昔話1
*この物語はフィクションです。歴史上実在する登場人物、団体名等とは一切関係ありません、それらは全てパラレルワールドです*
むかしむかし、あるところに二人の少年がいました。
一人はいずれ国を守り民を守る「王」となる少年でした。
一人はそんな王の敵を屠る刃「忍者」となる少年でした。
光に照らされた者と影に潜む者、二人の未来に差はあれど今だけは同等の友達です。
そんな二人は宝物庫に足を踏み入れ、好奇心に負けて決して開けてはいけない箱を開けてしまいました。
けれど何も入っていません、空っぽの箱でした。
がっかりした二人は蓋を閉めて立ち去ろうとしました。
しかし次の瞬間ひとりでに蓋が開きました。
気が付いた二人が振り向くと何も入っていなかった箱から真っ黒な闇が飛び出してきて二人を包み込み一瞬で意識を奪いました。
どれくらい時間がたったでしょうか、気が付くと少年は一人しかいませんでした。
少年は急いで大人達に、王に報告しました。
王は激昂しました。そして王の刃である父のゴミを見るような失望の目に少年は身を竦ませました。
王の命令により多くの大人たちが、国中が姿を消した少年を探しました。
しかし宝物庫も城の中も町も村も国中探しましたが見つかりませんでした。
わが子を失い絶望した王は一人残った少年を国から追い出してしまいました。
当然だとばかりに父にも見捨てられました。しかし満天の星がきらめく夜空を見つめながら少年は星に誓いました。
必ず強くなる事を・・・父を超える忍者になる事を・・・消えた大切な友を見つけ出す為に。
・・・そして両手の甲に星のような痣が浮き出ていたことを少年はまだ気が付いていない。