レポート
―何時もと何ら変わらない日。そんなありふれた一日にその『ヲト』は響いた。決して聴いてしまってはならないの呪われた悲しい『ヲト』を……―
僕は思う。『ヲト』は人の感情を操る最も簡単な手段の一つであると。そしてさらに言うならば、この『ヲト』を使って少しでも醜い争いを無くすことができるならば良いなとも。
だからさ、造ったんだ。『ヲト』をね。二つの『ヲト』、テトとキル。『ヲト』に体を与えたんだ。凄いでしょ??
この二つの『ヲト』凄く良い出来だと思うよ。
……
訂正。
思っていた。の方が正しいか。
ある日僕が目覚めた時、どうなっていたと思う?世界が崩れてたんだよ。二つのの『ヲト』テトとキルによって壊されていたんだ。何故こんなことになってしまったのかなぁ。まぁ、良いさ。体を持ったとしても所詮は『ヲト』の分際。
……実験に失敗は憑き物さ。
この失敗をどうにかしないとね。……うむ。
―そして一つ良い解決案を考え付いた。所詮は『ヲト』、適当にオルゴールにでも閉じ込めておけば良い。ふふ。良い考え。さすがは僕。
僕は、「オルゴール」を作りその中に『ヲト』を閉じ込めた。これで完璧さ。全ての失敗はそれこそ隠蔽されたのさ。
レポート・名前 ルーク・ブロンド
これはある科学者と『ヲト』の巻き起こした悲しい事件の未来と過去の話