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初めての人族と出会った

ログハウスの扉がゆっくりと開いて行く。

そこに立っていたのは、白髪の190センチは身長があるであろう老人であった。

(ちなみに竜也の身長は175センチ体系はいわゆる細マッチョといわれるものである)

だが、腰も曲がっておらず筋肉質で非常に鍛えられた体をしており、 見た目とは違い年齢を感じさせない姿勢の良さと未だに現役であることは間違いないほどの威圧感と気配が漂っている爺さんだった。


「こんな森の山奥に客人とは、いったいどのような要件でここに参られたのかね。まあ、なにわともあれ久々の客人ではあるから茶でもご馳走しながら、話でも聞こうかのう。」

ログハウスの家主であろう爺さんにそう言われ、案内される通りに家の中に入ることになった。


紅茶かハーブティに似たような不思議な飲み物を飲みながら、2人と1匹の会話は始まった。


「取り敢えず先ずは自己紹介からかのう。ワシはデザストル・ハウゼンと申す。名前がデザストルで苗字がハウゼンじゃ。こんな森の奥に暮らすしがないジジイじゃ。」


「私は、風間 竜也と申します。風間が苗字で竜也が名前です。こちらでは名前が先になるんですね。後この子狼はエクレールって言います。」


こんな小僧が、こんな場所まで無事にたどり着けるなど普通なら考えられんことじゃが。あの、身体にまとわりついている精霊達を見るからに悪人では内容じゃ。だが安易に信用するのも危険じゃのう。ここは少し揺さぶりをかけながら様子を伺って見るか。と瞬時に思案し対応を始めるジジイ。

「先ほども入り口で聞いたと思うが、こんな森の山奥に何をしに参ったのかね?」


相手がどんな人物か分からないうちは、迂闊な答えを返すのは危険かな?其れに異世界から来ましたと言っても信じてもらえるとは限らないし、この爺さんも何か警戒しているみたいだから嘘でもないし本当の事でもない微妙な答えを返す事にして様子を見て見るか。と此方も瞬時に思案し行動に移す竜也。

「知らないうちに森の中にいてどうにか、人の住んでいる場所にたどり着こうと森を彷徨っていたところ偶然にもこの家を見つけたもので、取り敢えず近くの町か村への行き方を教えてもらえればと思い来た次第です。」


奇しくも、この2人は互いに似た様な事を考えてしまったばかりに、信用し安心するまでに短くない時間が掛かってしまった。それ故に、結構な時間を無駄にしてしまう事になる。


その頃、エクレールはあまりの退屈さと状況についていけない事もあり、早々に諦め丸くなって静かに眠るのであった。


「久しぶりの客人であるからして、疑いたくはないのじゃが本当にそれが理由なのかのう?」


「他の理由を聞かれましても、実際にそれしか理由がないのでお話ししようもありませんし、この状況どうやっても納得のいく様な証明ができるとは思えません。」


「ふむ、確かにのう。しかし此処にいる時点でワシとしては疑いに目で見てしまうのもまた事実なんじゃが。」


「疑いですか?」


「まず、此処に無事に辿り着いている時点で既に異常だとしか言いようのない事なんじゃが。どうやらお主にはそれが理解できいない様じゃのう。そもそもこの森がどの様な場所かも分かっておらんようじゃからのう。」


「この森が、変わっているのは何となく感じてはいましたけど、特に危険な目には合わずにこの場所まで来ることができたんですけど。」


どうやら本当に此処がどんな場所か知らない様じゃのう。嘘をつくならもっと言いようが幾らでもあるはずじゃから此処はひとつ情報を出して見るかのう。

「本来此処は、普通の人が入って来れるほど安全な場所ではないぞ。此処に来る間に確実に襲われて餌になってしまうのが普通じゃな。危険度SSクラスの精魔の森と言われている場所じゃぞ。それこそ国の大軍隊か高能力者の少数精鋭でも無ければたどり着く可能性さえ無い危険地帯じゃからのう。それにお主はたいした装備もしていなければ、負傷もしてもいない様じゃし、荷物がほとんどないのも異常じゃのう。一体何をしに此処に来たのか正直に話してもらえんかのう。」


おお!!爺さんが急に色々な事を話し出したぞ。なんか此処って相当危険な場所みたいだな。精魔の森?危険度SSクラス?大軍隊、高能力者の少数精鋭でも突破の可能性が低いって!?・・・・・・・何て高難易度の危険地帯に飛ばしやがるんだ!!一歩間違わなくても人生則終了パターンじゃねぇかよ!!異世界転移勝手にした奴絶対後で死なす。相手が例え神であっても情け容赦なく死なしてやる!!!(*`へ´*)


実は自分が生きてたどり着けた事自体が奇跡以外の何者でも無い事を、必然的に爺さんから知り異世界転移させた者に復讐を誓う竜也であった。

因みにこの時の思考時間は二秒たらずである。(何気に早いのか?)

その頃エクレールはと言うと1人、一匹?爆睡中である。


「解りました。お話しします。まず、どんな内容であっても取り敢えず話をすべて聞いてもらってから、質問をしてもらいたいんですけど、よろしいでしょうか?」


これで、ようやく本当の話が聞けそうじゃのう。はてさて、どんな話が飛び出して来るやら。

「良いじゃろう。お互い其れなりに訳ありの様じゃからのう。早速聞かせてもらっても良いじゃろうか?」


こりゃ、本当の事を話して見たほうが良いみたいだな。信じてもらえるかは別にしても、このままでは手詰まりだし、状況もこれ以上悪化することもないだろう。

「まず、最初に私はこの世界の人間ではありません。つい先日まで、間違いなく地球と言う星の日本という国に住んでいました。家にお客が来たから扉を開けると『一名様ご案内しま〜す。』の言葉を聞いた直後、気が付いたら森の中に1人放置されていました。」

「その後、手紙が来ていて此処が異世界である事を初めて知りました。装備している服や靴は勝手にこちらの世界のものに置き換えられていましたが、武器だけは家に保管していたものが何故だか入っていたので助かりました。その後、森を移動している最中にこの子狼に出会って一緒に行動しているうちに此処に通じる道を発見し今此処にいる状況になっています。」

「今までの経過としては、この様な感じです。」


こうして2人は、当初に比べ幾分落ち着いて話をしていくがお互いに実は、更に驚愕する内容を知ることになる事をまだ知らない。




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