↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~  作者: 古堂素央
第四章 その王子、瓶底眼鏡につき

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/78

タイムラインは王子ルート?

 新学期も目前の今日、ようやく三人で集まった。

 序盤から未希の機嫌が下降気味。

 そんな予感はしてたけど、なんとか穏便おんびんに済ませたいっ。


「なんで王子に呼ばれたこと、行く前にわたしに報告しなかったのよ?」

「だって未希、忙しいって言ってたじゃん。それに健太にはちゃんと相談したし……」

「そのビスキュイの怪我のくだり、ヒロインイベントなんだけど?」

「えっ? だって健太、イベントじゃなさそうだから問題ないだろうって」

「ごめん、姉ちゃん。俺の判断ミスだった」


 すまなそうに健太が頭をかいた。

 コレ、なにげに日本にいたときからのクセなんだよね。


「ゲームではユイナ個人がお茶会に招待されることになってたからさ。それとは別件での招待かと思ったんだよ」

「どうしてユイナそっちのけでわたしだけが招待されたのかな? 強制力が働いてたら、その場にユイナがいてもおかしくなさそうなのに……」


 ユイナいてこそのイベントだ。

 その上でハナコを巻き込むのなら、まだ話も分かるんだけど。


「帰り道ではユイナが現れたんでしょう? やっぱり無関係とは言えなくない?」

「でもさ、これってホントに王子ルートなのかな? 健太の話だと、ユイナのヤツ他の攻略対象ともイベントこなしてるみたいだし」

「うん、この夏さりげなくユイナの動向探ってたけど、マサト先輩やダンジュウロウ先輩とも何度か会ってた」

「だったら別ルートに行ったってコトもあり得るんじゃないの?」

「華子、あんたさ、あんま希望的観念持たない方がいいよ? 実際王子イベントも起きてるわけだし、ギロチンエンド回避の努力はこれからも続けないと」


 容赦ない言葉がガツンと来た。だけど上辺だけ良いコト言われても、まったく意味ないのも本当で。

 言いにくいことをはっきり言ってくれる未希には、ちゃんと感謝しなくっちゃな。


「新学期は学園祭イベントが控えてるし、今からしっかり対策練っとこ」

「学園祭? イベント内容はどんな感じなの?」

「生徒会でユイナが主役の劇をやるんだ。劇中でシュン王子とキスシーンがあるんだけどさ。本当ならフリでキスするところ、抑えの効かなくなった王子がヒロインにマジキスしちゃうって流れ」


 おうっ!

 乙女ゲームなら胸きゅんしちゃう王道の展開だな。


「ハナコが代役に抜擢ばってき……なんてコトにならないよう気をつけなさいよ?」

「ひえっ、ソレ絶対にヤダっ」


 あの山田とだなんて、そんな展開オソロシすぎるっ。


「な、何があっても生徒会には近づかないようにする」

「俺も協力するからさ、姉ちゃんもそんな怯えんなって」


 ありがとう健太、マジで頼りにしてる!


「ところで華子、王子の素顔は確認できたの?」

「それがさ! もうびっくりしちゃって!」

「って姉ちゃん。もしかしてシュン王子、やっぱイケメンだったとか?」

「あー、期待してるトコ悪いんだけど、現実はそんな漫画みたいにうまく行かないもんよ?」

「じゃあ、結局どうだったのよ?」


 あんまもったいぶると未希の機嫌を損ねそう。

 健太も結果聞きたそうにソワソワしてるし。


「山田ってさ、ものすっっっっごい目つきが悪くって」


 似顔絵とか書けたらよかったんだけど。

 あいにく絵心がなくて、言葉で伝えきれないのがちょっと残念。


「そんなに人相最悪だったの?」

「うん、ザ・極道って感じ。もう怖さが直視できないレベルだった」


 アレならむしろ、瓶底眼鏡のまんまでいてくれって思うもん。

 日本の山田がコンタクトにしなかったのも、きっとそのせいなんだって納得したし。

 だってあの山田が歩いてたら、すれ違っただけで子供が泣くでしょ。

 それに「ガンつけとんのかワレぇ?」とか言って、本職のヒトたちに因縁いんねんとかつけられちゃいそう。


「ふうん? 極道、ね」

「まさかそんなハズは……」


 あんま興味なさげな未希の横で、なぜか健太が落胆してる。


「ま、強面こわもてだったのはわたしも意外だったけど。健太はこれで納得ね?」

「うん、しょうがないけど、未希姉ぇ分かったよ」


 ナニソレ。わたしには良く分かんない。


「ねぇ、ふたりとも。この前からなんなの? そのやり取り気になるんだけど」

「今の華子には関係のないことよ。そうでしょ、健太?」

「うん」

「え、待って。ますますワケ分かんない。山田の素顔が一体何だっていうのよ?」

「王子の素顔は目つきの悪い極道。以上。おっけー?」


 未希にニッコリと返されて。それ以上は黙って引き下がるしかなかった。

 ってか、今のわたしには関係ないっていうことは、昔のわたしに関係してるってコト?

 そうは言っても、前世で山田の素顔なんか見たことなかったし。


 謎は深まるばかりで余計にモヤるんデスが。

 でも深追いしても、未希の機嫌を損ねるだけだしなぁ。

 仕方ない。いつか健太を締め上げて、全部吐かせるしかないか。


「そういや健太、ユイナ送ってった日、ちょっと帰り遅かったじゃん? あのあとユイナとなんかあったの?」

「それなんだけどさ……ユイナのヤツ、やっぱり何かに追い込まれてる感じでさ」

「追い込まれてる? って、一体何に?」


 そういや未希も前に、ユイナは焦ってるんじゃないかって言ってたっけ。

 あの日のユイナあちこち怪我してたし、精神的にも憔悴してたもんな。

 ヒロインにはヒロインなりの苦悩があるんだろうか?


「もう少しだけ時間くんない? 変にユイナを刺激してもいいことないし、姉ちゃんの害になるようなことは避けたいしさ」

「それは健太に任せるけど……」

「その代わり報告は怠らないでよ?」


 釘を刺す未希に、健太は真剣にうなずいた。

 ケンタは攻略対象だから、一抹の不安はぬぐえないって感じ。

 それは健太自身がいちばん良く分かってると思うんだけどね。


 てな感じで報告会はひとまず終了。


 次はいよいよ新学期。

 秋のメインイベントの学園祭を、上手く乗り切ることに集中しなきゃ。


 ハナコの初キス、ぜっっったいに死守してみせるっ。


NEXT ▶ 第五章 天は我に味方せり


 ブクマ・評価・いいね、ありがとうございます。書く励みになっています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。