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最弱と蔑まれた俺、実は世界唯一のチートスキル持ちでした ~隠して無双して学園生活を満喫します~  作者: トワイライト
第4章:光と闇と軍勢――少年を巡る“三勢力の奪い合い”が始まる

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第28話:三勢力の思惑が交錯する夜――暴れる結界と迫る闇

 夜の学園は本来、穏やかな静けさに包まれるはずだった。

 けれど、その静寂は――唐突に破られた。


 空気が震えた。

 大地が低く唸った。

 学園全域に張り巡らされた大結界が、悲鳴を上げるように軋んだ。


《結界警鐘――学園外周に不明魔力反応。

 広域警戒態勢に移行》


 緊急放送が深夜の空を切り裂く。


(……これは……)


 寮の窓から外を見た瞬間、胸の奥に鋭い痛みが走った。


 ドクンッ――。


「ぁ……っ……!」


 胸を押さえ、膝が揺れる。

 昼間とは違う。

 もっと深く、封印そのものが軋むような痛み。


(何だよ……また……?

 結界が揺れると……僕も……)


 封印の欠片が、外側の“力”に反応している。

 まるで呼吸を合わせるように、胸の奥が脈打つ。


 ドクン……ドクン……!


 息が荒くなり、額に汗が滲む。


 同じ頃、学園の外周では三つの力が同時に衝突していた。


 ◆ひとつ

 ――教国の闇術式。

 黒い符文が空間の裂け目に浮かび、結界の膜を削り取ろうとする。


 ◆ひとつ

 ――帝国の魔闘気。

 兵たちの魔力が獣のように解き放たれ、結界に圧を与えている。


 ◆ひとつ

――魔族の探知術。

 紫の紋様が夜空に広がり、真実を暴こうと結界に干渉する。


 三勢力の“違う力”が同時に触れたことで、

 結界は悲鳴を上げるように波打ち、空気が不自然に歪んだ。


「っ……なんだ、この負荷……!」


 結界術士たちが一斉に術式を補強するが、

 揺らぎは止まらない。


 結界が破られる前兆――

 そんな不吉な空気が学園全域を包み込んだ。


 その異変を、彼女たちが見逃すはずがなかった。


「……また光が乱れてる……!

 こんなに強く揺れるなんて……」

 フィアは塔の上から顔色を失って結界を見つめる。


「外に……複数の“殺気”」

 セレナは窓辺に立ち、手が震えぬよう刀を握った。


「帝国の魔力反応が……増えてる……!」

 エリスは通信石を握りしめ、歯を食いしばった。


「だめ……これ以上揺れたら……

 リオの中の“欠片”が……っ」

 ミュリスは両手で胸を押さえ、涙をこぼしていた。


 同時に、四人の心に同じ答えが浮かんでいた。


((((――狙われてる。

 標的は……リオだ。))))


 部屋で胸を押さえる僕のところへ、

 四人は駆け込むように集まってきた。


「リオ、息が荒い……!」

 フィアが駆け寄り肩を支える。


「胸の奥が……そんなに痛むのか?」

 セレナの声が震えている。


「外の結界が揺れてる。

 たぶん……リオの力と共鳴してるの……!」

 エリスが涙をにじませる。


「リオ、怖いよ……!

 外からいっぱい来てる……あなたを探して……!」

 ミュリスが抱きついてきた。


(やっぱり……僕のせいなんだ)


 四人の必死な表情が胸に刺さった。

 彼女たちは気づいている。

 理解している。


 外の騒ぎも、結界の揺れも、

 全部僕へ向けられていることを。


(逃げられない……逃げたって意味がない。

 みんなを巻き込むだけだ)


 胸の奥がまた脈動した。


 ドクン……。


 封印の奥にいる“何か”が、

結界に触れる外部の力へ呼応している。


 その頃、学園の屋根の上。

 黒い法衣の男が、月明かりに照らされて立っていた。


 ノア。


 風ひとつない静寂の中、彼は揺れる結界を眺めていた。


「……反応したな。

 完全適応の揺らぎ。

 封印が、もう限界に近い」


 仮面の奥の瞳が細められる。


 結界越しに、リオの魔力の微弱な鼓動が見えた気がした。


「そこにいるのか……黒髪の少年」


 ノアは静かに右手を上げ、闇術式を展開する。

 風が黒く染まる。


「完全適応の担い手よ。

 次こそ、この手で――」


 仮面の下で、冷たい声が微笑む。


「――終わらせよう」


 学園の空を覆う闇は、確実に近づいていた。

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