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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第三章 異世界で子爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第732話 戻ってきた仲間と食材

「ちょー綺麗だったー!!」


 とうっという感じで降り立ったフィアが、たーっとこちらに駆けてきて私とリズに抱き着いてくる。あまりの勢いと唐突だったので、そのまま尻もちをついてしまう。


「空がきらきらしてた。行きも良かったけど、帰りは超綺麗!! 空、良い!! さいこー!!」


 興奮のままに捲し立てられて、目が点になる。リズの方を向くと驚きのあまり固まっている。長年付き合っているリズでもこのテンションは初めてかと思っていると、降りて来たロットが首根っこを掴んで、猫のように持ち上げる。ぐえっという感じで、だらりと持ち上げられたフィアに若干の苦笑いを返す。


「失礼しました、リーダー。しかし、フィアの言う事も間違いでは無いです。今日は、空が綺麗でした」


 ふむ……。そこまで空が汚れているとは思わないけど、それでも人の住む町の上空が台風一過したら、浮遊する塵も洗い流されるかな。


「帰ったぞ」


 そこからはドルを先頭にぞろぞろとこちらに向かってくる。皆、表情は明るいので、問題は無かったのだろう。


「『フィア』は大丈夫だった?」


「うむ。大きな問題は無いで御座る」


「被害らしい被害も出てはいないです」


 リナと、歩幅が合わなかったロッサがててっと駆けよって来て報告してくれる。


「分かった。一休みしたら、報告会といこうか。何をしたのか知りたいし」


 そう伝えると、頷きが返ったので、銘々が部屋に戻るに任せる。


「竜の皆さんもありがとうございました」


 荷物を降ろして変身している竜さん達に声をかけると、恐縮した雰囲気が返ってくる。


「ふふ。役得もあったんです」


 若干焦っている竜さん達を代弁するかのように、ブリューが告げると、こくこくと竜さん達が首を縦に振る。


「お魚は美味しかった?」


 ブリューがぼそりと呟くと、竜の皆がぽわーっとした表情になって、何かを思い出しているようだ。ふむ、振舞料理が気に入ってもらえたのなら良かった。


「あー、おたかなたんだ!!」


 アーシーネが降ろして来た荷物の蓋を開けて中を覗き込むと、ぴしゃりと跳ねた魚とご対面となる。竜の飛翔速度なら、確かに生きたままの魚もぎりぎり運べるのかな。前回はテストと言う事で、大分セーブしてもらったし、もう少し時間が短いのであれば、ケースに入れた海水でも十分もつかと中を覗く。


「また、立派なクロダイだな。こっちはキスだし、こっちはおが屑という事は……」


 一回り小さな箱を開けると、おが屑が詰まっており、もしかしてと思っていると、ぴょんっと元気よく屑を飛び散らせて何かが跳ねる。


「うわっ……。クルマエビか。こりゃ、夕ご飯は豪勢だな」


 そう告げると、竜さん達が黄色い声をあげながら、喜びを露にする。荷物は侍従達に運んでもらって、竜さん達も休んでもらう。私とリズは部屋に戻る。取り敢えずタロもヒメもお仕事中なので、私は書類の処理の続きを、リズは資料の読み込みをそれぞれ再開する。暫く静かな時を過ごしていると、侍女が昼を告げてきたので、食堂に向かう。特に体調不良者も出ず、皆、昼ご飯を食べに食堂に出てくる。ティアナとカビアも一段落付いたのか戻ってきた。


「じゃあ、食べ終わったら、お茶でも飲みながら反省会かな」


 そんな挨拶で、昼ご飯が始まる。がやがやとそれぞれの場所での情報を交換しながら和やかな雰囲気のまま、食事が終わる。テーブルの上を片付けてもらい、お茶を用意すると、侍女たちが去る。


「『フィア』はどんな感じだった?」


 そう問うとロットがまず、口を開いた。

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