プロローグ―僕の家が燃えている―
2022年3月3日追記:
ついったー始めたので、もしよかったらフォローして貰えると嬉しいです。
https://twitter.com/KOHARU_michi00
です。
――僕の家が燃えている。
十年かけて、十五歳の時から、死にもの狂いで働いて稼いだお金で買ったのに。
――僕の家が燃えている。
大工にも色々と注文をつけて、満足な仕上がりだったのに。
――僕の家が燃えている。
まだ引渡しから一日しか経ってないのに。
――僕の家が燃えている。
「あああああ……なんで、なんで」
僕は地面に膝をついた。
止め処のないやるせなさに、握りこぶしを何度も地面にぶつけた。
「どうして……」
涙が溢れてきた。
ぽたぽたと地面に涙が落ちて染みが出来る。
煌々と家が火花を放っている。
まだ幸いなのは、ここが町外れなお陰で被害が拡大しない事か。
僕にとっては何ひとつ幸いじゃないけど。
「あああああああああっ! 誰かっ! 誰かぁ!」
救助を求めて叫んで見る。
でも、ここには僕の家しかない。
隣近所には誰も住んでいない。
助けに来てくれる人なんて居るわけがない。
先ほど食べた夜ご飯が、胃から競りあがってくる。
目の前の現実に、吐き気をもよおしているのが自分でも分かった。
それは止める事はどうにも難しくて――
「おえっ……うぷっ」
――気づいたら、僕は嘔吐していた。
途中色々あるかも知れませんが、最後はハッピーエンドにします。