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最弱と蔑まれた俺、実は世界唯一のチートスキル持ちでした ~隠して無双して学園生活を満喫します~  作者: トワイライト
第6章:世界分岐の刻――揺らぐ均衡と支える四つの想い

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第41話:ヒロインたちの決意――『リオは一人じゃない』

 胸の奥の脈動はまだ止まらない。

 自分が自分でなくなるような、嫌な感覚が身体の芯にこびりついていた。


(怖い……また、誰かを傷つける……)


 その恐怖で足がすくみ、顔を上げることすらできなかった。


 そんなとき――

 背後から、光がゆっくりと近づいてきた。


「リオ……」


 静かな声。

 振り返ると、フィアがそこに立っていた。


 柔らかい光が彼女の手のひらから溢れ、

 僕を包み込むように漂ってくる。


「暴走しそうなら……私が止める。

 絶対に、あなたを見失わせない」


 光は暖かくて、涙が出そうだった。

 怖かった心が少しだけほぐれていく。


(どうして……そんなふうに言えるんだよ)


 胸の奥を押さえながら問いかけるような視線を向けると、

 横から風が吹いた。


「……逃げても追いかけるからな」


 セレナが真っ直ぐ僕の前に立った。

 刀を握る手は震えていない。

 ただ、僕を見つめる瞳だけが揺れていた。


「お前がどこへ行こうとしても、私は隣で戦う。

 理由なんていらない。

 ……お前が怖がるなら、怖がらなくなるまで付き合う」


 その言葉に、呼吸が乱れそうになる。


「セレナ……」


 次に、白い影がそっと寄り添った。


「リオ……」


 エリスだった。

 彼女は僕の手を両方から包み込むように握りしめる。


「あなたがどんな存在でも……

 世界がどう言おうと……

 私は、あなたを大切な人だと思ってる。

 それは変わらない」


 涙をこぼしながら、それでも前を向いている。

 その顔を見るだけで、胸の痛みが少し和らぐ。


 そして、最後にミュリスが僕の背中へそっと抱きついた。


「リオはリオだよ。

 王でも化け物でもない。

 私にとっては、ただ……大好きなリオ」


 その言葉は、魔族である彼女だからこそ届く深さを持っていた。


「あなたが怖いって思ってるなら……

 その怖さごと、私たちで抱えていけばいいんだよ」


 四人に囲まれている。

 それだけで、足の震えが止まっていく。


(僕……こんなに守られてたのか……)


 一人で苦しんでいたと思っていた。

 誰にも迷惑をかけたくないと思っていた。


 でも今は、違った。


 光も、風も、結界も、闇も――

 全部、僕のために動いてくれていた。


「みんな……僕……」


 声が震え、胸の奥が熱くなって、

 どうしても涙がこぼれそうになる。


「……ありがとう。

 本当に……ありがとう……」


 それしか言えなかった。


 フィアが微笑み、光を強めた。

 セレナは安堵したように肩を落とし、

 エリスは僕の手をぎゅっと握り、

 ミュリスは背中に頬を寄せる。


「リオは一人じゃないよ」

「どれだけ強くても関係ない」

「困ったら、頼っていいんだよ」

「一緒に戦おう、リオ」


 その言葉たちが胸に響いた瞬間、

 封印の脈動がゆっくりと静まり始めた。


(……僕は一人じゃない)


 初めて心の底から、そう思えた。


 この四人が隣にいるなら――

 もう逃げるだけの自分じゃなくてもいい。


 涙をこらえながら顔を上げたとき、

 夜の闇が少しだけ明るく見えた。

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