自分の現状と爺さんの事を知る
なかなか、文章を書くのはいざとなると難しいものです。
他の小説を書いている人や書籍化された方など只々凄いと思う今日この頃であります。
読みやすい文章を書きたいな。
竜也から此処に来るまでの話を聞いた爺さんはと言うと。
ふむ、思っていたよりもかなり複雑な話じゃのう。取り敢えずは疑問点を聞いてみることにするかのう。
「にわかには、信じられん話ではあるが。取り敢えずその話を信用するとして質問が幾つかあるんじゃが良いじゃろうか?」
「私に答えられることであれば良いですよ。」
「フム。では、異世界の日本という国は平和な国なのかのう?今までのお主を見ている限り、こちらの世界に比べて随分危機管理能力が低い様じゃ。争いが少なく、安全な場所に住んでいたとしか思えない程度には異常じゃのう。」
「そうですね。取り敢えずではありますが、始終戦争が頻繁に起こっていた訳でも身に危険が及ぶ様な事件が起こるようなことも少ない国ではありましたけどね。見た目は平和だとは思いますが、ギリギリの均衡を保っているような危うい世界ではあったと思っています。ある意味、心や精神面、あえて言うならば人としてはこちらの世界よりも危機的状況が身近に無い分、荒んでいるではないかと思います。」
「平和な国とある程度の安全が確保された国とはいえ、人の内面までは早々変わりはしないものなのかのう?中々に人と言うものはままならんものじゃのう。」
「何処かの国で召喚されたとか言う訳でもないんじゃな?その、こちらの世界に転移させたであろう物の正体に心当たりは何もないのかのう?」
「全くありませんね!!召喚した国があるのであれば、もっとマシな召喚をしろと逆にこちらが言いたい気分ですね。唐突に何の前触れも説明もなく文字通り強制的に転移させられて連れてこられた身としてはどこの国の者にせよ、何者でどんな理由があったとしても巫山戯るなと言いたいところですね。」
「確かにのう。召喚にせよ強制的に転移させたにせよ、余りに無体な話ではあるのう。お主が怒るのもわからんでもない。」
「して、お主が此処に来るまでの間に特に危険なことは起こらなかったと言うことじゃが、それは誠じゃろうか?逆に此処に来るまでにどんな生物に出くわしたのか分かる範囲で教えてもらえんかのう?」
「そうですね。食料調達の為にホーンラビットを数羽と川で魚を数匹獲った程度ですね。それ以外では子狼のエクレールに出会ったくらいでしょうか。」
ある意味真実とは、こんな感じで単純なのかもしれない。奇跡もある意味同じ様な者ではないだろうか?
「この森でで言うならやはりあり得ん話じゃて。ホーンラビットなんかは人が狩る前に他の強力な魔獣、魔物に喰われるか、人の方が先に胃袋に収まるかのどちらかであろうな。やはり、お主の周りに刻々と集まってきている精霊達によって護られていたのじゃろうな。」
「精霊達???私の周りにですか?全く気配も感じないですし、全く見えませんけど。」
「ワシも精霊術師の端くれであるから分かるのじゃが、今まででこれほどまでに精霊に好かれている者にあったことも聞いたこともないのう。それこそ古の時代に滅ぼされたハイヒューマンにいたと言われる精霊術師位のものじゃろう。」
ケバイ、じゃなくて、ヤバイヤバイ、俺種族ハイヒューマンじゃねえか!!このままじゃろくな事になりそうな予感しかしない。これは早急に情報の取得をしなければ!!
さあ、爺さんよその知識を俺に〜〜〜〜分けてくれ。(元気玉風に諸手を上げたい)あまりの内容に若干おかしくなっている竜也であった。
「ハイヒューマン、滅ぼされた!?では今はこの世界にハイヒューマンは存在していないんですか?」
「うむ、ハイヒューマンは1人もいないのう。ヒューマンは普通に沢山いるがのう。まあ 、ハイヒューマンの一部者が他と隔絶した能力を有していた事と、そのまた一部の暴走の結果、多種族の合同軍によって全員滅ぼされたと文献には書かれておる。」
取り敢えず、ハイヒューマンの歴史と現状については理解した。何とかこの話を逸らさなければ・・・・・どうしよう。精霊術の話で話題をそらそう。
「なるほど。そうだったんですね。実は私、元の世界で精霊術師の家系だったのです。ですが、訓練を積み重ねても能力の発現が見られずに家から縁を切られた状態でして、こちらに来てからその原因が精霊術発動の補助具である指輪であることが分かったんですよ。ですから、精霊術師としてはまだまだ未熟者で実際、これからが不安ではありますね。」
「なるほどのう。じゃからお主から魔力がダダ漏れなのも理解できる話じゃて、制御する術を身に付けておらんかったからじゃのう。」
「魔力?魔力なんて持っていませんよ。私がいた世界では魔法なんて空想の産物で存在していなかったんですから。何かの間違いではないですか?」
「いや、間違いではないぞ。現にお主は今現在も空気中に存在している魔力を自然に取り込み、身体強化に使用しておるではないか。魔力量も回復方法、回復量共にどれも異常じゃぞ。ある意味ここにたどり着いて良かったかもしれんのう。何処かの国に何も知らずに辿り着きなぞしとったらまず、間違いなく捕まり国からいい様に利用されていたじゃろうな。利用価値がなくなったら危険分子として処分されておったじゃろう。良かったのう。」
良かった良かったって全然喜こべねえよ!!!何じゃそりゃ!!!人生ハードモード、終了宣言!!てか、ここまで来ると最早笑うしかない。ハッハッハッハッハッハッ(棒読み)オワタ
「こちらの世界では、気のことを魔力って言うんですね。と言うよりどうにかしないと、このままではどこにも行けないんじゃないですか?何とか力を貸していただけないでしょうか。」
「うむ。ワシも若い頃は冒険者じゃたんじゃが、ある事で英雄に祭り上げられ利用されそうになってのう。その時に色々あってそれが嫌でこんな誰も来ることのできない様な危険地帯に住むことになったんじゃが。同じ様な目に合うのが分かっている若者を見捨てるのもちと可哀想じゃから協力できる範囲で助けてやろうかのう。」
なんていい爺さんなんだ。こんな人が日本にいたなら俺も、どんなに助けられたか。良し学べるだけ爺さんから吸収してやる。
「本当ですか!!ありがとうございます。何もお礼に渡せるものがないのは申し訳ありません。」
律儀なやつじゃのう。それにここまで素質を持った者を育てるのも楽しみじゃな。ワシを超えるものになるじゃろうな。
「気にすることは無いぞ。年寄りの暇つぶしか、お節介だとでも思って気を楽に考えるんじゃな。」
「これからはデザストル師匠と呼べば宜しいでしょうか?私のことはリュウとでも呼んでください。」
「そんなにかたっ苦しい呼び方なんぞごめんじゃな。これから暫くは一緒に暮らすんじゃからデザストル爺さんとでも呼んでもらえれば良いぞ。孫に呼ばれる様で新鮮じゃしのう。」
「それでは今後はその様に呼ばせていただきます。デザストル爺さんよろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくのう。リュウよ。おいおい、この世界のことも含めてワシの知る限りのことを教えてやろう。」
取り敢えずは、自身の現状、住む場所、師匠?、爺さん?と一気に疑問と問題が解決するのだった。
話の内容が、説明ぽくなってしまう。
だが、書かないと先に進めない。説明しないと矛盾が一杯。
儘ならないものです。
毎回、読んでくれている方達に感謝を。