っているの!」
お姉さん達の攻撃を受けた、ショー。
「ショーがいると、子供達が寝ないの。」
「朝、子供を、抱っこに、おんぶして、帰れって言うの!?」「ショー君。」
アリサが。
「ハイ。行こう、ショー。」
アリサは、エアマットを持って部屋に行った。
「ショー君。」
アリサママが。
「アリサ、怖がりだから、おねがいね。」
台風が、来た。
九州、沖縄に、大きな爪後を残した台風が、ショーとアリサの街を襲っている。
「年々、大きくなるな。」
セーバーのお兄さんが言った。
子供達は、ばくだんおにぎりを口いっぱい開けて、食べている。「ママ、終わったよ。」
ママコールする、子供達。
DVDを入れ替える、ママ。
急に、風音が、激しくなっていく。
雨戸や、シャッターを、うちつける、雨音。
「他は、大丈夫かな?」
タブレットから、避難指示の案内がでている。
「今頃、でてもねぇ。」
子供のママさん達が、言った。
「もう、暗いよ。」
近所のママさんと子供達が【インファント】に逃げて来た。
「避難場所に、子供を連れていくことを、知っているのかな?。」
子供達をタオルで拭きながら、言う、ママ。
「どうせ、なにも考えていない、お偉いさんでしょ。」
「台風の中、子供を連れて、歩いて見ろって言いたいよ。」
「それに、ここの方が、安全かも。」
笑いだす、ママさん達。
風が、強くなってきた。
子供達は、頭を動かしている。
「大丈夫?」
ママが子供を抱いては、ゆったり体を動かしている。
睡魔に襲われた、子供が、ひとり、また、ひとりと、エアベッドに、入った。
「アリサ、ショー。もう寝なさい。」
ママが。
「うん。」
アリサが、元気なさそうに、言った。
アリサのルーム。
ベッドとエアベッドで、いっぱいになっている。
「へんなこと、したらダメだよ。」
アリサが、モスラを向けて、ショーに言った。
雨風が、雨戸を叩きつける。
「凄いな!」
アリサの部屋のテレビは、台風情報しかしていない。
「同じことしか、言ってないネ。」
アリサが、言った。
テロップでは、隣の県で、崖崩れがあったと。
「ママ。寝たかな。」
「どうだろう。明日、早いから。」
「ねぇ、ショー。なにか、ないの?」
アリサが聞いた。
DVD を出した、ショー。
「持って来たねぇ、君は。」
抱きつく、アリサ。
「オススメは?」
「これだ。」
「ブルークリスマス?」
「これって、ショーのオススメの?」
DVD のスイッチを入れる、アリサ。
「凄いネ。」2時間以上の大作に、言葉が、なくなった。
「寝る?」
「へんなこと、ダメだよ。」
夜中、アリサが、ショーのベッドに。
「どうした?」
「へんな音が、聞こえる。」
「いつもなの。台風の日に、聞こえてくる!」
アリサがショーにしがみついた。
伝声菅の音を聞いている、ショー。
「ママも、お姉ちゃんも、呼んでも、来ないの。」
震えている、アリサ。
「アリサ。確かめに行こう。」
首をふるアリサ。
「イヤ!」
「僕といっしょでも?」
アリサは、ショーの顔を見た。
うなずいた、アリサ。
「とこからいく?」
「お姉ちゃんから。」
ドアのノブに手をかける、ショー。
後ろに隠れる、アリサ。
ドアを開けた、ショー。
アリサが悲鳴を上げそうになった。
口をふさぐ、ショー。
アケミを襲う、大きな陰が、アケミは、声を上げて、喜んでいる。
座り込んだ、アリサ。アケミの中に入っているのが、見える。
突然、ウサギのヌイグルミが、アリサの頭に。
手を上げた、アケミ。
『出ていけ。』と。
アリサを、引っ張って、廊下に、出た、ショー。
黙っている、アリサ。
「お姉ちゃんに、好きな人、いるの、知っていたけど…。」
「でも、アリサのお姉ちゃんで…」
しがみついた、アリサ。
「ゴメン。ショー。」
「いいよ。」
「どうする? 部屋に戻る?」
「あの音って、お姉ちゃんのだけだよね?」
アリサが。
「見にいく?」
ショーが、聞いた。
うなずいた、アリサ。
ママのドアを開けた、アリサ。
口をふさいだ、アリサ。
ベッドの中、ママとお姉さんが、裸で、交じりあっている。
アリサとショーのこと、気ずかないで。
ショーの上に乗っている、アリサ。
「すごい!」
女同士の交じり合い。終ることのナイ世界だった。
座って見ている、ショーとアリサ。アリサの手が。
「いく?」
ドアを閉める時、ショーに手をふった、ママ。
「ママも、女の人だったンだ。」
ショックを受けた、アリサ。
「でも、恋人さん。女の人だったね。」
うなずいた、アリサ。
座って、なにも言えない、アリサ。
「水、飲みたいな。」
「アリサも。」
ショーが、レストランにいく階段を降りた。
「どうしたの、ショー。」
下では、セーバーの人々が、スタッフのお姉さん達が、遊んでいる。
「待っていろ。」
ショーが、ジュースや、お茶を取りに。
「ショー君だ。」
お姉さんが言った。
その頭に、ウサギのヌイグルミが。
アリサが、恐~い顔で、にらんでいる。
手が止まった、お姉さん達。
「ガンバ!」
2階の、部屋にいく、アリサとショー。
ショーが、止まった。
ドアが少し開いたている。
「シズカ姉ちゃんの…。」
アリサが、ドアを。
シズカが、ワタルの上に乗って。
「綺麗……。」
ながい髪が、汗を吸って、シズカの裸体にまとわりついている。声を上げて、喜んでいる、シズカ。
ワタルが、唸り声を。
突然、シズカが、のけぞった。
ワタルの中に、崩れた。
大きく息をしている、シズカとワタル。
アリサが、ショーに、キスを。
「愛って、すごいね。」
シズカとワタルから、離せない、アリサとショー。
アリサは、濡れている。身体を変えて、愛する、ふたり。
「いい。嬉しい!」
「アン、見られたら、恥ずかしい……。」
「離れたくない。」
シズカの声が。ワタルが止めた。
「いく?」
シズカとワタル。何回目かの、運動を。ワタルがシズカを抱いている。
後ろを振り返える、アリサ。
ドアを閉めた、ショー。
水を飲み合う、アリサとショー。
「なにか、泣けてくる。」
アリサが。
「シズ姉、しあわせだもの。」
「寝よ!」
うなずいた、アリサ。
横になった、アリサとショー。
「ねぇ、寝た?」
聞いてくる、アリサ。
アリサが。
エアベッドが、沈んだ。
アリサが、後ろから、ショーに抱きついた。
「……。」
「「好き…。」
「アリサを抱いて。食べて。」
Tシャツを、首から外した、アリサ。
抱きついた。
ベッドが大きく揺れる。薄明かりの中、
「初めてなの。」
声が。
「僕も。」
ゆっくりとはいった。
「痛い。」
「止めようか?」
「ううん、続けて!」
アリサの中に、ゆっくりとはいった。
「それから?」
「どうする?」
笑いだす、アリサとショー。
「ショー、見ていないの?」 「ウン!」
「アホ?」
「温かい。」
アリサが。
「ショーの、感じる。」
キスをする、ふたり。
裸の身体が、動く。
「イヤ!」
「イク!」
「イヤ!」
「イキタクナイ!」
「ダメだ!!」
ベッドに崩れた、アリサとショー。
「うふふ。」
「アハハ。」
抱き合った、アリサとショー。
「! ショー。」
「どうした?」
「ショーの、大きくなっている。」
「… 本当だ!」
ショーが、アリサを抱いていく。
雨戸の隙間から、光が、アリサの顔にあたった。
「ショー。起きて!」
レストランに降りた、ふたり。
「おはよう。よく寝られた?」
ママが言った。
「寝坊した。」
「いいのよ、みんな、してくれたから。」
「先にモーニングしなさい。」
アケミが。
そう言って、外に。
ママが、ガラスの小鉢を、アリサに出した。
中には、カプセルが。
「なに?」
「薬。女の人になったのでしょ。アリサ。」
アケミとショーが、真っ赤に。
「アケミも、台風の日に、なったのよ。」
「!!」
「あなた達、ふたりで、好きにしなさい。」
「ママは、助けるだけしか出来ないの。」
台風が過ぎた、空。
濃いブルーが。マリンブルーと交じわっている。
アリサとショーを呼んでいる人が。
砂浜を走ってくる、レパートリー。
「こんなに取れたよ。アリサ。」
ミユキが。
ミユキのママが、歩いてきた。
ライフセーバーの人達が、浜の人々が、砂浜のゴミを拾っている。
朝早くきた、海水浴の人々も、家族で、かたずけてくれている。「おれ達も、行こう。」
アリサは、気がついた。
ショーが、僕から、俺に変わったことを。