導きの小さな虹23-1
一夜が明け、暗闇の世界は緑豊かな世界へと戻る。
ダンジョンは太陽の無い地下世界である為、日差しによる眩しい刺激は無い。
深夜の奇襲で睡眠時間は削られてしまったが、気怠さが残らず心身を休ませる事が出来た。
明るく為り出したと同時に、全員は自然に目を覚まし起床する。
救出した冒険者一党の結束の勇獣は、起きてエルガルム達とダムク達に別れを告げ、複数の同業者に対し窃盗や殺害を行っていた冒険者一党である幸運の採掘を直ぐにでも連行する為、帰還の巻物を使用し冒険者組合へと転移帰還した。
彼等が帰還した後、エルガルム達とダムク達は其々準備と片付けを始める。
朝の食事の準備、天幕の解体、そして設置した鳴子や使用し切った魔物避けの御香の回収。それ等を手分けして行う。
食事は腹八分目の量を摂り、食器や調理器具をサッと水洗いして片付ける。
最後にミュフィの籠手が持つ力によって周囲に張り巡らせた魔力の糸を消し、野営場の片付けが全て完了した。
そして一行は野営場にした場所を発ち、地下原生林内を再び進み出す。
魔物の不意な襲撃に警戒しながら進むが、昨日と比べて不気味な程に静寂だった。
先行するミュフィとライファの視界には生き物の影が一切映らず、ミリスティの広範囲の感知特殊技能にも生き物の気配は一切引っ掛からなかった。
因みに、彼女等はシャラナから〈不可視看破〉と〈中位感知力増幅〉を施して貰っている為、決して視覚や感知特殊技能を誤魔化されている訳ではない。
実の所、現在一行を中心とした最低半径1キロメートルの広範囲に生物は1匹も居ないのだ。
その原因を作ったのはガイアであり、日を跨いだ深夜で奇襲者3人から情報を吐かせる為に脅そうと放った強烈な威圧の余波が、広範囲の生物に影響を及ぼしてしまったからである。
そんなガイアの威圧に刺激された魔物達は今迄に無い脅威の存在から逃げ出し、発生源である野営場から安全圏へと急ぎ遠くに離れたのだ。
なので暫くの間、地下原生林を進む一行は魔物に襲われる事は無い状態である。
その御蔭で、広大な地下原生林領域をダムク達が予想していた時間より早く抜ける事が出来た。
ダンジョンに潜って2日目、あっさり地下原生林を抜けた後に再び空洞の通路へと入り先を進む。
「ねぇ、リーダー」
「ん? 何だ」
一行が歩みを進める中、ミリスティはふと先頭を歩くダムクに声を掛ける。
「下層部の事、本当なのかなぁ?」
「……如何だろうな」
ダムクは何とも言えない返答を口にし、幸運の採掘一党が言っていたとある情報内容を思い返す。
数日程前、下層部内で不死者の巣窟と成っている領域全体が異常化していた。
それも大量の動死体や動死骸骨、死霊といった低位の不死者ではなく、中位級の不死者が大多数出現していたと言う。
筋剛な屍、食屍鬼、大死霊、屍の戦士、死者の魔導師と、見知っている限りの種類が大量発生しているそうだ。
しかもその中に、今まで見た事が無い悍ましい不死者も軽く10体以上居たと言う。名称は解らないが、恐らくは上位の不死者に違いないとか。
そんな不死者の群れはまるで何者かの意思によって動いている印象があったそうだ。
下層部に限らず、中層部や上層部深くで低位の不死者はそれなりに発生はする。そして下層部内の不死者の巣窟である領域は大量の低位不死者が湧く場所である。
下層部で大量の低位不死者が発生した、というなら如何って事無い通常の発生現象だ。それに危険度が高い下層部である為、それなりに多くの中位級の不死者が発生するのも通常の現象である。数は少ないが上位級の不死者も当然生まれて来る。
しかし、低位の不死者の数を上回る大多数の中位級の不死者が発生するのは異常である。
もしかすると、上位級の不死者も数多く発生している可能性も在る。
「幸運の採掘の情報を鵜呑みにはしないが、一応は頭の中に入れとく程度で良いだろう。下層部の入口前で思い出せる様にな」
ダムクは不確かな下層部の情報について、今は頭の中に留めてれば良いと口にする。
「もし本当だった場合は儂も出よう。多数の低位や中位級の不死者に加えて上位級もが複数同時に遭遇した場合は、流石に傍観出来る状況じゃないからのう」
エルガルムの言う通り、大多数であっても低位級と中位級だけの不死者が相手なら、S等級冒険者であるダムク達は問題無く撃退出来るだろう。
しかし、更に複数の上位級の不死者が居た場合は難しく為る。
上位級の不死者の多くは〈自己不死再生〉と呼ばれる自己回復系特殊技能を保有しており、負った損傷を負の力で回復させる上位種の不死者だけが持つ特殊技能である。
そんな特殊技能を有した高防御力の不死者は非常に厄介であり、それが多数となると全て撃退するのは非常に骨が折れる。
大多数となれば堪ったものではない。
それに加え、不死者には肉体的疲労が無い為、抗戦すればするほど一方的に体力を削られてしまう。
そういう場合は逃げるに限る。
しかし、上位職業を修めた聖職者が居れば状況はかなり改善される。
不死者を意図的に忌避させる個人用護りの魔法である〈不死者忌避の聖帳〉。神聖属性の魔法で創り出した領域に入り込んだ不死者や悪魔の能力を大幅低下させ、低位の不死者と悪魔ならば消滅させられる〈神聖なる領域〉。そして一定の強さの不死者限定に対し一撃即死である浄化魔法〈不死者退散〉。
どれも不死者に対し有効な魔法だ。
そして賢者エルガルムは、それ等の上位である神聖系統魔法が扱える。大多数の低位級や中位級の不死者は、賢者エルガルムにとって目ではない。その大多数の中に上位級の不死者が2、3体居ても相手取れる実力を持っている。
「聖職者の上位職業――――司教を修めた賢者様が居て下さるのは実に心強いです」
そう口にしたダムクに限らず、他の仲間も内心でそう思うのだった。
聖職者は戦闘に於いて、基本的に回復と補助を徹底するのが殆どで、攻撃系の魔法は大して目立った威力が無い魔導師系職業である。
だが、聖職者が有する神聖系統魔法は不死者や悪魔に対して大きな威力を発揮する。
世界中に存在する聖職者職業を修めた者は数少ない故、対不死者・対悪魔に於いて貴重な戦力的人材である。
「賢者殿に加え、御令嬢殿も居る。今回限りとはいえ、上位職業の聖職者が2人も居るのは実に贅沢と言えるな」
そうヴォルベスは口にし、視線をガイアに向ける。
「それに偉大な神獣様も在られる。不死者の大群など一網打尽に出来よう」
賢者エルガルムを超える強大な神聖系統魔法を扱えるガイアも居る。
不死者の大群に負ける要素は今の所無いと言える。
「そうだな。けど、問題の下層部までは未だ未だ先だ。下手に焦らず進んで行こう」
ダムクは会話を区切り、少し緩んだ警戒心を引き締め戻す。
1日目でそれなりに深く潜ったが未だ序盤。下層部の前に中層部手前までの距離は未だ未だ在る。
最短経路で休み無く突っ走れば1日以内で次の階層に辿り着けるかもしれないが、それは現実的に無理が在る。それに進む先で魔物と鉢合わせしてしまう危険性を高めてしまう。
一行の1人1人の力量が高くても、弱い魔物が徘徊する上層部では常に警戒し、危険を冒さず着実に歩んで進まなければいけない。
これは己の命を護る為の教え――――冒険者の常識の1つである。
地下原生林を抜けてからの道中は徘徊する魔物に幾度も遭遇し、倒しては素材を剥いでの繰り返しをして下層部内を順調に進んで行た。
魔物はこれまでに幾度も遭遇した種類に加え、暗窟の蝙蝠の群れや横奪蜘蛛、時折現れる下層部での話で出て来た噂の不死者――――動死体や動死骸骨に道中遭遇した。
無論、それ等は難無く倒せる。
動死体や動死骸骨は倒しても小鬼同様、小さな魔石くらいしか手に入らないので倒した達成感が余り無い。
そんな時「擬態宝箱って不死者も食べるのかな?」と、ミリスティが疑問を口にし、試しにガイアが背負い連れている擬態宝箱に喰わせてみようとした。
流石に嫌がって喰わないかもしれない――――特に動死体の身体は腐っているから――――と予想してはいたが、擬態宝箱は躊躇い無く複数体の動死体と動死骸骨を全て喰らい呑み込んだ。
如何やらこの擬態宝箱は、相当に悪食の様だ。
此奴だけがそうなのか、擬態宝箱という魔物種だからそうなのかは解らぬ儘である。
未だダンジョンの階層危険度的には弱い魔物しか出現しないので問題は無い。
あるとすれば、シャラナが不意に現れた横奪蜘蛛に短杖を奪われ掛けた事だ。
武器を持つ者にとって横奪蜘蛛は少々面倒な怪昆虫種であり、粘着性が強い糸を相手の武器に目掛けて素早く噴射し、糸が引っ付いた瞬間に即引っ張って奪い取るのだ。しかもその直後に一時撤退し、奪い取った武器を何処かに隠し捨てた後、丸腰状態の相手が奪われた武器を探しているその隙を狙い、粘着糸で拘束する。
その後は言うまでも無く、息の根を止めてから捕食するのだ。
横奪蜘蛛の危険度はD等級ではあるが、ちょっとした隙を見せてしまうと痛い目を見る危険な怪昆虫種である為、自身の力量がそれよりも高くても捕食されてしまう可能性は充分に在るという事だ。
一行は暫く進み、上層部内に点在する領域の1つ―――――地下沼地に辿り着く。
視界に映るは広大な泥濘、地下原生林と比べて草木が少なく幾つもの沼が点在する湿地である。耳を澄ませなくとも、鳥の鳴き声や幾匹かの蛙の小さな鳴き声が聞こえて来る。
当然、鳥も蛙も魔獣種だろう。
ダンジョンという地下空間である故、地面に限らず空気にも水気を多く含み、地上よりもジメジメとした空気が籠っている。その為、若干暑さを感じる温度と成っている。
しかし、ガイアは特殊技能〈灼熱環境適応〉の御蔭で少しの暑さなど全く影響は無い。
単に湿度が高いと感じるだけであり、今居る空間の温度が若干高いと認知しているだけである。
ガイアは視線を落とし、地面を見る。
水分を多く含んだ柔らかな土に足を踏み入れば、例え身体を縮小させて重さを軽くしても、きっと自分はズブズブと沈んでしまうだろう。
深さはどれ程かは定かでは無いが、下手に足を踏み入れたら這い出せるか如何か分からない。特殊技能〈酸素生成〉が有るので窒息死はしないが、這い出せないのは非常に困る。
足元には気を付けなきゃと、ガイアは下げた視線をゆっくり上げながらそう思うのだった。
地下沼地へと踏み入れる前にシャラナはエルガルムの指示の下、全員に〈不可視看破〉と〈中位感知力増幅〉を掛け直す。それに加え〈防水化〉と〈防泥化〉を施し、水濡れと泥汚れの予防をする。
元居た世界では、防水布といった何かしらの物が無ければ出来ない事を魔法で簡単に解決出来てしまう。
本当に魔法という技術は便利だ。そうガイアはこの異世界の魔法技術に感心するのだった。
魔法による準備が整った一行は沼地広がる領域へと足を踏み入れ、進み出す。
歩く速度を抑え、比較的に余り軟らかくない湿った地面に足跡を残しながら歩く。
焦らず、良く観て、周囲への警戒を怠らないよう、ゆっくり目だが着実に歩を進める。
幾つも点在する沼の近くを通過する際、沼地という環境ならではの魔獣種が一行に向かって襲い掛かる。
湿地環境では御馴染みと言われる湿地大蛙、土色の甲殻に右の鋏脚が大きい湿地大蟹、大蜥蜴に引けを取らない大きな軀体の沼地鰐である。
湿地大蛙は長い舌を伸ばし、捕食対象を捕まえてそのまま丸呑みする魔獣種だ。更には体内に胃袋とは別の泥袋と呼ばれる器官が有り、蓄えた泥を捕食対象に向けて固めた泥玉を勢い良く吐き出す攻撃手段も持っている。
大きさは縮小状態のガイアよりも大きく、子供なら簡単に丸呑みされてしまう。丸呑み出来る限界の大きさはシャラナくらいだろう。
しかし、明らかに丸呑み出来ないであろう大きな相手すら、考え無しに丸呑みしようとするらしく、時折喉を詰まらせ、そのままの状態が数週間続いて餓死する事もあるらしい。
何とも間抜けな蛙だろうか。
湿地大蟹も子供以上に大きく、蟹ならではの特徴的な移動は意外にも速度は速く、方向も素早く転換する事が出来る。そして横歩きならぬ横走りで敵に接近し、右の大きな鋏脚を鉄鎚の様に振り回したり相手の首や腕、胴体を挟んで切断といった攻撃手段を繰り出す。
甲殻は意外と鉄の様に硬い為、C等級までの等級が低い冒険者にとっては倒すのに苦労する魔獣種だろう。
そして沼地鰐は言う迄も無く狂暴で、その特徴的な顎で獲物に齧り付いて捩じ切り喰らう。例え中堅冒険者であっても、一度でも噛み付かれればその怪力の如き顎からは逃れられないだろう。
だが、その凶悪な顎は閉じた状態の口を押さえ付ければ簡単に封じれてしまう弱点が有る。度胸が有れば、普通の大人でも簡単に封じる事が出来るそうだ。
とはいえ、怪力な顎を封じても沼地鰐の肉体的能力は強い。太く長い尻尾を振れば後ろの相手に強烈な打撃を御見舞いする事も出来る為、油断は出来ない魔獣種だ。
それに沼地鰐は、この地下沼地で危険度が高い魔獣種でもあるのだから。
戦闘する際、エルガルムやベレトリクス、S等級冒険者である堅実の踏破は問題無く動けているが、土が柔らかい足場に慣れていないシャラナとガイアは思う様に動く事が出来なかった。
柔らかな土で足を滑らせ身体の均衡を崩したり、接近攻撃する為に疾走すれば滑って転ぶのは目に見えてるので、走る事が出来ない。
特にガイアの場合は、地面を強く踏み締めてしまうと脚が深く沈んでしまう為、近接戦は儘ならないのであった。
どんなに強くても、環境や地形によって長所が活かせず、最悪遣られてしまうなんて事は珍しい事ではない。
しかし、だからといって今後の為そのままにする訳にはいかない。
シャラナとガイアは手探りする様に、自分なりに適応しようと闘いながら経験を身体に刻み込む。
そんな戦闘の最中、水辺に生息する鳥の魔獣種――――泥棒鸛が闖入し、エルガルム達とダムク達が倒した数匹の湿地大蛙や湿地大蟹を大き目な嘴で咥えて奪い、そそくさと飛び去る。
が、そんな泥棒鸛をミリスティが即座に射抜き、横取り阻止と同時に一撃で倒す。
倒した魔獣はさっさと魔法の小袋に突っ込み、地下沼地の出口を目指して再び進み出す。
ダムク達曰く、地下沼地は野営出来る場所が非常に少なく、湿気が高いこの環境下では樹木は湿っているので焚火の燃料にする事は出来ず、魔物避けの御香も焚き辛い。
故にとっとと今日中に抜けて、野営し易い場所を探した方が良いそうだ。
幾度か地下沼地の魔獣種と戦闘をしながら進み、思ったよりもあっさり出口に到着した。
本来ダンジョンに潜る事自体初めてのシャラナとガイアならそうは行かないが、S等級冒険者であるダムク達が先導してくれた御蔭で早く抜ける事が出来た。
進行具合は良好。一行は更に奥へと進み、奥へと潜る。
進めば進む程、これまでダンジョン内で見て来た魔物に遭遇する頻度と数が徐々に増えていく。
一角兎や常緑鹿、透明な小邪鬼に大口の剛獣が新たに追加され、更には出現の数は非常に少ないが野蛮な大狼、鋼鉄大蜥蜴、魔狼も時折現れる様に為った。
一行にとってはどれも大した脅威ではない魔物ではあるが、遭遇頻度と出現数が増えた事で漸く張り合い甲斐が出てきたと言える変化である。
途中で小休止を挟んでは進み、小休止中に魔物や魔獣種の襲撃に遭ってはそれを撃退し、一行は先の長い道程を着実に歩んで行く。
地下原生林領域から出発して12時間以上が経過―――。
一行はある場所へ辿り着く。
「見えたぞ。あれが中層部への入口だ」
ダムクは進む先に指を差し、シャラナに伝える。
指を差した先に在るのは、上層部と中層部を繋ぐたった1つしかない出入口である。出入口はやや広大で幅広い下り階段が奥深くへと続いていた。
その中層部への入口付近には既にミュフィとライファが居り、周囲の安全確認を済ませた様子だ。
「ミリスティ、感知範囲内で近くに何か居るか?」
ミュフィとライファの様子から、恐らくは問題無いだろうとダムクは予想するが、しっかりと周囲の状況を細かく把握して正しい判断が出来る様にする為、念には念を入れ一番感知範囲が広いミリスティに確認を取る。
「周囲半径1キロメートル以内は6匹がバラバラにうろついてるよ。気配からして一角兎が4匹と透明な小邪鬼が2匹。1キロメートル以上になると人喰い大鬼3体に大口の剛獣が2体、野蛮な赤蛇が6匹、大岩蜥蜴が2匹、魔狼が3匹うろついてるよ」
「なるほど。1キロメートル先の方は刺激しない限りは大丈夫として、その内側の場合は透明な小邪鬼がちょいと厄介だな」
ミリスティの感知情報から、ダムクは透明な小邪鬼の存在に焦点を向けた。
透明な小邪鬼は特殊技能〈透明化〉を有しており、自身の姿を常に透明状態にしている小鬼の亜種に当たる魔物だ。更には〈暗視〉の特殊技能も有している為、不可視看破や感知系特殊技能が無い者にとっては厄介な存在である。
視認出来ない敵という存在が近くに潜んでいるとなれば、安心して野営し就寝する事が出来ない邪魔者だ。
因みに、透明な小邪鬼は小鬼と同程度の大きさであり、見た目は黒く全身毛むくじゃらである。
「なら此処で野営する前に、危険要素は排除するべき。未だシャラナちゃんの魔法効力続くし、今の内にその透明な小邪鬼を排除した方が良い」
ミュフィは透明な小邪鬼の排除を提案する。
「そうだな。安全は出来る限り確保した方が良いし、たった2匹ならそこまで脅威じゃないからな」
ダムクはミュフィの提案に賛成する。
「じゃ、言い出しっぺの私が遣る。序でに一角兎も狩って来る」
「ならば俺も行こう。1人よりも2人で手分けして遣る方が効率が良い」
ヴォルベスもミュフィと共に、透明な小邪鬼の排除と一角兎狩りをすると申し出る。
何方も特殊技能〈気配感知〉を有し、獣人族ならではの鋭い嗅覚が有る。不可視看破の魔法抜きでも、透明な小邪鬼を探し出すには充分適任である。
「分かった。それじゃあ俺達は野営の準備をする。其方は任せた」
「ん。了解」
「任せろ」
ミュフィとヴォルベスは何処かで徘徊する透明な小邪鬼2匹の排除と一角兎狩りをしに向かった。
2人が行っている間に他の皆は天幕設置や食事、魔物の解体等をして野営の準備をする。
野営場が整ってから10分程経過後、ミュフィとヴォルベスが戻って来る。
2人が倒して持って来た透明な小邪鬼と一角兎をその場で解体した後、食事を摂り、余った時間で篝火を囲って談話し、そして就寝し、夜間の見張りを時間毎に交代しながら夜を明かすのだった。




