苦手な男子に告白されて胃が痛い
葉山道子です。好きなことはアニメを見ることです。最近は『お布団の中のプリンスたち』にハマっています。
そんな私の最近の悩みは、クラスメイトの笹山くんに好かれているコトです。別に私の自意識過剰じゃなくて3日前に告白されたからです。告白はお断りしましたが、その日以降挨拶されるようになりました。
元々笹山くんのことが大の苦手でした。彼とはクラスメイトという関係でしたが特に会話をするということはありませんでした。ですが、目が合えば必ずと言っていいほど睨まれていました。また、彼からの冷たい視線もよく感じていました。他の子が話し掛けても普通に会話するのに私だと「ああ」や「あっそ」などとても素っ気ないし、目線も合わない。まあ身長が違うしそこはしょうがないのかな。
とにかく彼が苦手な私は告白のために呼び出された時も『ブスが俺の視界に入るな』や『目障りだから消えろ』なんて言われるんじゃないかと考えて胃が痛くなりました。まあ結局告白だったわけですが、その告白で頭も痛くなりまして。「ごめんなさい」と一言言って走って逃げたのだけれどもしかして怒っているのかな。だから話し掛けてくるのかな。
そんなある日、笹山くんと仲のいい坂東くんが私に声を掛けてきました。
「ねえ葉山さんはもしかして笹山のこと嫌い?」
彼は爽やかなでも困ったような顔をしてそう聞いてきました。
「え、なんで…」
いきなりの図星に戸惑い上手く言葉が返せません。
「笹山、ずっと葉山さんのこと見てたから応援してたんだ。でもアイツ恥ずかしがり屋だからさ、愛情表現が下手なんだよなー」
笑いながら話す坂東くんに私は困惑しかなくて…
「え、じゃあよく私が睨まれてるって感じてたのは」
「ああ、ただ目で追ってたんだよ。話し掛けることも恥ずかしくて出来てなかったし、素っ気ない態度っとった後もすっげー落ち込んでたしね。あと睨んでたのは…あ、」
なんと!坂東くんの話を聞いて私は顔が熱くなった。そのとき…。
「おーい!笹山ぁー!何固まってんだよ!」
私の後ろに笹山くんいたのだ。多分今の会話を聞いていたのだろう、顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせていた。金魚みたいだ。
「もう一回ちゃんと伝えろよ」
と坂東くんは笹山くんにそう言い爽やかな笑顔で去っていった。
「今のは本当なの?」
私はビビりながら聞いてみた。
「ああ」
笹山くんはいつものように短く返すが顔が真っ赤であんまり怖くない。
「さっき言ってた睨んでたのって…私が目障りだからじゃないの?」
思い切って聞いてみたが予想外の反応だった。
「道子ちゃんが…あ!葉山さんが可愛くてニヤけそうだったから我慢してたらあんな顔に…」
「じゃあ目が合わなかったのは…」
「上目使いがが可愛くて直視できなかった」
なんかもう恥ずかしくなってきた。
きっとはたから見れば男女が向かい合って赤面してるというとても“青春”してるように見えるだろう。まあ、青春しているということで間違ってはいないと思うが、私はとても恥ずかしい。そして笹山くん可愛い。私より乙女じゃないか。
「だから、友達からでいいからよろしくお願いします」
笹山くんが可愛すぎて胃が痛くなってきた。そんな風に赤面されながら言われたらは答えは決まっているじゃないか。
「こちらこそよろしくお願いします。」
きっと私が彼に恋に落ちるのはあっという間でしょうね。
坂東くん視点も書いてみたので良ければ目を通していただけると嬉しいです。