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ラスボスが、やって来た  作者: 金子ふみよ
第一章
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結婚式に行って来た

 正装の首元を緩めたくなった。ウエルが祝福を表したのは嘘ではない。なにせ、友人が結婚をしたのだ。喜ばしい。祝意を拍手とともに新郎フリエに送った。

「お前も早く相手を見つけろよ」

 剛毅な友人は新婦が横にいると言うのに、ウエルに心配を告げた。それまで微笑んでいたウエルは苦笑いをこらえるのに必死になった。新婦を見た。亭主となる男に慣れたものか笑顔を変えてなかった。ウエルはああだこうだ言いながら友人から距離を作った。祝う人々は他にもたくさんいる。席を譲った、という形にしたのだ。

 その帰り道である。正装の首元を緩めたくなったのは。ウエルは指折り数えた。友人知人でここ数年結婚した数である。ため息を吐こうとしてかろうじて止めた。自分の年は十七だ、フリエは十九だし、あいつは商人だった、あいつは貴族だ位は高くないけれど、それに十八だ、まだ一年は猶予だ。

(とはいえ)

 ため息が出てしまった。定職に就いてない身分が空寒い。非常勤の給与など独り身をしのぐのがやっとだった。

 ウエルは道すがらの海岸に行くことにした。


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