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拓海の恋:お散歩

 拓海と美里は、夜、たまにポチ雄を連れて近くの大きな公園まで散歩に行ったりしていた。

 今日も九時過ぎからお散歩だ。


「わほっ!」

 ポチ雄くん大喜びである。

 デカイ肉球で地面を踏みしめる。


 片手をポケットに突っ込み、片手でリードを握りながら拓海が言った。

「三月だけど、まだまだ寒いね」

「拓海くん、風邪ひかないようにね、八月からツアーだし」

「あはは、ツアーはまだまだ先だよ。ミミって結構心配性?」

「うん…だいぶ…ふふっ」

 美里は両手をポケットに突っ込んだまま、拓海を見てニッコリした。


「大丈夫だよ。体調はちゃんと気をつけてるから」

「うん。ファンの人たちも楽しみにしてるしね!」

「ミミ、ファン目線じゃん?」

「ん? そうだよ? だって私FACEのファンだもん」

「え? 初めてきいた。ミミがFACEのファンって…。水川こよしじゃないの?」

「へへへ、最近ちゃんとCD聞いてる。拓海くんの声、かっこいいんだね!」

「えっ…、そ、そう?」


 自分を覗き込むように首をかしげた美里をものすごく可愛く思った拓海は、照れてしまうが、カッコイイのは、声だけ…? という疑問も持った。


 美里は、結莉からFACEのCDとDVDを全てセットでプレゼントされていた。

 DVDはまだ封を切っていない…。

 本当は水川こよしが一番だが、とりあえず、一生懸命FACEも聴いている。



「JICのパーティ、結莉が迎えに行くって言ってたよ」

「うん! 結莉さんが、水川こよし紹介してくれるってぇ! ものすごい楽しみだけど、すんごく緊張してる! すでに!」

―――また、水川かよ…。アイツもJICなんだよなぁ。


「ミミの理想の人って、水川こよしなんだ?」

「うん!!」

―――ものすごいきっぱり返事くれたよ…。オレと全然タイプ違うじゃんか…。




「ねぇ、拓海くん、結莉さんのこと大好きでしょ?」

「え…なんで…?」

「見ててわかる。修平さんにも、やきもち焼いてるのも、わかるぅ」

 美里が、少し肩をすくめて笑った。


―――げっ、なんでわかんだよ…

 大概の人間は拓海を見ていればわかる、わかっていないのは自分だけだ。


「そ、そんなことないよ。結莉はもう修平のもんだし。それに結莉は、ねぇーちゃんだと思って、ずっと、きたから」

「ふ~ん、そうなんだ…」 

 美里は、笑いながら疑いの眼差しで見た。



「でもって、拓海くんの理想は、結莉さんでしょ?」

「えっ? ははっ、どうして?」拓海は少し笑った。

「だって、拓海くんカッコイイのに彼女いないし?」

「オレ、もてないよ?」

「またまた~拓海くん理想が高いんだよ、きっと。でもわかるような気がする。拓海くんにとっての一番は結莉さん。結莉さん以上の女性探すの無理!!といっても過言ではない!」

「うん、確かに結莉が理想だと思う」

 拓海が素直に言うと、美里がうれしそうな顔をした。


「私も結莉さん、大好きだなぁ。お月様みたいにきれいだし、ね?」

 そう言い、一段高い石段に乗り、美里は夜空の月を指差した。




「ねぇ、ミミは…彼氏いるの?」

「いますよ!」

「えっ?」

 想像していなかった言葉に拓海は、自分の胸がキュンとなるのを感じた。


「…いますよ…って、言ってみたい…」 

 美里は、残念そうに言ってから、笑った。


―――な、なんだよ~オレ、遊ばれてる?

 と思いつつ、拓海は、心の中でホッとため息をついた。


「いないんだ…」

「はい…。拓海くんは、よりどりみどりで女の人選び放題でいいですよね~だ!」

 少し拗ねた。


「ファンの子たちだけだよ、チヤホヤしてくれるのって。彼女というか恋人いないし」

「じゃあ~、どっちが先に恋人見つけるか競争しよう!」美里はそう言うと、胸の前で拳を握った。

「ええ? 競争?」

―――なんで話がそうなるんだよ?

 首をかしげる拓海である。




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