表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱と蔑まれた俺、実は世界唯一のチートスキル持ちでした ~隠して無双して学園生活を満喫します~  作者: トワイライト
最終章:世界の崩壊と再誕――少年が選んだ“たった一つの未来”

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/48

第42話:ノアの最終計画始動――古代封印の強制起動

 夜空が、不自然に明るかった。

 光でも炎でもない。

 もっと冷たい――“異質な輝き”だった。


 風が止まり、空気が静かに震え始める。

 その震えは、まるで世界そのものが悲鳴を上げる直前のようで、

 胸の奥の封印がざわりと疼いた。


(……嫌な感覚だ。これは……ただの魔力じゃない)


 フィアたちが僕の周りに集まったまま、

 みんな一斉に空を見上げる。


「……リオ、あれ……」

 フィアの声が震えていた。


 空に浮かぶのは、巨大な光の紋。

 街全域を覆うように広がる、複雑な術式。


 それがゆっくりと回転しながら明滅している。


(この紋……どこかで……)


 脳の奥に引っかかる感覚。

 知っている。

 見たことがある。


 それが何かを思い出すより先に――

 指先が冷たくなり、背骨がひやりとした。


 ミュリスが小さく叫ぶ。


「やだ……あれ、“古代封印術”だよ……!」


「古代……封印……?」

 僕の呼吸が止まる。


 ミュリスが続けた。


「大陸がまだ戦乱だった頃、魔族王を封じるために作られた術式。

 本来は絶対に使っちゃいけない……世界そのものに干渉する禁術……!」


 あの紋が――

 “魔族王の欠片”を封じるための術。


 つまり。


(僕を……狙ってる)


 そう理解した瞬間、空が音を立てて裂けた。


 ビキッ――!


 光の紋章から、黒い雷にも似た破壊の波動が走る。

 世界中の結界がそれに共鳴し、あらゆる場所で亀裂が生まれた。


 王都の結界塔。

 帝国の防壁。

 教国の聖域。

 そして――学園の大結界。


 全部が震え、すぐにでも砕け散りそうなほど軋んでいた。


「これ……何が起きてるの……?」

 エリスが蒼白な顔で呟いた。


「世界の結界が……同時に揺れてる……?」

 フィアの声も震える。


 セレナは刀を抜いたまま、空を睨みつけた。


「敵だ……確実にリオを狙った攻撃だ」


 ミュリスは両手で耳を抑え、唇を噛む。


「封印の力が……リオの中の欠片を無理やり引っ張り出そうとしてる!

 消す気なんだよ……全部……!」


 遠くから、低く響く声が届いた。


 その声は、空に刻まれた術式から聞こえるようで――

 同時に、どこもかしこもから響いてくるようだった。


「……完全適応の担い手よ。

 逃れられぬ」


 聞いた瞬間に分かった。


 ノアだ。


 あの冷たさ。

あの静寂をまとったような声。

 あいつが、ついに“最後の一手”を打った。


「封印の力で……貴様の因子ごと消す。

 世界の均衡のために」


 光の紋章が爆発するように輝き、

 落雷のような封印の鎖が空から降り注ぐ。


(僕を……消す?

 本当に……?)


 胸の奥の封印が激しく脈を打った。


 ドクン――!

 ドクン――ッ!!


 まるで内側から破裂しそうだった。


(やばい……僕、完全に……標的だ……!)


 世界の結界が震える音。

 大地の深部で軋む音。

 空から降る光の鎖の圧力。


 全部が僕の身体へ向かってくる。


(どうする……?

 どうすれば……!)


 足が震える。

 呼吸が乱れる。

 封印がひび割れそうな嫌な感覚。


 でも――

 隣にいる四人が、同時に僕の手や肩に触れた。


「リオ、絶対に離れないで」

「一緒に戦う」

「大丈夫、私たちがいる」

「怖くないよ。大丈夫だよ」


 その声だけが、世界の崩れる音より強く響いた。


 だけど――

 空から迫る“封印の鎖”は、確実に僕を捕えようとしていた。


(……これが、ノアの最終計画……)


 世界が裂ける音が、夜空に響き渡っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ