ひぐらしの丘。
遥か
遠くに見えてるようでも
小一時間にも過ぎない 水筒の口は閉めたまま
余裕綽々 気分は上々
軽やかに 緩やかに 勢い良く テンポ良く
それでも足取りは重くなってきて
まだまだ 辿り着けやしない
じわじわ湿りつけてくる
薄っぺらい着衣が満たされて
毛穴という毛穴から 溢れた汁
ふと 見上げた空は かなり遠くって
灰色のわたあめが押し寄せる
御天道様を覆い隠すから ゆっくり腰をおろす
真っ盛りな鳴き声 けたたましく 喧しい
しゃあしゃあ しゃあしゃあ しゃあしゃあ
隙間から覗かせた 秋を告ぐ声
まだ早い鳴き声
ツクツクボウシと ひぐらしの丘
鈴虫も 居たような気がして
めっちゃうるさい!
ただ、セミプロなので手掴みで処理する。




