今日は何の日?
短くおバカな失敗談を述べましょう。
今の職場はほぼ年中無休です。前の職場も、そのまた前の職場もそうでした。
そういう状況におかれていると、否応なしに季節感覚というものが鈍化していきます。テレビで桜の開花宣言が出たというニュースを観て「ああ、春か」と気付き、なんか暑いと思ってカレンダーに目をやれば七月になっていたり、コンビニに季節限定なお菓子が並んでいることで秋を知り、ある朝外が真っ白な雪景色になっているのを眺めて冬の到来を確認する。大袈裟な言い方に聞こえると思いますが、しかし嘘でないということだけはいえます。
まあ、平日勤務の土日休み、みたいな規則正しい勤務体系なら辛うじてそうはならないかもしれません。
しかし、三日出て二日休み、五日連続勤務で一日休み、そしてまた四勤(四日連続勤務)……というように、休日が不規則にふられていると、季節感覚どころか日付感覚、曜日感覚もおかしくなってきます。
したがって、
「今日って何曜日だっけ?」
「水曜日ですよ」
というような、社員とのやりとりはざらにあります。
よほどマヒしてくると、近所の定食屋とか店が休みになっているのを見てはじめてその日が何曜日かを思い出したりしますね。メシを食いに行って「定休日」の札を目にして「ああ、今日って月曜日か」など。
業務が忙しくなると、もうダメです。その日が何曜日か、どころの騒ぎでなくなってしまう。それで「今日って何日だ?」と、訊くこと多々。書類を書くのに専念していて、日付を入れる欄のところへきたときにふとわからなくなるんですね。
あと、よくあるのが「〇日って何曜日?」と尋ねてしまうことでしょうか。
数日後の曜日などというのは多くの人はカレンダーを見なくとも答えられるでしょうが、業務に没頭していて違うことを考えているときに日付や曜日の確認を要求されても、これが咄嗟には思い出せないものです。パッと答えられる方は、おそらく日頃から脳みそをよく回転させる習慣をもっている人だと思います。
とどめに、職場にいる全員から爆笑されてしまった間抜けな問いかけがありまして、私は何を血迷ったか誰へともなく「九日って何日だっけ?」と尋ねたらしいのです。あまりよく覚えていないのですが。
また別のときには「金曜日って何曜日?」と訊いたとかなんとか。
私が頻繁に日付や曜日を尋ねるのも、とにかく叫べば誰かが答えてくれるからなのです。周りの人に甘えているといえばそういうことなのかもしれない。
ただ、気を付けなければいけないのは、お客とやりとりしていてもこの「日付・曜日ボケ」が発動してしまうのです。
つい先日もお客から
「明後日でお願いします」
と日付を指定されたのですが、注文を受けているその日が五日であるにもかかわらず私はなぜか六日だと思い込んでおり
「わかりました。では、八日で承りますがよろしいですか?」
きっぱり答えました。
お客もお客で、私がよどみなく明快に答えたためについ「はい、間違いないです」と応じました。
が、ちょっと考えてから
「あの、明後日は七日……ですよね……?」
遠慮がちに訊き返してきたものです。
これはあまり笑えません。お客のほうで気付いてくれたからよかったものの、そのまま通していたら重大なミスにつながるところでした。お客にも迷惑をかけてしまいます。
あるいは逆のケースもありまして、お客のほうが日付を間違っていたりすることも少なくありません。そういうのは年配の人だけだろうと思われるでしょうが、意外にも若い人であっても日付の思い違いはあります。日付や曜日といった時間的概念は脳のある部分の機能だそうですが、そこを普段から使っていないと老若を問わず誤った認識をしがちになる、というのを何かで読んだような記憶がありますがはっきりしません。
曜日とか日付とか、新聞やテレビを観ていればすぐわかるだろう?
そういう疑問をもたれるかもしれない。
しかしながら私、朝はテレビをつけませんし、新聞も読まない。したがって、スマホの画面でも見るよりほかに確認のしようがないのですね。だから、ゴミの収集日がわからなくてよく出しそびれる。
一概にはいえませんが、曜日や日付というのはちゃんと意識していないと、ふとした瞬間に頭の中から飛んでしまうことがあるように思います。それに、どこの職場やご家庭でも、カレンダーがないということのほうがめずらしい。日付や曜日を間違うと、場合によっては大きなトラブルや損失につながってきますから、記憶のみに頼るべきではないといえましょう。
私の勤務形態はまだしばらく変わりそうにありませんので、季節感覚が正常に戻るのは当分あとのことになりそうです。