ある日森の中出会った!?
先日に早めに就寝した事もあり、そう日の朝は日の出前に目覚める事になった。
十分な休息も取れ、時間も十分にある事から食料調達の為の狩と漁を行い先日に続きホーンラビットを4羽と岩魚の様な30センチほどの魚を7匹ほど捕まえ解体とアイテムボックスへの保存を済ませて所で日の出を迎え朝日を浴びながら朝食と出発の準備を始めた。
「食料の方も暫くは問題ない程度には集めることができたし、水も竹の様な植物を見つけたお蔭でアイテムボックスの中に其れなりに備蓄もできたし十分な結果かなっと」
準備を十分終わらせたと判断した竜也は先日と同じ様に森の中へ街道と人の痕跡を求めて歩き出した。
気も周気術で常に周りから補給され気操術を使った身体強化も常時かけれる状態にある為、足取りは軽く森の中を突き進むことができるのであった。
なお、精霊術阻害の指輪については先日の夜に外しているものの、今まで精霊との接点が取れなかった事もあり身体が直ぐにその変化に対応できるわけもなく、慣れるまでには暫くの時間は必要であった。
元の世界においても、産まれた時から精霊具を身に付ける事が基本ではあるが、実際の訓練は物心が着いてから少しづつ行われるものであり、個人差があるものの精霊術が使用できる様になるまでに数年単位でかかるものも少なく無い数は存在してる。なかなか理想通りにはいかないものである。
竜也自身においても、身体の変化が始まったばかりで十分な時間も経っていない状態である為、阻害の指輪を外して以降自身の周りに精霊達が集まってきている事には現時点で全く気が付いていない。その集まっている数と種類がどれだけ尋常ではない事になっているのかは全く解ってはいない。
まあ、この時点で気づいたところでその後の結果は何も変わることが無いので有る事から、例え竜也本人が気付いた所で何も変わりはしないのだが。
時はそれから少し経ち、やたらと森の植生が変わり木々が大きく幻想的と表現してもいい様に様変わりをした所でそれに出会った。
竜也自身気が付いたのは偶然であった。たまたま何気なくそっちを見たほうがいい様な気がして振り向いた先にそれはいた。
最初は金色の毛を持った動物の死骸か何かだと思っていたが、よく見るとそれは微かに動いている様であった。
念の為武器を抜き、気で更に身体能力を高め、周囲の気配を念入りに確認してからその獣であろう物のもとに向かった。
その獣は犬と言うよりも、狼に近い様な感じの生き物であった。
中型犬くらいの大きさがあったが、どうやら未だ子供で其れも乳離が済んでそれ程経っていない位のもので有る様に感じた。
近くに親の気配は感じられず、また巣の様なものも近くに見られない事から、何らかの理由で群れからはぐれたものだと思われた。
「第一村人とかの発見の前に別な生き物見つけたった?モフモフしててかわいいなあ。」
実は竜也は動物好きであり、特に犬系の物は大好きであった。
「お腹が空いているのかな?喉が渇いているのかな?それとも具合でも悪いのかな?」
試しに朝仕留めて解体済みのホーンラビットの肉と水を取り出し近くに置いてみる事にした。
どうやら、空腹と喉の渇き両方であったらしく竜也、食べ物、竜也、食べ物といった様に警戒心と食欲に揺れ動いている様であったが、本能的に空腹に負けて様で直ぐに一心不乱に肉と水に集中する獣なのであった。
「犬か狼か判断できないけど・・・とりあえず狼って事にしておこう異世界だし。でもやっぱり可愛いな。自分の家じゃあ飼ってくれる様な状態では無かったし、こいつが懐いてくれたら一緒に連れて行きたいな。1人でいるのもなんだかんだ言ってもいい加減寂しいし、モフモフの癒しは是非とも欲しい。」
竜也がそうこう考えているうちに、どうやら食事が終わった様で不思議な目で竜也を見ている子狼がいた。
「おっ!!元気になったみたいだな。良かった良かった。どうだお前行くとこ無いなら俺と一緒に来るか?まぁ言葉わかんないだろうけどな。」
子狼は竜也が話していることが理解できているかの様に、尻尾をはち切れんばかりにを振り、竜也へと飛びかかり喜びを表すかの様に竜也の顔をこれでもかと舐め回すのだった。
「うぷぅ!分かった分かった、もう分かったから。もうやめて〜♪待て待て落ち着け!!落ち着いたな?よしそれじゃあ一緒に行こうか。」
『ワフゥ!!ワフゥ!!』と可愛く鳴く事で肯定の意を表す子狼なのであった。
「先ずは名前を決めなくちゃな。ん〜〜っと何がいいかな?」考える事数分間。
「よし!!君に決めた。お前の名前はエクレールだ。フランス語で稲妻って意味がある。その金色の体毛を見て思いついた名前だよ。」
『ワフゥ!!ワフゥ!!』これまた、盛大に尻尾を振る子狼。
「よっし!俺の名前は風間 竜也だ。これからよろしくなエクレール。」
1人と1匹になり、相棒もできた事から非常に機嫌が良い竜也であった。
地球で竜也の事を少しでも知っている者が此処にいたなら、例えそれが自分の目で直に見たものであっても、恐らく誰もこんなに明るく生き生きとしているのが竜也であるとは信じられないであろう。
地球での竜也は精霊術が使える様になる為に常に努力しており、人との接触においても殆ど避けている様な状態であった。
学生時代においても、根暗、何を考えているのかわからない、危ない奴、などなど中々周りからも取っ付きにくい様に見られていた事もあり、友人と呼べるものも極端に少なく卒業と同時に付き合いも疎遠になる程度の関係でしかなかった。
社会人になって少しは変わってき始めていたものの、たったの数ヶ月で此方の世界に転移させられた事でマシにはなっているが払拭できるほどでは無いレベルでしか改善は見られていなかった。
何はともあれ、竜也と新たに仲間に加わったエクレールは気を取り直して大木が目立ち幻想的な森の中わ仲良く歩き続けるのであった。