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ポインセチア・ノート  作者: 紫音
一章:都忘れの花束を君に
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幕間2「ロホお姉さん(偽名)の魔導具解説♪」

第二十一話でカットしたロホの魔導具についての解説シーンです。


ロホは危機玉を元の場所に戻すと、再び俺の後ろにある魔導具を漁り始める。そろそろヨークの所へ行きたいけど足に力が入ら無かった。


「掘り出し物が多いけど、模造品も多いのよね~」


「そんなのが有るんですか?」


「そうなのよ。誰だか知らないけど、質の良い模造品を作る悪い人が居るのよね。高値で売り付けて儲ける悪~い子が」


ロホは漁り終えると、少し大きい鏡を俺の前に置いた。鏡のフレームには古代語で『我が鏡は彼方へ繋げる物也』と書かれている。フレームの上部には雑に「11199333ウェン」と値札が付けられている。

ロホは鏡に寄り掛かる様な体勢で鏡の説明を始めた。


「これなんてそうなのよ?オープマトクラスの魔導具だけど、良く見るとかなり新しい素材で作られてるの。オリジナルを持ってるなら寄越しなさいな――って思うのよね」


「はぁ、なるほど……」


「この魔導具は瞬間移動が出来るらしいけど、模造品だから安全の保証無いかもね」


瞬間移動……。そう言えば、カルミアが瞬間移動する事が出来る魔導具を職人に頼んでいたっけ。あれはどうなったんだろう?


ロホは鏡を仕舞うと、次に薄汚れた小さい木製の宝石入れをしゃがみながら見せた。


「これは本物。呪いが籠められた箱よ?開けたら呪われちゃうの♪」


なんで、そんな物を嬉しそうに触る事が出来るのだろう……?

俺だったら怖くて気軽に触れない。

そんな事を俺が思ってるのを露知らずか、箱を俺の手前まで近づけた。


「ちょ、ちょっと!」


「大丈夫よ~?開けなければ良いだけだから。坊っちゃんは怖がりさんね~♪」


ロホは悪戯な笑みを浮かべて居たが、気遣ってくれたのか懐に締まった。

会計前なのに大丈夫なのだろうか?


「今の箱はね?ある国が良く使う魔導具なんだけど、髪などの体の一部を入れて呪いを籠めるの。それで呪いたい相手に送るのよ♪因みに、その国では子どもを別の国に流して呪いを送る事もあるらしいわよ」


「嫌な国なんですね……」


「117年前はそんな呪術的な嫌がらせをしていたらしいけど、効果が無かったみたい。それでかは知らないけど、呪いが跳ね返って身を滅ぼしたらしいわよ?」


ロホは、今度は俺の前に見える魔導具や家具の山を物色し始めた。ロホは次解説する魔導具を探しているらしい。


ロホの説明は分かりやすいけど、魔導具に興味無い俺にとっては授業を受けてるみたいで退屈だ。ロホの香水らしき匂いも相まって段々と眠くなってきたが、堂々と寝るのは失礼だと思うから出来るだけ頑張る事にした。


ロホは山から黒い粉の入った瓶を取り出した。


「魔導具というより薬品なんだけどね?これはなかなか面白い物なのよ♪名前は『テレポーターパウダー』。この粉を全身に塗すだけで瞬間移動出来るの。私の愛用品よ。まあ、かなり危ないけどね」


「……」


瞼が重い……。聞いてるだけだと後もう少しで眠ってしまいそうだ……。ロホの香水が匂う度に心地良く感じてしまい、眠気を更に誘う……。


俺は眠気を覚ます為に質問をしてみる事にした。


「な……何が危ないんですか?」


すると、ロホは待ってたと言わんばかりに得意気な笑みを(こぼ)した。


「普通の人がこのパウダーを使うと全身が丸焦げになるくらいに燃えるのよ♪でも、私みたいな特殊な魔術を使える神に選ばれし人は平気なのよ~?」


ロホの言い方はまるで他人を見下す様だった。俺は愛想笑いを浮かべてみたが、本音を言えば不愉快だ……。

ロホはまた会計前の物を懐に仕舞うと、俺にくっつく様に隣に座る。俺の横顔をじっくりと見ながら微笑む。


「ねぇ?特別に私の魔術を見せあげるわよ?坊っちゃん気に入っちゃたし♪」


「見せなくて大丈夫ですよ……。それに俺はそこまで気に入る事をしてないですし……」


すると、ロホは妖しく笑いながら言った。


「こんな暗い空間が見える人を気に入ってしまうのよ。私は特に――ね。ふふふ……」


「……?」


俺はロホが何を言ってるのか良く分からない。暗い空間を見えやすい人を好む……?

ロホって変わり者だな……。


「――まあ、良いわ。代わりにまた魔導具を教えてあげるわ♪これはね?とある滅んだ国の――」



本編に続く――。

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