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待ってる
解説のような続きを書きます。
400文字で書いたので説明不足が発生しています。
ご了承ください。
『待っていたよ』
え…?
突然に聞こえる頭の中の声に戸惑った。
『この時を待ってた』
しんと静かな教室の中、先生の講義だけが聞こえている。
誰…?私に話しかけてるの?
『もちろん』
頭の中の声は答えた。
声の主を見ていないのに、頷く気配すらわかる。
待ってるって何を…?
動揺するまま問いかけると今度は首を振る気配がした。
『誰を、だよ』
声が聞こえた途端まっすぐと誰かに見つめられた気がする。
気のせいだろか。
『気のせいじゃないよ』
頭の中の声が勝手に思考を読んだ。
何…?勝手に人の頭の中入ってきて…
『ごめんね。ちょっとだけ貸して』
わからず首を捻っているとふと先生に指される。
慌てて答えようとすると、意識が体の奥に沈み込んだ。
「麻里」
知らない人の名前が口から飛び出す。
私の声じゃない!
振り向いた先生は驚いた顔をした。
「僕は恨んでないよ」
麻里、って先生の名前…?
「啓…太?」
驚愕した顔が見えて、私の意識は精神の中に飲み込まれた。