その選曲
車で帰宅途中、雨が降ってきた。
「しばらく雨に降られてないなぁ。久しぶりに雨、見た気がする」
「そうですか?最近何日か朝に降ってましたよ」
「そうなの?知らないうちに降ってたんだ。外しばらく出てないし、そもそも朝に寝てるからなぁ。まぁ知らないうちに降ってくれてるくらいがちょうどいいよね」
「濡れませんもんね」
「そうそう、傘さしたところで結局足元とか濡れるしね」
私が最近、一番朝早く起きたのって、真島さんに会いに行ったときくらいだな。
普段なら寝るはずの時間くらいに起きて。
日光浴びたのってその日と今日のお墓参りくらいじゃないかな。
渡瀬は、私の中の人格とかじゃなく、真島さんが実在してることをきっと知ってる。
その上でプロポーズしてきた渡瀬は寂しくないのかな。
寂しいは怒りに変わる。
私に限界が来た時は、渡瀬に真島さんを殺してもらおうか。
んー、でもやっぱりどうせなら私の手で真島さんは刺してやりたいな。
いつか、私と真島さんが行為後に動画を見ながら一緒に歌ったあの歌を、渡瀬が口ずさんでいる。
その選曲が本当に偶然だっていうなら、もう運命だってことにしよう。
渡瀬。
もしあんたがいつか怒ってしまったら、私を殺してもいいよ。
---終---




