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最弱と蔑まれた俺、実は世界唯一のチートスキル持ちでした ~隠して無双して学園生活を満喫します~  作者: トワイライト
第4章:光と闇と軍勢――少年を巡る“三勢力の奪い合い”が始まる

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第24話:三勢力の影が学園に集う――リオ、知らぬ間に包囲網の中心へ

 朝の陽光が差し込み、寮の前には心地よい風が吹いていた。

 学生たちはいつも通りの活気で登校し、笑い声があちこちから聞こえる。


 ……しかし、その日常のすぐ外側では、

 静かな戦場が確かに形成されつつあった。


 学園を囲む森林の上空。

 そこに“影”がひとつ、枝の間で揺れていた。


「目標の少年……どこだ……」


 黒いローブに身を包んだ“教国の追跡者”が、結界の揺れを頼りに学園を監視する。

 仮面越しの視線が冷たく光り、風に紛れて気配を消す。


 彼の背後で、森の奥から重い足音が響いた。


「ここにも潜んでいやがったか……」


 巨体が木々の間から現れる。

 帝国の監視兵だ。

 鎧の表面に刻まれた紋章が朝日に光り、異様な圧を放つ。


「黒髪の少年を探しているのは……お前らも同じらしいな」


 追跡者がわずかに動いた。

 互いの正体を察するのに言葉は必要ない。

 それぞれが“別の勢力に属する敵”だ。


「取引するつもりはない」


「こちらもだ」


 瞬間、影と鎧が交差し、火花のような魔力が弾ける。

 音ひとつ立たないまま、ふたりの攻防が森の奥に消えていった。


 さらに、学園の外壁の上では別の存在が姿を現していた。


 黒い翼をたたんだ小さな存在――魔族の使い魔。

 紫の瞳が学園を見下ろしている。


「……見つける……ミュリスの“少年”……」


 囁くような声が風に消える。

 その視線が、ひときわ強く南区画を捉える。


 そこに、確かに“揺らぎ”があったのだ。


 ――こうして。


 教国のスパイ。

 帝国の監視兵。

 魔族の使い魔。


 互いの存在を察しながら、

 互いを排除するわけにもいかず、

 ただ“黒髪の少年”を中心に動き続ける。


 学園周辺は平穏を装いながら、

 すでに静かな戦場と化していた。


 一方で当の本人――リオは、そんな状況をまるで知らずにいた。


「リオ、次の授業は一緒に行く?」

「うん、もちろん」


 フィアが隣でプリントを整え、

 セレナが肩越しに廊下を観察し、

 エリスがそっと僕の袖をつまんで離れず、

 ミュリスが後ろでひょこひょこついて来る。


 ……しかし、その表情はどこか曇っている。


「リオ……今日、外の風の流れが変ね。嫌な感じがする」

 フィアが眉をひそめる。


「私もだ。何かが……近づいている気配」

 セレナの声は小さくても鋭い。


「学園の結界が……薄く震えてる。こんな揺れ、最近増えてるよ……」

 エリスが不安を隠せないまま呟く。


「うん。昨日より……“影の匂い”が濃い」

 ミュリスが、いつになく真剣な目で言う。


 僕はその不安を聞きながら、胸が締め付けられた。


(やっぱり……何かが動いてる。

 でも……僕のせいで動いているのだけは、嫌だな……)


 しかし、僕には何も見えなかった。

 どれだけ周囲に気を配っても、異常は感じ取れない。


 ただ、胸の奥の“冷たい脈動”だけが、静かに響いている。


「リオ、気をつけてね」

 エリスが袖を握る。


「理由は言えないけど……今日は特に、そばにいて」

 フィアが真剣に目を合わせる。


「油断するな」

 セレナは短く言い切った。


「だいじょうぶ。私がついてるから」

 ミュリスが笑おうとするが、その笑みはいつもの無邪気さとは違う。


 四人全員が、何かを感じていた。


 僕の周囲に、見えない何かが集まりつつあることを。


(……気のせいなんかじゃない。

 たぶん今、世界そのものが揺れ始めてる)


 胸の奥が脈打つ。


 ドクン……。


 ほんの少しだけ熱い。

 ほんの少しだけ冷たい。


 そして確かに、何かが近づいていた。

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