兄貴の存在
「兄貴、今日も仕事なのか?」
「うん、こんな僕を雇ってくれてるんだから頑張らないとね」
「今日は日曜日だぞ。最近そのー、多くないか」
「大丈夫!妹こそ今日もバイトでしょ。僕の事は問題ないから」
「何時に帰れるんだ?」
「うーん、早くて21時くらいかな」
「………うん、分かった。気をつけてね」
「妹の顔を見るだけで体力ゲージは満タンさ」
「………うわー、兄貴キモいよ」
「ちょっ!何で僕から距離をとるのー。理由を答えよ!」
「今の言葉の意味そのまんまだけど」
「妹のバカー!」
「あ、兄貴お弁当!………って行ってしまったよあのバカ」
「妹!弁当忘れた。HEY!プリーズ」
「あ、戻ってきた」
妹は一人家で掃除中。
「はあー、兄貴……相変わらず頑張るなー。私もバイトではなくちゃんと就職して家計を支えないと」
掃除機をかけながらブツブツと呟く妹。部屋の掃除が終わり少し休憩する。今の季節は真夏。エアコンは付いていないので扇風機で汗を冷ます。
「兄貴は凄いな。いつも働いて、日曜日まで働いて。そんなに働いたら体を壊しちゃうよ。本当に私の前では不真面目でだらしない兄貴なのに。本当に……バカな兄貴だな」
妹は少し悲しげな表情をしながら私服に着替える。
「そろそろ私もバイトに行くか。たったの4時間だけど」
短めの勤務時間に溜め息を吐きながら妹は家を出る。
「バイト終わったら買い物行かないとなー。今日は兄貴の好きなカレーにしようかな」
空を見上げながら妹は部屋を後にした。
「ただいまー。ふー、今日も仕事が無事に終わった」
「あ、兄貴おかえりー。あれ?仕事早かったね」
「うん、頑張りまくって早く終わらしてきたんだー。ん?この匂いはカレーですか!」
「うん。最近カレー食べてなかったから。まだ作ってる最中だからお風呂入ってきて」
「妹のカレーは絶品だからね。もう疲れが吹っ飛びそうだ」
「大袈裟な。ただ野菜と肉炒めて市販のルーを入れただけだよ」
「何を言っている妹よ。プラス兄貴への愛情もたっぷり入ってるっしょ」
「兄貴への殺意なら今カレーにたっぷりと入れたけど」
「ひどいよおおおお!」
「うっさい!さっさと風呂に入ってこい!」
「ひ!了解しましたああああああ!!」
(兄貴)
・身長170センチ
・体重58キロ
好きなもの
①妹
②カレー
③妹
④カレー
⑤要するに妹とカレーがちょー好き
(妹)
・身長155センチ
・体重42キロ
好きなもの
①兄貴?
②ハヤシライス(カレーじゃなかった)
③兄貴なのか?
④ハヤシライス(そこはカレーにしとけよ)
⑤要するに兄貴の事はやっぱり…………