第3話 同居
はい、どうものんびり+です。
この小説はすぐ終わると思いますが、暖かい目で見てくれると嬉しいです。
それでは今回も、のんびりしていってね
――今、俺は刹那と向かい合う形で座っている。
理由は簡単で、色々と理解不能な状態なので刹那に説明してもらっていると言う訳だ。
まだ冷静さを取り戻せていない俺とは裏腹に刹那は淡々と語る。
気付くと何故か宙に浮いていた事や壁をすり抜けられる事、誰にも自分の姿が見えていない事。しかし、ここでまた疑問が浮かぶ。
「俺は刹那の姿が見えるし声も聞こえるぞ?」
そう、何故か俺だけが刹那を認識出来る様なのだ。
「うーん、私にも分からないよ~」
刹那は暫く考えた後、頭を抱えて言う。
どうやら刹那にも分からないらしい。
だがそんな事は別にどうだって良い。
俺は刹那に会えた。もう会えない筈の刹那に。
触れる事は出来ないけど、姿が見える。声が聞こえる。
それだけで俺のさっきまで真っ黒だった心が色を取り戻す。
「ねえ未来」
刹那が俺を呼ぶ声がした。
「ん?何だ?」
「あのさ、私もここに住んで良い?」
「へ?」
あまりにも急だったので、俺は面を食らう。
「だって私行く宛が無いし……」
刹那が言うと俺は納得した。
今の刹那には行く所なんて無いし、俺以外の人は刹那を認識出来ない。
刹那からすればさぞ退屈だろう。
「分かった、良いぞ」
「本当?ありがとう!」
これは俗に言う同居と言うものだろう。
……ダメだ!意識したらどんどん恥ずかしくなってきたぞ……クールになるんだ俺!
「未来、大丈夫?」
「あ、あぁ!大丈夫だ!」
この日から、俺と刹那の奇妙な同居生活が始まった。
そして翌日。
静寂だった部屋に、いつもの騒がしい音が鳴り響く。
「うぅぅ……」
俺はいつも通り朝六時半に起床。
「すぅ……すぅ」
……寝息?
俺は隣を見る。すると何故か俺のベッド左半分が刹那に占領されていた。……というか何で刹那が隣で寝ているんだ?
答えはすぐに出た。
すると俺の顔はどんどん赤くなっていく。
俺は刹那と添い寝してたの!?
刹那の馬鹿!何普通に隣で寝てるの!?全くもう!!
勝手に興奮状態になった俺は、そんな事を思いながら頭を冷やす為に足早に洗面所に向かう。
「フフ、寝起きドッキリ大成功~」
部屋にそんな陽気な声がポツリと聞こえた。
「じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい~」
俺はいつも通り学校に向かう。
すると、いつもの路地に出た。いつもならここら辺で刹那からおちょくられるが、その刹那は今は俺の家にいる。たった一日で随分と俺の日常が変わったな。
俺はそんな事を考えながら歩みを進める。
「えぇ、皆に悲しいお知らせがある」
場面は変わり学校。
今は朝のホームルームだ。
「実は昨日、隣のクラスの天城刹那さんが、事故で……亡くなった」
「「えぇ!?」」
何も知らなかった生徒達の驚きの声がハモる。
それから、生徒達の喋り声で教室が満たされた。
「なあ未来!お前大丈夫かよ?」
前の席の奴が俺に言う。
恐らく、俺が刹那と幼馴染みだから俺の事を心配しているのだろう。
だが心配など必要無い。
何故ならその刹那は今俺の家に居るのだ。
しかし、そんな事言える訳も無い。
もしそんな事言ったら「お前、頭大丈夫か?」とさらに心配されるのがオチだ。
「……だから……事故に……」
先生が皆に注意を促す。
そして、チャイムがホームルームの終わりを告げる。
「先生からは以上だ」
「起立、気をつけ、礼」
「「ありがとうございました」」
ホームルームが終わり、再びクラスが騒がしくなる。
退屈だなあ、早く学校終わらないかな~。
俺は顔を掌で支え、空を見ながらそんな事を考える。
今日の空は、いつにも増して青く澄んでいる気がした。
お疲れさまです。
次回ものんびりしていってね




