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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第三章 異世界で子爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第701話 事実婚とラディアの喜び

 テーブルに並んだ心尽くしの夕ご飯を楽しみながら、今後の予定を確認する。


「では、ロスティー様もノーウェ様も明日には発たれるんですね」


「うむ。領地を放り出して来たのもあってな。中々暇が無く済まぬ」


「こっちも大騒ぎだと思うよ。最低限はこなして来たけど、戻ればそろそろ収穫祭の準備だよね。考えただけで憂鬱だよ」


「ノーウェ様は、結婚式もですよね?」


 そう呟くと、ノーウェが突っ伏す。


「そうなんだよね……。でも、収穫祭の時期は庶民層の結婚式が増えるからね。邪魔しちゃ悪いし。冬場は向かないから春まで待とうかって話もしているけど」


 ふと横を見るとリズとラディアが少し悲しそうに微笑んでいるのが見えた。まだまだラディアも若いけど、この世界でみると晩婚に入り始めてはいる。ふーむ……。


「せめて、それまでに事実婚として教会でお祝いをしませんか? ノーウェティスカではゆっくり出来ないでしょうし。『リザティア』の見物を兼ねてとかでも良いかと思いますが」


 そっとノーウェにラディアの方をへ視線を誘導させながら言ってみる。


「そうかい? 特に式の規定は無いし……。分かったよ、日程は調整してみる」


 ノーウェがそう言うと、ラディアがほっとしたように胸を撫でおろす。それを見ていたリズもペルティアも微笑みを浮かべる。


「こんな子だけど……幸せになってね」


 ペルティアの言葉にラディアが微笑みを浮かべる。瞳の横に小さな光の珠が浮かんでいたのは内緒だ。今回の訪問で斥候隊からの除隊が正式に国王からも認められ、軍属からも現在は外れている。幸せいっぱいの表情は眩しさすら感じさせた。


「もしよろしければ、ドレスは『リザティア』で作られますか? また新しいデザインが出来ていますよ?」


 私がノーウェに聞くと、女性陣の目が輝く。


「はは。その辺りは任せるよ。調整さえ済ませれば、現状で職務は無いから。収穫祭の時に発表だけはするからそれまでに帰って来てくれると嬉しいけどね」


 ノーウェが告げると、ラディアが輝かんばかりの笑顔でこくりと頷く。その溢れんばかりの信頼感が初々しさを感じさせてほっこりさせる。ロスティーがウォホンとわざとらしい咳ばらいを一つ。


「明日は朝一で発つ。あまり遅くなるのも問題だろう。朝食の席は銘々に用意しておく。儂が一番遠く故、早めに出るだろう。我が孫よ、塩の件もあるが、国内の体制が必ずしも盤石ではない事は忘れぬよう。守れる限り、守る。それは信じて良い。故に、抱えず、相談せよ」


 ロスティーがそう告げると、席を立ちペルティアと一緒に食堂を出る。それを皮切りに皆も席を立っていく。

 部屋に戻ると、タロとヒメがペールメントと一緒に食事後のグルーミングをしていた。部屋に入ると気付いたのか、二匹が近付いてくる。ペールメントにはてーっとアーシーネがその後ろからブリューが近付いてくる。


『明日、ここを発つからペールメントとはまたちょっとの間お別れだよ』


 二匹に告げると、少し小首を傾げていたが、別れていた時期を思い出したのか、そっとペールメントの方に向かって寄り添いに行く。でも、すぐに雰囲気に呑まれてアーシーネをはふはふする会に参加するのはご愛敬だろう。ペールメントも子供は好きなので、ペロペロしながらくるりとお腹の中にぽふっと飛び込ませる。じたばたするアーシーネを愛おしそうに眺めながらブリューもペールメントをそっと撫でる。


「可愛い……。竜のままだと遠い存在でしたが……。タロもヒメもそう……。生きているんですね」


 ブリューが慈母のような表情を浮かべて、ペールメントを撫でると、ペールメントも目を細めてそっとブリューに体を押し付ける。その温かさが心地良いのか、ブリューがこわごわと抱きしめる。


「温かい……。人と一緒に生きたいというのも分かります。こうやって触れ合うのは幸せですね」


 ブリューの言葉に複雑なものは感じる。完全な生命体として生み出されたが故の孤独。それが少しでも癒されるなら、嬉しくは思う……かな。


「さぁ、明日は『リザティア』に帰るから、朝は早いよ。さっさと寝ましょう!!」


 そう声をかけるとはーいと解散したのだった。

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