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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

"保健室"

掲載日:2026/06/12

一日に一度、僕は保健室に行く習慣が有る

『習慣』と云うよりは、必要が有っての事だ



幼い頃から僕は重度の造血病に罹って居る


一日一回

血液を躰外に排出しないと心臓が損傷し、最悪の場合は生命を喪う


中学生までの間は、どうにか一回だけしか排出を欠かす事無く、生きてくる事が出来た

高校になった今は、欠かす心配は無いと思って居る


何故なら

僕は保健室登校で通学だし、先生から血を抜かれるのが癖になってしまったからだ



「先生!」


僕の声が背中に聞こえると、必ず先生は保健室のカーテンを閉じる


場合によっては僕の声色から判断し、保健室を施錠する場合もある

今日はそのパターンだった



「もう溜まってしまって」


言いながら唇の端が上がっていくのを、自分でも抑える事が出来ない



「早いな」

 

デスクの椅子に掛けると、先生が僕を視る


「昨日の夕、あんなに抜いたのにか?」



それだけで躰が熱かった




「悪い子だね」


そう言う頃には、先生はもう僕の腕に注射器を刺して居る



軽く刺す、痛み


虚脱感


注射器は常人の血を吸う事を基準に作られて居る為、入り切らずに溢れた血が、先生の膝を覆う白衣に、ひたひたと染み渡っていく


いつも先生はそれを指で掬って一嘗めし、嘲るような上眼遣いに僕の眼を視る



僕は知って居る

こうして抜き取られた血液も、実際には廃棄されて居ない

全部、先生が飲んで居るのだ


近頃は、先生も僕に視せ付けながら飲むようになった


好ましく思って居る相手に自分の躰液が飲まれる事に、僕は喜びを感じても居る



「先生」


我慢出来ず、僕は提案する


「今度、何処かの浴室かなにか───」


「血を沢山出しても差し支えの無い場所で」



「先生に、まだ視せた事の無いくらいの血を視せたいです」



話して居る内に、興奮が高まり過ぎた様だ


躰の中で液躰音と共に、血が過剰生成される音がする

僕は我慢ならず、ポケットに入れて居た安全ピンを抜くと、腕に浅く刺した


鮮血が散らばり、先生の頬に掛かる


先生がそれを舌で嘗め取るのを視て、血が更に作られ始める

声にならない声を出しながら、僕は自分のあちこちを突き刺して、少しでも欲望を吐き出し尽くそうとした


実際には、出せば出す程に欲望は増え続け、血も乾くと云う事を覚えてくれ無かった



不意に保健室の戸を叩く音がして、僕たちは、はっとした



「先生!大丈夫ですか?」


「何か声がしたようですが!」


廊下を歩いて居た学生が、僕の声を聞き付けてしまったらしかった



「気にする事は無いよ」


「ただ、吐いてしまった人が居てね」



「片付けて居たのさ」


先生がそう答えると、彼は手伝うような事を申し出て居たが、衛生等の理由から先生はそれを断った


平静そのものと云った声だったが、話しながら先生は僕の口を片手で塞ぐと、安全ピンを乱暴に奪い取って、僕の腿に執拗に突き刺してきた



声を出す事はおろか、呼吸もままならない


廊下の彼が立ち去ると

先生は口を塞ぐ代わりに、僕の舌を指で掴んだ

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