第一章 1
私のこの記憶は…
静かにゆっくりと消えていくんだろうな…
そして…この願いすらも…
でももし、もし叶うのならば…
もう一度…あなたと…
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時は20XX年。
本来なら闇の眷属である俺…白銀レイが真上から降り注ぐソルスにさらされながら歩いている理由は今日はこれから我が城となる高校からの招待で入学式とやらに来ていて…
「…ぇ…ねぇ…ねえってばぁっ!」
「おわっびっくりしたぁ」
「もうー!人の話聞いてないでしょー!」
そう言いながら可愛らしく頬を膨らませて怒っているのは俺の幼馴染の矢吹咲桜。
栗色で肩にかかるほどの長さの髪の毛に透き通った青色の目が特徴の女の子だ。
「いや…ちゃんと聞いてたぞ?えっと確か…クラスの係についてだっけか…?」
「ちがうよ!もうっ!クラスメートで仲良くなれそうな人いた?って聞いたの!…男子優しい人多かったからレイも誰かに話しかけられたんじゃないかなと思って!」
「いや、それは…」
それはお前が可愛いからであって…とは言えない。
入学式が終わったあとの軽い自己紹介の時にクラスの男子がざわざわしていたし今までどおりの反応だから驚きはしない。
それなのにもかかわらず本人はモテているという自覚はないし、理由は分からないが小さい頃から俺の周りにずっといるおかげで小・中共にクラスの男子からはかなり目の敵にされていた。
そりゃ『自慢の彼女ですが何か?』なんて言えたら自分的には嬉しいんだけど…俺には告白できるような勇気も当たって砕けろ精神もない。
とにかく…一応謝罪はしておこう。
「ごほん…えとすまん全然聞いてなかったわ」
「認めるなぁ!…どうせいつもみたいに頭の中でなんか違うこと考えてたんでしょ?」
ぎくっ…
なぜばれる!?
「な…なんのことかな?」
動揺しすぎてうまく隠せず、咲桜はニヤニヤと笑いかけてくる。
「ははーん…さては図星だね?分かりやすーい」
「くっ…」
ほんといつもこうだ。
何故かこいつは的確に心読んでくるんだよなぁ…
「全くっ!…せっかくの下校デートなのに…」
「ん?なんか言った?」
「べつにー?なんもないよ」
んー…女子はほんとわからん…
機嫌が悪いのは目に見えて分けるけど…
「まっあんまり脳内妄想?しすぎると友達できないよー」
ごふっ
「ちょっ…お前ぇ………!!!」
これはかなり精神的にくるものがあるぞ…さすがにあんまりだっ!
「じゃっ私用事あるから。んじゃね」
咲桜は振り返ることなく手をひらひらと振りながら去っていった。
「おい待てって…くそぅ。覚えてろよ…」
いつかお前が驚くほどの数の友達を作ってやるからな!
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「はぁー」
今日もだめだったなぁ…絶対に言うって決めてたのにぃ…
ピロン
「またかぁ…なんとなく来るだろぅなぁと思ってレイと別れたけど正解だったね…貴重なデート(仮)がぁ」
私は一見普通の高校生…なんだけどすこーし違う部分がある。
それは異世界から来た怪物を退治する仕事をしているってところ。
レイだったら多分喜んでやるんだろうなとは思うけど…
「私興味ないからただきついだけなんだよね。いいストレス発散だけど」
本当なら断ることも出来た…けど…少しでもこの能力のお陰で助かる人がいるのなら…
「考えてもしゃーない!とりあえず行かなきゃ」
私は頬を叩き気合を入れながら、表示されている地図に従いながら目的地へと向かった。
趣味で書いてみました( ˘ω˘)スヤァ
気に入らないとこあるとすぐ修正しちゃうのですいません。
面白いと思っていただければ幸いですが…もちろん酷評でも引き受けます。
これからよろしくお願いします。