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13歳となったセリスは王立学校へ行く。

戦争の影響から王立学校が休校状態になっていたがセリスが13歳になった頃にようやく再開するとの連絡が王家から入った。


「え?!じゃあ外出禁止令も解禁ですかお父様?!」

父からの呼び出しにワクテカのセリスだが?


「それは継続だよ?地方から来る子も基本的に学校と宿舎からは出る事は出来ないね。

これ以上の休校をするのは国の子供達の学力低下が無視出来ないレベルで下がるとの判断からの無理矢理の開校だからね。

セリスもフェナとミミリーと護衛騎士3名を連れて馬車での登校になるね」


セリスの強足ならピッピハウス(鶏小屋)を突っ切って学校まで30分足らずで到着だが馬車での登校となると大通りの馬車道を回るので1時間程掛かってしまう。


「ぶーーーーーーー」


単純に缶詰状態で勉強する場所が自宅から学校に変わるだけの話しに不貞腐れるセリス。

これでは寧ろ護衛騎士と教師からの監視の目が増えるだけである。

でもまあ、大手を振って公爵邸の外に出れるのは嬉しい。


「それでセリス達には統一学力試験があるよ。

皆んな学校には行けなかったけど今年からセリスと同じ年齢の子達は中等部1年生になるので初等部で習得しているはずの学力が有るのかの確認だね」


王立学校は初等部3年、中等部3年、高等部3年の計9年間制である。

セリスも9歳の時に初等部に入学をしたものの3ヶ月間通った頃に本格的な戦争が始まり学校に行けなくなったのだ。


それからは入校予定だった貴族の子息達は家庭内学習、平民の子供達は別の学校や各地区の公民館なので勉強をしていた。


少し王立学校について少し説明をするとこの学校は国内で優秀な者達を王都に集めて英才教育を行う成績優秀者が集まるエリート校だ。


初中高等が集まるなら学園じゃね?との疑問が湧くと思うが実の所で開園してから300年ほど昔から有る「王立学園」という教育機関がしっかりと別に存在しているので混乱を防ぐ為に名称を学校にしている。


王立学園の方はファンタジー定番の初等部から大学院まで普通科から騎士科まで有している留学生も含めて生徒3万人を超える超マンモス学園で国内や海外友好国の資産家、商人、貴族、王族、が出資している王立を名乗ってはいるが私立の色合いが濃い学園である。


じゃあそっちを舞台にすれば良いじゃん?・・・考えたけど定番過ぎて嫌です。


そんな感じなので人数が多い分だけ利権や派閥絡みのイザコザも多く生徒も優秀な者から貴族のボンボンに平民のアンポンタンまで幅広い。


それと昔な王都出身者が地方出身者を小馬鹿にする傾向が強く地方出身からの生徒達の入園が滞り「それじゃ国内の優秀な子供を中央で確保出来なくね?」とのコンセプトから4代前の国王が「完全実力主義!王立学校」を作ったのだ。

なので現在も地方から来る生徒の方が多くなる様に受験枠が設定されている。


まあ、規模で言えば王立学園の1/10程度の学校だ。


それなら王立学園は学力的にダメなのか?と言われると別にそうでも無く、魔法科学技術関係や理化学分野、法務関係や騎士養成関係などのレベルは王立学校を遥かに上回っている。

まあ、多種多様な専門学校が集まっている超でっけえ学園だと思ってくれて良い。


淑女教育や侍女教育にも力を注いでおり将来を見据えて学園内の社交も盛んで人脈を求める有力商人の子息や大半の貴族令嬢は王立学園の方に進むケースが多い。


令嬢達が多く集まるので必然的に出会いを求める大勢の貴族令息も王立学園の方に進む。


王立学校の方はそう言う利権的な貴族的なしがらみが嫌いで勉強だけをしたい言ってしまえば少しマニアックな者やマッドサイエンティストの素養が有る者が集まるので変人が多いのも事実だ。


ちなみに王立学園から王立学校への編入も編入試験にさえ合格すれば簡単に可能で先ずは王立学園で専門的な弁理士や行政書士などの資格を取り王立学校へ編入して基礎を強めてまた王立学園の大学院へ進み弁護士になるなどの複合ルートも推奨されている。


セリスに関して言えば、このルートでの進学を狙っている。

最終的には王立学園の大学院へと進むのが目標になっている。


王立学校の厳しい所は入学した後に学力が足りていない者(要するに赤点を取った奴)はどんな理由があっても絶対に進級する事が出来ず進級可能な学力になるまで特別授業(補習)を受けさせられる事になる点だ。


その反面、王立学園はコネによる進級が出来てしまうので時折めちゃくちゃ頭が悪いアンポンタンが誕生してしまうのだね。


王家出資率100%の王立学校には王侯貴族特権は全く通用しない。

何なら王族にも一切容赦しない。嫌なら学園の方に行けと言われるだけだ。


例え公爵令嬢のセリスと言えど学力が足りていなければ情け容赦なく特別クラス(補習教室)に島流しになるのだ。


直近の良い例だと現国王のヤニックも仙人校長から「コイツに卒業出来る学力は無し!」との判断を食らい数年間に渡って留年させられて特別クラスに落とされまくった過去が有る。


まあ、国王ヤニックの場合は各地に出征したり国内の内乱を収めていたり逃亡した婚約者(現王妃)を追いかけていたりして出席日数が足りなかったせいなんだけとね。


こんな感じに王立学校は割と簡単に落第するので2,3回程度なら留年しても大して恥にはならないが国王ヤニックの「歴代最高記録更新!10回留年!」はさすがに大恥である。


さて、ならセリスは勉強面ではどうなのか?


「セリス?勉強の方は大丈夫ですか?」

霊視さんβに煽られて最近はすっかり教育ママになったバーバラ夫人。


「はい、お母様。滞りなく進んでおります」

母バーバラに向かいニコリと微笑み実に令嬢らしい振る舞いのセリス。


セリスはこの半年で学んだのだ「猫被るのって大事じゃね?」と言う事を。

自分の素を出せば出しただけ金儲けに支障があるんだから猫を被った方がお得じゃね?だと言う事に気が付いてしまったのだ。


とは言え勉強が滞りなく進んでいるのは事実で朝のルーティンが終わってからの日中はずっと部屋に閉じ込められて死ぬほど暇だったモンだから暇潰しに勉強をしまくったのだ。


パツキン珍獣を・・・とっても活動的な女の子を部屋閉じ込めると時に強烈なエネルギーを発揮してしまうのである。

今やセリスにとって勉強が趣味な様なモノで今の時点で中等部の科目を全て終えて高等部2年のテキストを始めている。


なので今回の学力テストも単純な「ケアレス、ミス」で5点ほど失ったが他は全問正解。

1000名以上(定員1300名)いる今年度の中等部1年生の中では3位の成績だった。

セリスもマッドサイエンティストの素養がかなり有るのだ。


その学力テストの上位者リストが登校初日の学校の廊下に貼り出されると・・・


「素晴らしいですわセリス様!」


「次は間違いなく学年主席ですわね!」


「おほほほほほ、そんな事ありませんわ」


学校で久しぶりに会った取り巻き令嬢達に煽てられ謙遜している様に見えるセリスだが高校生が小学生の問題をやったと同じ様なものなので褒められても困るだけだったりする。



そしてセリスが早速やらかす。



「え?入学式は中止なのですか?」


「そうですね。警護の問題から全面的に自粛するらしいです」

そんな優秀令嬢セリスからの質問に答える今日は珍しく護衛騎士モードのフェナ。


確かに保護者を含めて数千人が集まる中で要人が壇上で挨拶するなど「どっかからでも暗殺してクレメンス」と言ってる様なモノである。


入学式が中止になり今日はこれで学校は終わりだと分かったセリスは学校からの帰るついでに冒険者ギルドへ行く事にした。


「よおーし!この時間からならクソ親父の所で1日分稼げるよフェナ!!」


「!!!お嬢様ーーーー?!?!」

このアホはいきなり何言い出すんだ?!と言った表情で驚くフェナ。


目標を入学式からクソ親父イノセントの部屋掃除アルバイトに変えたのだが久しぶりの外界の空気を吸いテンションが上がってしまったセリスはバーバラ夫人が横に居る事を忘れる。

コイツ全然、猫が被れていねぇし・・・


「セリス?!えぇ?!く・・・クソ??」

母バーバラはセリスの仕事モードを初めて見てビックリしている。

と言うかセリスの口の悪さに驚いたとも言える。


「フェナ!冒険者ギルドに行くよ!!」

制服を着たまま冒険者ギルドへと走り出すセリス。


全力疾走の為に濃紺と白のチェック柄の膝丈スカート盛大に捲れ上がるがそこは慎しみ深い公爵令嬢、パンツが見えん様に体育用の灰色短パンをしっかり装備済みである。


ズダダダダダダダダダダダダと、母に有無を言わさずにあっという間に消えた公爵令嬢。


「セリスーーー?!?!」人間とは思えない娘の走りっぷりに唖然とする母バーバラ。

突然猛烈なダッシュをかました公爵令嬢に周囲の同級生も保護者も唖然としている・・・


「・・・・・・・・・・ああ・・・これはおわた」

アホな主人に頭を抱えるフェナ。セリスは勉強が出来る天然のアホなのだね。


「自走セリスの登場だ・・・」


「アレが自走セリス・・・」


「噂通り早えぇ・・・」


「「自走セリス」とは何でございましょうか?!」

近くの平民の男子生徒達の呟きに反応する母バーバラ。

1人の男子生徒の両肩を掴んで「詳しく教えて下さいまし!」と涙目で懇願する。


「え?!・・・え~と~??」

美人さんのドアップに頬を赤くさせて目を泳がす年頃の男子生徒。


《どうしよう・・・》

「自走セリスの活動を妨げる者には死を」を掲げる過激派セリスファンが街に居るので話して良いか悩んでいる。


「お願い致します!」


「はい・・・」

さすがに泣く美人さんを邪険には出来ずに観念する男子生徒。

セリスが「自走セリス」と言う異名で街の人々に愛されている事を話す。


男子生徒達は、かなーりオブラートに包んで説明したがバーバラ夫人に目眩を食らわせるには充分な内容だった・・・


男子生徒達曰く・・・


「セリス様の「人混みの上」で揺れる美しい金髪は「大市場祭り」の名物なんです」

要約、「お宅の娘さん毎年祭りの神輿の上でワッショイされてますよ」


「「ドレス姿で馬車より早く走る」姿はとても華麗で優雅なんです」

要約、「いや足早っ?!あのドレスの中はどうなってんの?!」


「坂道を軽やかに3段飛びで駆け抜けるお姿はカモシカの様で・・・」

要約、「おおう?!やりい!大吉だ!美少女パンツ見ーーーえた!」


などなど長いウェーブパツキンを靡かせて街中を爆走するセリスの目撃談に事欠かなかったのだ。


「・・・・・・・・・・セリス」ワナワナと震えてるバーバラ夫人。

これはやべぇ!と思ったフェナは既にセリスを追って逃亡済みである。


この時のセリスは両親から第一回目のヤキが入った以降、両親の前では猫を被って令嬢らしくお淑やかに振る舞っていた事を完全に失念している。


アルバイトを済ませてイノセントから金貨をぶん取りホクホクしながら家に帰ると今まで見た事もない怖い顔で自分を見て来る母バーバラを見て自分がやらかした事を悟り顔面蒼白になるセリスなのだが・・・もう遅い。


この後、丸々と3ヶ月間の学校以外への外出禁止、毎日バーバラ夫人がセリスを送り迎えをして帰宅後に母が自ら娘に淑女教育をみっちりとやり直す事になる・・・ざまぁー。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・・・・・・・霊視さん・・・助けて」


《すっごい不思議なんだけど何でセリスは後先考えずに走るの?

私の場合は走って魔力を消費しないと爆発するから走らざる得ないから走るんだけど・・・》


「走らないと霊視さんは爆発するの???」爆発の意味が分からんセリス。


《しますね》


魔力過多な霊視さんβ・・・と言うよりはハイエルフは毎朝ジョギングしないと3日程で魔力を貯めるキャパシティを超えてリアルに爆発する珍妙な生物なのです。


魔力が発散出来れば別にジョギングじゃなくても良いのですがジョギングをするのが1番手っ取り早い魔力の発散方法なので毎朝全員参加の大運動会が始まります。


魔力が体内から外向きに爆発するので本人は別にダメージ負わないのですが周囲はマジで大迷惑なのだ。


かなり昔に霊視さんβは魔法を封印されて捕えられ監禁された時にこの変態体質・・・特異体質を利用して敵の拠点を吹き飛ばした事があります。


「私の場合はそこに道が有ると本能的に走ってしまうのです」


《あー・・・そこは何となく分かるわー》


《あっそこはβにも分かるのね・・・》

この人型生物の感覚は浮遊生物の神様に分からん感覚なのだ。


2足歩行をする人型生物は本能的にその場に立っているより歩いている方が楽に感じるとの事です。


よく言われる「立ちっぱなしの仕事はマジ疲れるわー」とか「の○太!廊下に立っとれ!」とか「校長の話し長くてマジウゼー」とか「徘徊ボケ老人」とか「アイツずっとアソコに立ってるけど何か怖くね?」とかの立ち続ける事に対してネガティブを感じるのは正にそれです。


実際には疲れていなくても立ったままじっとしてる事に忌避感を覚える動物なんですね。


幼い子供がその場にじっと立ってられず、いきなり走り出すのもその本能を上手くコントロール出来ないからだと言われています。


更にセリスは活動的なので余計に突発的に走り出すのです。つまりは精神がまだ子供なんですね。

子供は走ってナンボの生き物なので強く怒らず優しく諭して上げましょうね。

実際にセリスの走り癖も大人になるにつれて収まって行きます。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



それでは尺が余ったのでセリス初登校の様子を詳しく見て見ましょう。




「本当に馬車で行かないとダメですかお母様??」


「ダメです!お父様の言い付け通り護衛騎士を連れて馬車でお行きなさい!」


往生際のセリスを母のバーバラが馬車で学校に行く様に嗜める。

セリス的には王立学校の校舎正門まで自分ん家の敷地を突っ切ればのんびり歩いても30分で着くので1時間も掛けて大通りを馬車で行く意義を見出せないのだ。


ちなみにセリスは学校の寮に入らずに通学で通うのだが建前の意味でも公爵令嬢としては馬車で正門に乗り付ける必要がある。

セリス的には「時間を掛ける意味分からん」感覚なのだ。


ちなみに10年前まで王立学校は全寮制だったのだが「近場に家が有る者は通学でも良いんじゃね?」との国王ヤニックが任意制にした。

これにより遠い地域から来る生徒達が寮に入り易くしたのだ。


「じゃあ・・・今日だけは馬車で行きます」


「毎日です!」


そう言って渋々、母バーバラとフェナと一緒に馬車に乗り込り大通りに出た瞬間に速攻で後悔する。

公爵邸の正門を抜けて大通りに出るなり馬車の大渋滞だ。


生徒と入学式参加の保護者達の馬車が大通りを埋め尽くしていたのだ。

「だから歩いて行くって言ったのに・・・」

セリスはそう言うが、この馬車の渋滞も国の権威を示すイベントの一つなのだ。


海外からの留学生に、「どうだ?うちの国の学校は凄いだろ?」と見せるのだ。

セリスには全く理解出来ない考えだが一応少しは効果が有る。


そんな大渋滞の中をカターニア公爵家の家紋が入った馬車が進むと・・・


「きゃあ?!まぁ!見て、カターニア公爵家の馬車よ」

馬車の群れの見学に集まった王都市民の女性が歓声を上げる。


何でそんなモノの見学するかと言うと様々な形状をした馬車に着飾った令嬢を見ていると楽しいからだ。

貴族の女性は市民の目を楽しませて鑑賞の対象になるのも仕事の一つなのだ


「確か長女が今年入学だったよな」


「きゃーーー!セリス様ー!」


と、次々に大通りに大歓声が上がる。


「うお?!うおおおおお?!」これにはビックリセリスだが「うお?」は、ねぇだろ?


「ほらね?歩いてなんか行ったら直ぐに囲まれてしまいましたよ?」ドヤ顔の母バーバラ。


道端で馬車の大行列を見学している王都の市民がカターニア公爵家の馬車を見て湧き立っている。

自分達に寄り添ってくれる「慈愛のカターニア公爵家」は王都の市民には大人気なのだ。


そしてただでさえ人気のカターニア公爵家の長女は美しい金髪を翻してキラキラ光る汗の中を走る健康的な美少女・・・「生ける芸術作品」とも称される程に「自走セリス」は王都市民から人気があるのだ。

そんなセリスが走りを邪魔をしようモノなら王都中から村八分にされるのだ。


「ほらセリス、市民の皆様に応えるのも貴族の女性の役目ですわよ?」


「うう・・・はい」母に促されて笑顔で市民に手を振るセリス。


きゃああああああああああ!!!と再度群衆から大歓声が上がる。


恥ずかしくて苦笑いのセリスだが今までの「両親の過剰な寄付」の苦労が報われた思いなのも確かだ。

「まっ!たまには良いよね!」と馬車の中から再度手を振り返すセリス。


ワアアアアアアアアアア!!!!と、セリスが手を振る度に歓声が上がる。

セリスの人気は王族を上回るほど高いのだ。そりゃ敵性勢力からも狙われますわ。


結局学校の正門に到着したのは、きっちりと1時間後だった。


「えへへへ♪今日から学生さん♪」

セリスも自分では分からなかったが再入学にとぉーっても浮かれていたのだ。

しかし「ルンルン♪」と馬車を降りた途端にセリスのテンションがガタ落ちする。


「「「セリス様!ようこそ!王立学園へ!」」」


目の前には整列したカターニア公爵家一門の貴族の子息と令嬢の整列した姿が・・・

「やめて下さい!マジ勘弁して下さい!」そう思ったセリスだが・・・


「おはよう御座います皆様、今日からよろしくお願い致します」

外面だけは良くなって来ている本物の公爵令嬢のセリスはそれはそれは美しいカーテシーをブチかます。

そのあまりの美しさに令嬢達から感嘆のため息が出る。


こうして貴族恒例の挨拶回りをしながら自分のクラスのEクラスへと向かう。

教室に着いた頃にはセリスのメンタルはゴリゴリ削られた。


えっ?高位貴族ならAとかSクラスじゃないの?と思われた人もいるかと思いますが王立学校では選択した自主科目でクラス分けが決まるのだ。

成績でクラスを分ける制度はアカデミー(大学)に入ってからである。


なのでセリスが今年度選択した科目は「植物学」なのでEクラスとなる。

植物学はめっちゃ人気がある科目なのでE~Hまで4クラスもあります。

なんで人気なのかと言うと「植物学」には農業関係の授業がガッツリと含まれているからだ。


ピアツェンツェア王国の農家は結構人気がある職業で収入も良い。

今は亡き尊王カイル王の農業政策が現王の元で実を結んだ結果だ。


なのでピアツェンツェア王国は食糧自給率が戦時中にも関わらず何と脅威の250%を超えている。

貿易の主要産業としてヴィグル帝国や東部諸国への輸出もしている。


ピアツェンツア王国国内での餓死者数はこの10年では限りなく0人と言っても良い。

もし餓死者が出ようモノなら虐待殺人事件を疑われて憲兵隊が動員される大騒ぎになる。


ピアツェンツア王国での虐待殺人は一発アウトの即日処刑で、ただの殺人より重犯罪になる。

一見厳しい法律にも見えるがそもそも虐待なんぞやる奴が悪い訳で、100%故意以外にあり得ない人間として最低な虐待殺人をやらかして懲役15年程度で済む日本の法律はかなりおかしいと思います。



「さあセリス様!参りましょう!」


「お姉様?!スッゴク恥ずかしいですわ?!」


公爵令嬢セリスの取り巻き代表とも言える3つ年上の姉ちゃんの伯爵令嬢にエスコートされて教室内へとドナドナされて行ったのだった。


破天荒娘のセリスは貴族令嬢にも人気が有るのだ。

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