16歳セリスのルーティンとお受験ですわ
作者は逃げ出した!
しかし回り込まれてしまった!
「さっさと書けーーい!」
わんこ小説は続く
精霊ミモザちゃんと遊ぶ毎日を送っていたセリスは学力低下した。
試験では常に10位以内だったのが今回の試験で36位まで落ちた。
「うーんさすがにヤベェっす」
貼り出された結果に頭を抱えるセリス。
ミモザちゃんと遊ぶのは国益に叶うと王家からも公爵家からもお墨付きを貰っているので問題は無いが・・・
このままだとアカデミー(大学)への進学に問題が出る。
学力?いいえアカデミー進学には問題ありませんよ?問題は奨励金の事だ。
奨励金の対象が成績上位50人ほどなので結構イエローゾーンだ。
「よし!図書館へ行こう!」
朝早く登園して予習かましちゃる!そう意気込むセリス。
セリスの朝は早い、何せ飼ってる鶏より早く餌を用意してやらんとコイツ等は怒るのだ、「メシ寄越せー!」の大合唱が始まる。
そんなモン使用人に任せれば?セリスにそう言う発想は無い。
それが終われば農園に異常が無いか見て回る、これはさすがに1人じゃ無理だから専属の人間を雇い12人体制なのだ。
それが終わると牛舎に行って乳搾りだ、これを怠ると乳牛のお乳が炎症を起こすので絶対にやらないといけない作業なのだ。
これも5人の人間を雇い分割して行っている。
それから邸宅に帰り朝風呂に入って登園の準備をする。
この頃にようやくフェナやミミリーも起床してくる、朝6時なので。
それから7時30分に邸宅を出て学園に登園して授業開始だ。
大体授業は15時までなので邸宅に戻って鶏の餌やりをして、牧草地から牛を牛舎に戻してからまた風呂に入り身嗜みを整えて17時にミモザちゃんの所へ出陣だ。
ミモザちゃんの所で遊んでから帰宅するのが毎回20時前後、
そこから鶏小屋と牛舎の掃除をして農園を見て回り風呂に入って寝るのが22時前くらいだ。
これが令嬢セリスの大体の1日のルーティンなのだ。
・・・どう考えても学力低下の最大の原因は「鶏」「牛」「農園」だろ!
1日の時間でこの3つの割合が大き過ぎだ!
「お前は農家か?」と言いたくなるくらいに大き過ぎだ!
何より令嬢業務が何一つルーティンに入って無いのが恐ろしい。
普通は「お茶会」「刺繍」「読書」と成人したので「夜会」などのワードがどこにも見当たらない。
これで公務の時、完璧に令嬢業務をこなすので重ねて恐ろしい子だ。
ここに早朝図書館をぶち込むとどうなるか・・・
当然セリスは一週間で寝不足からの貧血でブッ倒れた。
それで両親にこの1日のルーティンがバレて早朝の農園と鶏小屋と牛舎の訪問は全面禁止になった。
そりゃそうだ。
結果セリスの成績は7位に復活した。ミモザちゃん関係無いじゃんか。
「セリスお姉様、大変そうですね」
今や押しも押されもせぬ上位精霊になったミモザちゃん、これからは大精霊を目指すのだ。ちなみに属性は「風」かと思ってたら「大地」だった。
大精霊になると「緑の大精霊」になる。
これは毎日一緒にいるセリスに引っ張られた結果だ。
上位精霊になってミモザちゃんもセリスの秘密に気がつき始めている。
「いや、これは完全に自業自得だったわ、無理にぶっ込み過ぎた」
今日はお茶会をしている。
セリスの母バーバラ夫人に頼まれてリボルノ伯爵が淑女教育に協力しているので最近は「10日間耐久刺繍」なんて意味不明な遊びもしている。
ちなみにセリスの刺繍の腕前は中の上だった。結構何でもそつなくこなすセリス。
完全に精霊に落ち着いたミモザちゃんは優雅な淑女そのものだ。
紅茶を飲む仕草も美しい。
対するセリスは・・・普通に美しい仕草だ妙な所はどこにもない。
淑女教育自体は成功している、しかし完全に考え方が決定的にダメなのだ。
この日は何事も無くミモザちゃんとお茶会して終わった。
思い返せば16歳セリスは主にアカデミー受験で終わった。
珍しい事に、特に国や冒険者ギルドから妨害は無かったのだ。
セリスは快適な受験生生活を堪能出来たのだ。
これは霊視イリスがイノセントに、
「セリスが国やギルドの都合で受験に失敗したら極大魔法をマジで撃ち込む」と脅したからだ。
まさかのエルフの女王からの脅しに驚き、割とガチで国からも勉強の支援が入ったのは言うまでもない。
受験の結果は・・・普通に受かった秀才セリス、上位3人に差をつけられたが7位の好成績だった。
この結果に密かにホッとした人間も多かったのだ。
こんな理由で極大魔法をぶち込まれては叶わないからね!
奨励金は・・・
「頼むからやめて下さい」と父に懇願された。
そりゃ奨励金を出す立場だもんね公爵家は。恥ずかしいったらありゃしない。
こんな感じで平穏な16歳だったセリス・・・
17歳はどうなる事か。次回セリス17歳を待て。