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The beautiful sky  作者: RAIRA
第二章  ~The days I spend with him~
12/12

群青の日‐2

「タケル?」


「・・・あっ、なんでもない。俺、この後予定あるから今日は帰るね」


思い出せそうで思い出せない記憶。


「うん、また明日ね。」


また、、明日・・・。


「うん、明日もここにいる?」

「いるよ、当分はね。」


そう言って、アダムは微笑む。

笑うという表現より微笑むが正しい。


その微笑みに色気を感じるのは、自分が大人になったからだろうか。



小屋を出ると、空がオレンジ色に染まっていた。


それにしても、


「ここからどう出ればいいんだ。」


周りは木に囲まれた森だ。


「大丈夫、そこをまっすぐ行けば帰れるよ。」


その自信はどこからくるのか。

でも、アダムに言われるとそうなのか。とも納得してしまう。


「あ、そういえば白い猫見なかった?」


「白猫?見てないよ。」

「そっか・・・。あの猫どこ行っちゃったんだろう。」


「昔はさ、黒い猫がアダムのところに連れて行ってくれたんだけど、

 今回は白い猫でアダムと同じ青い目の猫で」


自分で話してて、猫が連れていってくれるなんて、

どんだけファンタジーなことを言っているのだろうか。と思わず口を閉じると


「そうなんだ~。猫はいいよね。昔、猫に助けてもらったし

 タケルにも会えたし、猫には感謝だね。」


「猫に助けられた?」


その言葉には、ふふっと笑っただけで答えてはくれなかった。


「早く行かないと暗くなっちゃうよ」


「あっ、うん。また、明日」


「うん、明日。」

ドアにもたれかかっている、アダムが手を振る。


それにつられて、手を振り返す。どこか懐かしい。



アダムと別れた後は、言われた通り森の中をまっすぐ進んでいく。


本当にたどり着けるのかな。


そう思いながら、不思議と足が進んでいく。



10分ほど歩くと、大学の構内にたどり着いた。


駐輪場に止めてある自転車にまたがり、思いっきり足を踏み込んだ。



まだアダムに会った衝撃と曖昧な記憶と、すべてが現実味をおびていない中

自転車に乗り駅までの道を急いでいる自分に、急に日常に引き戻される感覚を覚えた。



アダム、君はいったい、、、何者なの――――――――。



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