一家団欒で不穏な会話とグラマラスセリスの洋服事情。
魔法世界各地で表裏で強者共がバッチバチにやり合っている中でもビックリするくらいに出番が無いファンタジー主人公のセリス。
「そもそも公爵令嬢が最前線で戦うって何か全てがおかしくね?何と戦わそうとしてんの?」
いやまあ、そうなんすけどね。王族直系の公爵令嬢って日本人の感覚なら普通にお姫様っすからね。
そう言えば王族で思い出しましたがピアツェンツア王国にも待望の王子様が産まれて懸念されてた後継者問題も解決しましたよ。
そうか?ならこれでお役御免だな?とばかりにセリスは王位継承権第8位を放棄しようとしたが貴族院のお偉いさん達に却下された挙げ句の果てに継承権を繰り上げされた。
何と驚愕の王位継承権第3位。父コーバと入れ替わりになっちゃったのだ。
「何で?!」思い切り地雷を踏み抜いたヤブヘビ令嬢。
「そりゃ世代交代の時期だからね。セリスにそんな事を言われたら向こうだって焦って先手を打ってくるよ?」
「もしや余計な事した?!」
「セリスが何も言わなかったら成人するまで猶予が有ったんだけどね?
ロミオ(王子殿下)が産まれて叔父上(エヴァリスト宰相)やファニー(王妃)が継承権を放棄したから貴族院の判断は順当だよ?
でもこれからファニーや側妃達に子が産まれるとセリスの継承権はドンドン下がるから安心してね」
「安心出来る要素が何も無いんですけど?!」
この時点でまだ女王セリス誕生の可能性も有ったのだが父コーバの予想通りに立て続けに第1側妃のエリザベス妃から第2王子と第3王女、第2側妃のカロリーナ妃から第3王子が産まれてギリギリ難を逃れるセリスなのだ。
ちなみに6年後に王妃ファニーが第4王女を産んで国王ヤニックの子は3王子、4王女になる。
そしてセリスは継承権8位まで転落して晴れて王位継承権レースから離脱する事になる。
「あっぶねぇ!!!陛下がドスケベ親父で助かった!」
「セリス?!」
「でしょ?基本アイツはドスケベェだからね~。
と言うかカロリーナ妃から子が産まれるとは私も予想外だったよ。
最初から妃になる気まんまんだったエリザベス妃はともかくカロリーナ妃は恩賞側妃だったからね」
「旦那様?!」ハイテンションな夫と娘の会話に動揺しまくるバーバラ夫人。
この日のセリスは継承権レースから離脱出来て安心したのかテンションが高い日だった。
「?恩賞側妃って何ですか?」初めて聞く単語に首を傾げるセリス。
「まともに個人のプライベートに絡む話しだから詳細な内容は一切公表されてない制度でね。
国に多大な功績が有った夫を亡くして尚且つ身寄りに問題が有る未亡人を救済する物なんだね。
カロリーナ妃の夫だったアレクシ伯は先王カイル様の忠臣でね。
アレクシ伯が5年前に病気で亡くられて未亡人になったカロリーナ夫人の地位と生活を国で保証する為に側妃にした訳だよ」
「え?!アレクシ伯って確か・・・亡くなった時にかなりの高齢だった様な・・・
んで、カロリーナ妃様ってお若いですよね?多分まだ30歳前後?」
「そうだね。結婚当時は歳の差45歳の結婚だったね」
「ふえ?・・・まあ・・・貴族なら不思議は無い・・・のかな?」
「いや・・・さすがに45歳の差での結婚は私でも驚いたよ」
「ですよね?」
「それで恩賞側妃と言うのは妃では有るんだが、かなりの自由が許されていてね。
そのまま本当に陛下の妻になっても良し。
白い結婚を貫いて他で愛人を作っても良し。
それとも芸術に傾倒しても良し。商売に精を出しても良しだね。
だって功績に対する恩賞だからね」
「・・・それって恩賞を与える相手を間違えたらとんでもない事になりません?」
「そうだね。だから恩賞側妃になる為には5人居る「宮中伯」の3人以上の賛成が必要なんだよ。
カロリーナ妃は殆ど無欲で恩賞を悪用する人では無かったからね。
アレクシ伯との結婚も打算無しの本当に恋愛結婚だったからね。
宮中伯からも問題無しと判断されて長い歴史の中で4人目の恩賞側妃になれたんだよ。
「宮中伯?!やっぱり居るんですね?!」
風の噂で聞く宮中伯の存在は都市伝説か何かと思っていたセリス。
「うん?居るよ?しっかりとね」
「あの・・・つかぬ事をお伺いしますが、お父様が宮中伯なんて事は・・・」
父親が宮中伯だとセリスは余計に国の中枢から逃げられなくなりそうである。
「ん?私かい?違うよ?基本的に王家の利権から遠くて伯爵位の者から陛下が直接任命するからね」
そこまで言ってしまうとかなり人物が限定されそうである。
「旦那様?!さすがにそれは?!」
国の重要機密を娘にペラペラ話す旦那を諌めるバーバラ夫人。
「そうですかぁ。良かったぁ」
「女公爵になる可能性が高いセリスはそろそろ色々と知っておいた方が良いと思ってね」
「はい?!女公爵?!何て恐ろしい事を?!そんな怖いモンにはなりませんよ?!
だってレオン達が居るじゃないですか?!」
セリスには3つ子の弟達が居るので自分がカターニア公爵家を継ぐつもりなど毛頭無いのだ。
「いや~。ジャンとジョセフとレオンに「誰が公爵家を継ぐのかな?」と尋ねたら3人声を揃えて「セリス姉様です!」と答えてね~。
3人とも公爵家を継ぐ気が無い様子なんだよ」
「弟達?!」
「息子達?!」
父コーバの衝撃発言にメチャクチャ驚くバーバラ夫人とセリス。
「まあまだ3人共子供だからね。その内やる気になるかも知れないからね。
後継者については気長に考えるよ」
「私は継ぎませんからね?!」断固拒否るセリス。
結論から言うとカターニア公爵家の家督問題は違う意味(誰も家督を継ごうとせんかった)で拗れに拗れ、遂に国王ヤニックがブチ切れて強引にセリスをカターニア公爵代行に据える結果となります。
いずれ詳しく書きます。
「話しをカロリーナ妃に戻して陛下とカロリーナ妃って結婚式以降接点が無かったはずなんだよね?
何と言うかお互いに最初から無関心だったと言うか・・・もしかしたらまたファニーが仲介したのかも知れないね」
王妃ファニーは国王ヤニックを溺愛をしているがとても貴族的な考えをしている女性で王家の権威を上げるのに側妃が子を儲けるのを全面的に推奨している人物である。
エリザベス妃を得ながら自分の寝屋にしか来ない国王ヤニックの尻を蹴飛ばしてエリザベス妃の寝屋に放り込んだりした事もある。
「え?!もしかして種が違う可能性も?!」
「セリスーーーーーー!!!!!」これには激オコのバーバラ夫人。
「ごめんなさーーーーーい?!?!」
今の発言はいくらなんでもセリスが悪い。
「いや~。それがね?魔力の測定をして見たら祖父のカイル王との波動パターン適合率が60%も出たからアラン殿下は陛下の子で確定なんだよ」
魔法世界においてのDNA鑑定の様なモノである。
「あ・・・子供がカイル王に近い波動パターンになる男性は陛下とエヴァリスト大公閣下しかいないですわね」
「そうだね。カイル王の母系統の私の子で言うとアラン殿下(第2王子)の又従姉妹かつカイル王の妹の孫のセリスでも魔力波動パターンは大叔父のカイル王との適合率は30%以下までに低下していたね。
どうやら魔力は男系統に多く継承される様子だね」
無論、高位貴族のセリスの魔力の波動パターンは産まれて直ぐに測定済みである。
そして父親の血を濃く受け継いでるセリスはコーバ公爵の子供の確率が脅威の99.999%との結果が出ている。
他の兄弟姉妹も全員が95%以上適合とバーバラ夫人が頑張った証拠がしっかりと出ている。
ある意味でほぼ浮気不可能世界なのだ。
「ふわー?DNA鑑定以上の精度なんですね」
「そして・・・その・・・叔父上はアレだから・・・」
ここは口を濁すコーバ。
「え?!もしかしてエヴァリスト閣下って種無し?!」
アホかぁ?!口を濁したと言ったばかりじゃねえか?!
「セリスーーーーーーーーー!!!!!」
「ごめんなさーーーーーーい?!?!」
お前その内誰かに殴られるぞ?
コーバはセリスの不敬発言をスルーしつつ統括した結論を述べる。
「アイツ・・・忙しかったのにやる事はやってたんだなぁ」と・・・
「はあ・・・旦那様・・・セリス・・・会話が不穏過ぎて尚且つ品が無さすぎます・・・」
そだね。バーバラ夫人の言う通り公爵家の家族団欒の会話じゃないね。
「・・・」大人しくなったセリスがチラリとバーバラ夫人の様子を伺うと・・・
「それからセリスは今からわたくしの部屋に来なさい」
そりゃ当然逃げられる訳がない。
これで何回目になるか分からない淑女再教育の始まりである。
「ふあい・・・・」さっさと行ってこいバカ。
それから外出禁止期間が明けるまで1年間ひたすらにバーバラ夫人とセリスのバカ発言の通報を受けた霊視さんβから徹底的な淑女再教育を受けてセリスは外見だけは立派な大人の淑女になりましたよ。
大人の淑女になると言う事は当然ながら身体も成長した訳で・・・
「うぐぐ??うおおお?我の・・・我の骨が軋むわい・・・そして腹減った」
寝てても骨が成長しているのが分かる骨太令嬢セリス。
しかしこれでも外面が・・・良くなった??のか?
「お嬢様って一回で食べれる量が少ないですもんね」
「食い気だけは有るんですけどね。なして肝心の胃が小さいのか・・・」
「お嬢様はお口が小さく何回も噛む必要が有るから人より早く満腹感が来るんですよ」
ちょっと前に小さい口の分際で「丼飯かき込みに挑戦」したら割とマジで「窒息死」しそうになった。
「ぐぬぬぬ・・・」
「うーん?それならミルク入りのクッキーでも持って来ます?」
「それだ!ミミリーよ。早よ持って来てくれい。
カルシウムが不足しておる・・・・我はカルシウムを取らねばならん」
突然急激に身体が成長し始めて食っても食っても腹が減るカルシウム不足令嬢セリス。
とは言え元々が少食令嬢だったので人並みの食事量になっただけだが。
「ところでお嬢様?・・・・・・・○○○○痛くないですか?」
何か知らんがワクテカしているフェナ。
「うん確かにめっちゃ痛い・・・何ですかこれ?」
第二次成長期アルアルである。そして自分でムニムニすんな。
「やっぱり男女問わずにこの頃になると皆んな○○○○痛くなるんですね~」
何が?とはここでは言うまい。でも触られるとギャー?!ってなるよね。
「えい!」嬉しそうにセリスの○○○○をタッチするフェナ。
昔シスターにやられたので自分も人にやって見たかったのだ。
「ギャー?!やーめーてー?!」
13歳まで貧相スレンダーまな板寸胴ボディー令嬢だったのが14歳になった途端にいきなり身体が急成長を始めて○○○○も大きくなりセリスも一気に女性らしくなりましたよ。
「ああ~~!!服代が服代があーーー」
しかしその成長の代償として持っている服が全てパッツンパツンになってセリスはマジで嘆き悲しんだ。
もはやリメイクで何とかなるレベルではない。
しかしこの窮地は差出人不明(霊視さんβからのプレゼント)のエルフ風の素敵な服と下着が届いて乗り切った。
エルフ風のレディース服と言われても人族の服と正直違いが良く分からんがコンセプトが少し違うらしい。
「服が届いたから取りに来い」とイノセントに言われて冒険者ギルドまで取りに来たセリス。
最近は情勢が安定してめでたく外出禁止令は解除されています。
「うわ?!想像してたよりも何倍も沢山届いてますね!」
昨日せっかく部屋の掃除をしたのに梱包物だらけになっているイノセントの執務室。
「荷馬車の手配は済んでるからよ。早よ持って帰ってくれ」
今日は書類の山では無く梱包物の山に隠れて姿が見えないイノセント。
要するにメチャクチャ邪魔臭いのだ。
「イノセントさん?
これ本当に誰からの贈り物なの?
凄くありがたいですけど下着のプレゼントは・・・少し怖いんですけど?」
「うわっ?!大胆!」結構スケスケの寝巻きを見て頬を赤くするフェナ。
「ん?欲しければフェナにあげるよ?」
「・・・・・・・・・・頂きます」
おっしゃあ!コレ着て今日は旦那さんとイチャコラだね!
プレゼントが何故か自宅ではなく冒険者ギルドに届くので家主のイノセントに差出人について聞くと・・・「んー?心配せんでも普通に女性からのプレゼントだぞ?余りモンらしいから遠慮なく貰っておけ」と興味無さげに言われた。
「そうなんだ?」
いくら余り物でもこんなブツを贈られる理由が全然分からんと言ってるのだが。
《そうそう、余り物のお古なんだから貰っとけ貰っとけ》
ここで丁度、その噂の贈り主の登場である。
「え?お古?・・・下着もお古?!」
《いやさすがにそれは無い。
その下着は古い物だけど保管魔法が掛かっている新品よ。
昔ウチに下着のガチコレクターが居てね?
自分で付けもしないのに世界各地でご当地下着を買うだけ買って私のクローゼットに大量に放置して行ってね~。
私が使おうにも胸のサイズが全然合わないから処分に困ってたの。
セリスならサイズ合いそうだし型は古いけど下着だから大丈夫だよね?》
おそらく今は亡き鳩胸魔王の遺品と思われる。
「全然。普通に可愛いです。うわっ?!このガードル!なんかエロいねぇ~」
《でもアイツって基本は竜に騎乗するのにお股が頼りないからって厚手の綿パンしか履かなったのよ?何の為に集めてたんだか・・・》
女性用の下着の形はもう完成されている技術らしく100年前のモノでも素材以外は品物自体にそう大差は無いらしいです。
何なら昔の品物の方が手間と素材にこだわっていて良い品なんだそうな。
そして自分からの贈り物だとバラしている様な説明を続ける霊視さんβである。
セリスの自宅に直接送ると郵便の控え用紙から正体がバレるので弟子のイノセントにプレゼントを送り付けている。
「・・・・」目の前でリアルな下着談議が始まり何とも言えない微妙な表情のイノセント。
「なんかギルマスが通販で女物の下着を大量に買い漁っている?」と変な噂になるので本当は自分に送り付けて来るのを止めて欲しいのだ。
イノセントは下着の中身には興味は有るが下着自体には全く興味は無い。
現に目の前に女性用下着が大量にあっても「ただの布」にしか見えていない。
ただ仕事中なので目の前に女性の下着を広げるのは止めて欲しい。
「ん??んん?!えええ?!?!
フローズブランドのオートクチュールのドレスまで混ざっているよ?!
これ本当に貰って良いの?」
セリスは箱の中からとんでもない大物を見つけた。
数年前の若干型落ちになるが世界最高ランクの服飾ブランドの「フローズブランド」のフルオーダーメイドのドレスまで混ざっていたのだ。
まあ・・・このレベルのドレスともなると型落ちも何もないのだが・・・
「はわー?すっごい!これって最高級ウッドエルフ絹製だよ?フェナ」
「ウッドエルフ絹・・・確か重量で言えば純銀とかより遥かに価値が有るんですよね?
ハンカチ1枚でも数十万円(相当)もするとか?」
《んー?そうねぇ。重量単価で言うなら今は1gで3000円(相当)かな?このドレスでウッドエルフ絹は7kg使われているんだったかな?》
「絹だけで2100万円(相当)・・・」
「うわー?金糸じゃなくて本物の金紗ですよこれ?」
日本だと西陣織の金紗が国宝指定されてますね。
これほどのレベルの超ド級の高級ドレスは公爵令嬢のセリスでも滅多に見る事がない。
ピアツェンツア王国で同じモノを作るのとなると日本円で8000万円ほど掛かる逸品である・・・・・・・・・・服で8000万円?!?!
《良いよ。この手のドレスもたくさんあり過ぎて収納を圧迫しているから遠慮なく貰って》
そんな超高級ドレスを収納が圧迫する程にたくさん作るとは・・・
霊視さんβは民からの血税で豪遊しまくりの悪役女王なのか?・・・・・・・と言う訳では無い。
このドレスは「4年に1度開催される世界規模のメーカーが揃うファッションショー」の時に客寄せエルフパンダ霊視さんβが着させられたモノである。
客寄せ用なので各メーカーも威信を賭けて無駄に金を掛けて作っている。
なので制作費は全てメーカーである「フローズブランド」の開発部と宣伝部の予算から出ているので霊視さんβは一銭も出していない。と言うかモデルの報酬として貰ったのである。
でもエルフ的には魔導的な性質上で新品の服をあんまり着ないので新品を貰っても困るのだ。
基本的にエルフは毎日身に付けている装備品に魔力を注いで育てるモノなので魔道的に相性が良い数着の服を洗濯ローテーションで分けて着回す。
そこに新しい服が加わると装備育成の効率が落ちるのであんまり新しい服は好まれない。
なので遠慮なくセリスに要らない服は貰って欲しい霊視さんβ。
イラネって何回言っても何故か皆んな霊視さんβに服をあげるのだ。
ちなみにこのドレスは詳細なサイズをミミリーから聞いてセリス用に仕立て直しているのでセリスにジャストフィットしている。
無論、今後の成長を見越して拡張性も残している。
《それにね?・・・うふふふふ・・・
セリスの身体がこのまま順調に成長すれば「ファッションモデル」の仕事をセリスに押し付ける計画も・・・》
カリカリカリと何かを書く音が聞こえて来る・・・何かの企画書かな?
「いきなり何の話し?!何か不穏な単語が!ファッションモデルって何さ?!」
《これから着ける下着も寄せて上げての○○○○ボリュームアップ・・・・ふふふふ》
カリカリカリカリカリカリ
外交戦略の一環で「師匠命令で強制的にやらされている」ファッションモデルの仕事をセリスに押し付けようと画策しているブリキロボット霊視さんβ。
《ふふふふ・・・そしていずれはフローズさんにナイスバディになったセリスを見て貰って・・・
セリスをモデルの生け贄に捧げて私は逃走・・・・・これで完璧ーーーーー!!!》
カリカリカリカリカリカリと怒涛の勢いで自分下げセリス上げの企画書を書いて行く霊視さんβ。
そんなにファッションモデルをやるの嫌なん?!良いじゃんかファッションモデル!女の子の憧れじゃん?
《嫌です!あれはやりたい人がやるべき職業なのです。ブリキロボは滅び去るべきなのです》
「だから何の計画なの?!私はやりませんからね?!」
着実とファッションモデル令嬢セリス爆誕に近づきつつあるのだ。
なんか知らんが鬼気迫る霊視さんβに凄え不安を覚えるセリスなのだが・・・まあ服は服なので有り難く貰う。
余談になるが数年後に本当にファッションモデルとなった(霊視さんβに強制的にやらされた)セリスは見事なブリキロボ3号機となった。
「・・・もう二度とファッションモデルなどやらん。マジ今度は走って逃走するからね?」
ファッションショーが終わり精神をゴリゴリに削られてゲッソリ令嬢となったセリス。
「ね?ね?ね?あの独特な緊張感って慣れないよね?」ブリキロボ仲間が増えてめっちゃ嬉しい霊視さんβ。
セリスと共に無表情で微動だにせずランウェイの中央スペースに3時間ずっと置かれていたのだ。
セリスと霊視さんβは知らん話しだが「無表情でピクリともしない綺麗なモデル」はファッションショーにおいて割と重要な要素なのでこれからもモデルをやらされる事だろう。
さて、家に帰りブリキロボ1号機から貰ったイチオシの下着を試着して「おー?こりゃヤベェっすね」姿見の鏡で自分の姿を見てセリスが呟く。
「何がヤベェの?」最近めでたく2児の母になったミミリーがセリスの王立学校の制服を整えながら聞くと、「いやー。ボンっとキュッとなってボンしちゃったよ」と言いながらセリスがセクシーポーズを取る。
ブリキロボ1号機特製の矯正下着の効果も相まって14歳とは思えないナイスバディな金髪美女が鏡の中に居たのだ。
「そうね・・・お嬢様はバーバラ様の娘さんですもの。当然よね・・・・・・・・・
ああーー!羨ましいい!!!なにさ!こんなモノ!」
モミモミモミモミ!突然キレたミミリーが後ろからセリスの胸を揉み始める!
「あははははは!!やーー!やめーい!!だから揉まれると痛いっちゅーねーん!やーめーてー!」
モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ
「なによその色気の無い喘ぎ方?フェナを見習いなさい!
ふふん!大きくなってもまだまだ柔らかさがイマイチね!でも羨ましいーー!!」
モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ
「あはははは!私は喘いでないですよ?!痛くてくすぐったいだけです!
人には向き不向きがあります!お色気担当はフェナにお任せします!
ええい!やめんか!何かに目覚めたらどうしてくれる!」
「何で私?!人妻にお色気を求められても困ります!」
「何言ってんの?人妻って結構需要があんのよ?」
「何の話をしてるんですか?!」
女3人でそんなアホな事をしてイチャイチャしていたら・・・突然!バーーーーーンと扉が開いてセリス母のバーバラ夫人が現れましたよ!
そして!
「セリス!王家から通達です!明日からの1週間の間、王城で毎日夜会ですわ!
ミミリーとフェナも貴族夫人としてドレスの準備をなさい!」
「「「なんだってーーーーー!!!明日ーーー?!?!」」」
何一つとして夜会の準備などしてなかった3人はハミングで絶叫する。
デビュータントは来年だと高を括っていたセリスは王家から不意打ちを食らうのだった。
そう言えば、ミミリーは男爵夫人でフェナは凖男爵夫人だったね。