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PPAS(ピンポイント、アタック、システム)

○とある軍事説明会

トミー山田「既に、大量殺戮の時代は終わりかけている。それは人類滅亡へのカウントダウンと言われるからではない。今は、ピンポイントで相手を攻撃する技術が、最新の戦術の中心となりつつある。いわゆる、相手の急所を狙った戦術の考え方である。それは、時間と手間とコスト、そしてリスクを最小限に止める戦い方である」



 トミー山田は、もともとは米軍のパイロットとして、イラク戦争やアフガニスタンで実戦経験を積んだのだが、今は兵器開発会社のテストプレイヤーとして最新鋭の技術開発に携わっている。

トミー山田「戦争や内戦と言われる軍事行動は、実は一部の人間がその者の目的を達成するために遣りたいだけで、他の人達はその流れで殺戮や略奪、性的暴行を行っている。これを客観的にみると、動機が不明確な兵隊が行う殺戮行為である。その意味では、国家間で戦うという戦争の定義(動機)は、今や特定の人間だけが首謀するものだと考えることが出来る」


 トミー山田の説明会は、PPAS(PinPoint  Attack System)について、某有名工科大学の先進テクノロジー研究チームのセミナーで行われていた。

トミー山田「軍事行動の首謀者が、精神疾患や特異な宗教等のために戦争を行っている場合を除き、このPPA戦術では、首謀者自身が自分の身を護る為に、核ミサイルや、細菌、化学兵器の使用をチラつかせたり、捕虜や一般市民を盾とすることも、PPA活用の主目的として想定されている」


 読者の方は少し気になっていると思いますが、私は、トミー(山田)の講演内容を日本語に訳しているので、少し話し言葉と違っていることをご承知願いたい。

トミー山田「このPPAがどの様な戦略、戦術、戦テクで行われ、それにどの様なカラクリがあり、戦う相手同士が相手の出方に対してどの様な反撃に出るか、それを簡単かつ具体的な例を挙げて解説してみよう。ここからは、現時点で、ウクライナで実戦展開されている内容や、極東ロシアと日本の防衛プランが含まれている。従って、機密レベル3の扱いとなる」

 米軍の機密レベル3とは、許可なく外部に情報を漏らした場合は、刑事処分される内容である。


 日本に関係する最初の内容があります。アメリカを含め多くの先進国は、日本をこんなふうに捉えています。

トミー山田「様々な理由を根拠に戦う必要性を示す国家や武装組織がある一方で、日本のように極端な平和主義国家で、戦わない理由を探しまくる国家がある。おそらく日本は、仮にミサイルを打ち込まれても、国土の一部を占領されたとしても、戦争は努めてしないと考えて積極的には攻撃しない。それは、見た目は敵にとって都合のいい話しに見えるが、結果的に日本に武力行使の必要がなかったことを証明するようなもので、相手国にとって国際制裁上の厳しさは免れない。これにより、武力行使の理由以上に、他の解決策があるにも係わらず、何故攻撃したのかという答弁不能の国際批判を受けることになる。その批判に耐えられなければ、PPAを使って攻撃の首謀者を叩きにいくことで、人的、物的損害や難民を出さない中で、体制を入れ換えさせるのである。ここの話は、具体的にどの国のことを言っているのか、皆さんは既に理解しているはずだ」



 私からの説明追加−1、トミーがどこの国のことか分かっているはずと研究チームに言った国は、最近ミサイルを日本に向けて発射している国のこと。

トミー山田「もう一つ。前述した特定の首謀者に対してのみ攻撃を集中していると分かると、そこで軍内部は初めて戦う意味を問われる。その意味が何であれ、首謀者だけを安全な場所に避難させたり、内部の検閲を厳しくして首謀者を守れと言った時点から統制は乱れる。これが今のウクライナでのロシア軍の状況である」


 ウクライナ戦線での最新情報なので、取り扱いには十分注意してほしい。国家反逆罪は最高で死刑になる。アメリカ国民の場合だから、自分の国籍や滞在場所を間違えないように。ちなみに私はアメリカ国民です。

トミー山田「既に、このことに気付いたロシア軍は、地上戦を縮小し、東部の親ロシア派勢力地域で立て直しを図っている。実は、この地域のロシア寄りの人達も、ここまで戦争が拡大し長期化するとは思っていなかったことから、ウクライナ軍が空爆やミサイル攻撃をしてきた場合、親ロシア派とロシア軍の戦う意味(目的)とがズレてくる。そして、極端なロシア支持者や軍の中心人物を、この段階でPPAで攻撃することが、戦争終結への近道だとプランニングされている。ここまでが、今話せるギリギリのラインだ。さっさと戦争を終わらせよう」



 私からの説明追加-2、PPASを簡単に説明すると、個人を識別する情報(現時点でスパイの目視情報、携帯やパソコンの位置情報など)で攻撃地点を設定し、自動誘導でその地点を攻撃するシステムのこと。サイズは旅行カバンサイズのユニットで、小型ミサイルかドローンの二種類。ウクライナでは、目標一つに対して3から5ユニットで狙い、ほぼ100%の的中率。


○私の自己紹介

 私の自己紹介です。

 名前 カズ ナガサワ(Kazu Nagasawa)

前歴 元A国の諜報部員と実戦情報戦略アドバイザー

 国籍 アメリカ合衆国(ハワイ出身)

 定期的にハワイと日本を移動しているので、連絡はある程度余裕をもって。


※本件のクライアントは、日本の某所の対策チームから翻訳依頼され、対ロ政策の方針決定に使用されるとのこと。



○クライアントからの追加依頼

 最新の戦略展開として次の軍事空間の動向 

・サイバー空間

・NA宇宙空間(地球に近い宇宙空間)

・ステルス空間

・生物化学空間

・大深度海空間



○オプション

 コロナnVと軍事戦略の関係について聞かれたので、参考まで。

 もとは、中国で開発されようとしていたnVが何らかの経路で外部に拡散したのは確かである。ただ、今の時点でその事実を表に出す意味がない。中国では既に情報を完全削除していて、WHOと調整が済んでいる。その調整条件が近隣諸国へのワクチンの無償提供だったが、ワクチンの開発はまともに出来なかったので、モデルナ等の他国の製品を中国製品のように言って供給している。


 各国の軍隊では、ワクチン接種は済んでいると思うが、それ以上に新種のコロナウイルスが細菌兵器として使われたり、ワクチンの大量接種時に故意に副作用を組み込むリスク等が問題になっている。感染時の致

死率は低いが、感染拡大速度とワクチン開発に1年以上必要であることから、一旦感染拡大すると戦力ダメージが大きい。A国や他の国の軍事機関では、国内感染状況に関わらず、当面は現状の感染対策を継続すると考えられる。

 話しの流れから、クライアントの本音はどうも自衛隊のシフト体制について、防衛計画どおりの対応が出来ないことを心配しているようだった。


 私は、この件の説明の最後にクライアントに対してこう言い残した。

私「計画などという建前だけで戦争ができるはずがありません。周りを気にしすぎれば、周りと同じにしたがります。日本は日本のやり方を考えても全く問題ないと思います。それは何故かと言うと、世界最大の敗戦国だからです。その経験に勝るものはありませんよ!」


〜つづく~


          文責(作者)カズ ナガサワ

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