蝉
一日の始まり。
布団から出る。
部屋の床に散らばっているパンを適当に掴んで食べる。
適当に歯磨きをして、適当に顔を洗う。
そうしてパソコンを起動させ、もうずっとハマっているオンラインゲームを始める。
この生活の繰り返しが三カ月続いていた。
もう何も響かない。
目覚ましの音も、テレビの音も。
ゲームの音だって繰り返し何度も同じ音を聞くにつれて、響かなくなった。
大学に行かなくなってからしばらくは来ていた友人からの連絡も消えた。
親の声……親自体が消えた。
俺のココロの琴線は千切れてしまったのだろう。
別に構わないが。